竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年6月26日

(令和2年6月26日(金) 13:48~13:58  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 3件ございます。
 1つは統合イノベーション戦略推進会議のことでございますが、本日、第7回統合イノベーション戦略推進会議を開催いたしました。この中で統合イノベーション戦略2020素案、またバイオ戦略の基盤的施策について了承を得るなど、必要なことを決めてまいりました。今後、この基本的な方針に従って、科学技術イノベーションを進めてまいりたいと思っております。菅官房長官からも話がありましたけれど、竹本大臣には危機感とスピード感を持って戦略を取りまとめるようにという指示がございまして、その通りしっかりと進めていきたいと思っております。非常に重要なことでございます。
 それから2番目に、日本学術会議が共同主催する国際会議の中止の発表でございます。毎年日本学術会議はいろいろな分野の学術研究団体と共催で国際学会をやっております。今年は7件を開催する予定でありましたが、コロナのために6件を中止しました。そして残り1件は来年に時期をずらすということで、ただし今年度中にやるということで決まりました。
 それから、官民研究開発投資拡大プログラム、PRISMといっておりますが、それの予算配分の決定でございます。6月25日に開催いたしましたガバニングボードにおきまして、令和2年度の官民研究開発投資拡大プログラム、PRISMの一環として、「研究設備の遠隔化・自動化」の取組に対して約3億円の予算配分を行うことを決定し、本日内閣府のホームページにおいて公表を行う予定でございます。これは新型コロナウイルス感染症の影響で停滞しておりました研究開発を再開して加速するだけでなく、ニュー・ノーマルを支えるデジタル・トランスフォーメーションの推進に資する取組だと考えております。ニュー・ノーマルの中で研究開発を推進できる環境整備を進めることが必要でございまして、引き続き科学技術・イノベーションの創出を目指していきたいと考えております。

2.質疑応答

(問)今朝の統合イノベーション戦略推進会議で、統合イノベーション戦略2020の案が示されたかと思うんですけれども、これのポイントについて教えてください。
(答)先ほど少し申し上げましたけれど、ソサエティ5.0の本格的な実装を進めながらやっていくわけであります。時期的には今後7月半ばを目途に閣議決定をするつもりでおります。
 中身でございますが、新型コロナウイルスの影響により停滞の恐れのある研究活動の継続支援や、財政基盤が脆弱なスタートアップの支援、それから教育公共事業・物流等のあらゆる分野のデジタル化・リモート化の加速、さらにAI・スパコン・ビッグデータ解析なども活用した研究活動のデジタル転換を図っていきたいということでございます。
 コンピューターで富岳が8年ぶりに世界一に返り咲きましたけれど、これも非常に良かったことだと思っておりますが、あらゆる分野にわたってデジタル化をきちんと進めていかなければなりません。そういう意味で、7月半ばに閣議決定して、各分野においてしっかりとした対応を図っていきたいと思っております。
(問)新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリモートワークですとか、デジタル化の工夫がなされている中で、脱はんこに向けた動きも進んでいます。大臣は以前はんこ議連の会長を務めていらっしゃいましたが、こうした動きをどうお考えでしょうか。
 また、今後具体的に、デジタル化と日本のはんこ文化、これをどう捉え、対応していくお考えかお願いします。
(答)もともと私は、はんこ議連の会長を入閣する前からやっておりましたけれど、これは、はんこの関係の企業というのは、山梨県に非常に多くて、そちらの方で議員連盟をつくられたんですが、当選回数の多いベテランがいないということもあって、私のところへ議連会長を引き受けてくれと依頼に来られました。それで私は引き受けました。はんこというのも意思表示の1つの日本の文化の形であるから、守れる限りにおいては守っていこうという思いで引き受けたわけでございます。その後、昨年の9月に入閣いたしまして、担当でデジタル化が非常に大きい仕事の1つになりました。
 私の基本的な対応は、デジタル化とはんこの継続ということが、利害が相反するときは、デジタル化を進めるというのは私の仕事でありますから、デジタル化を優先するということで、はんこ議連の会長であることによってデジタル化に阻害があったとか、止められたとか、そういうことは一切ございません。
 そういう最中、いろいろはんこ議連の会長をやっているから、デジタル化に反対であろうという印象でものを語る人が世の中にはおられるようで、インターネットなどでも、私は知らなかったんですけれど、そんな意見を言っておられる方もおられるというので、それを見た同僚の議員の先生方が、これは申し訳ないから会長を仲間の誰かと替わりますということで、私は替わりました。5月の初めだったと思います。それで、後輩の静岡の城内君に替わったわけであります。そういうことで私は、はんこというのは日本の文化の一形態でありますから、それは邪魔だから消してしまえ、ゼロにせよと、そんな考え方は持っておりません。ただ、仕事を進める中で、特にコロナの中ではんこを貰うためにわざわざ出社しなければいけない、大変だという話がありました。それは、はんこがあるためにそんなことをするのでは実に無駄だというか、障害になるから、それはやはりやめなければいけないということで、そういう場合はデジタル化を最優先するということでやってきておりますので、首尾一貫全然変わっておりません。
(問)今回の統合イノベーション戦略では、留学生等を介した技術流出の防止対策を政府として講じるべきだということで対応が盛り込まれましたけれども、今後政府で具体的に対策を検討していくと思うんですが、過度にそういう留学生、外からの知識を抑制するとかえって科学技術の研究にマイナスになるという声も出てくるとは思うんですが、その辺はどういうふうにバランスをとっていくかという政府の考えを教えてください。
(答)アメリカの大学において、中国からの留学生等がこういった技術の流出に関わっているという話はよく聞いております。その辺の実態はある程度調べた上で、我が国の大学等においてどういう対応をするか決めていきたいと思っております。
 天才は人口に比例するといいますけれども、やはり人口の多いところにはそれなりの素晴らしい才能を持った人がいるわけで、それをシャットアウトするのは良くないし、得策ではないと思いますが、入れなければいけないと思いますが、その中で技術情報を流出させるような行為がもしあるとすれば、それは日本にとってはプラスではありませんので、そういったことの起こらないような工夫をどうすればいいか、他の国の事例を見ながらやはり研究していかなければならないと思っています。
(問)関連してなんですけれども、何か、実態をつかむというのは難しいと思うんですけれども、現状は政府としてどの程度具体的に事例を把握してるのかと、実態をこれから何か調査とか、何かやっていく考えはあるというか。
(答)これから検討をするところであります。余り実績等は、それほどまだ深く入ってはおりません。ただ情報を集めている段階でございます。
(問)先ほど大臣は、はんこ議連の会長をお辞めになったということなんですけれども、議連には引き続き所属していらっしゃるということになるんでしょうか。
(答)いや、今は入ってはおりません。
(問)では、5月をもって議連からも抜けられたということになると。
(答)はい。
(問)では、そうすると先日、党のほうに議連のほうから要望書が出されたということなんですけれども、そちらのほうにも関与はしてらっしゃらないと。
(答)それは全く関知していません。今朝聞いたんですけど、全く関知していません。

(以上)