竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年6月23日

(令和2年6月23日(火) 11:02~11:13  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 こちらから発表するものが二つあります。一つは、「新型コロナウイルス接触確認アプリ」についてでございますけれど、19日から「新型コロナウイルス接触確認アプリ」が利用可能となっております。利用されている方も既におられると思いますが、いろいろ御意見等もいただいてはおりますが、順調に進んでおります。本日23日9時現在で371万件のダウンロード。(我が国の人口は)1億2000万人ですから、これからどうなるかという課題もありますが、そういうことでスタートいたしております。
 それからもう一つは、今日2時半から大臣室で小泉環境大臣とウェブ会議を行います、15分間ですけれど。実は私の方で府省庁間のウェブ会議システムが使えるようになっておりますので、それを使ってやろうということでございます。ニュー・ノーマルとも言われている新たな日常の実現と、CO2の排出削減を実現していくことがこれから重要になってきますので、そういった意味で、私の方としては、統合イノベーション戦略の中に環境政策も取り入れて、来るべき社会をどういう社会にしていくかという議論を自由に、15分間ほどですけれど、やってみたいと思っております。

2.質疑応答

(問)理研のスパコン「富岳」が世界のスパコンランキングで4部門でトップを取りましたけれども、大臣としての受けとめと今後への期待をお願いします。
(答)実は、この大臣ポストに就任しましてから、しばらくしてから現物を見に行っております、神戸へ。もの凄い大きいもので、凄いと思ったんですが、それが世界でおっしゃったように1位を取れたということは非常に嬉しいことだと思っております。何でも1番を取っておかないと象徴的なものにならないので、そういう意味では非常に良かったと思っております。
 今後は、コロナという一つの現象に対して、このコンピュータを使ってどういう新しい発見ができるかということもありますので、非常に大きい期待がかかっているものだと思っております。
(問)今年度が第5期の最終年度ということで、投資目標の26兆円に向けてどういう状況かということが大変気になるところなんですが、第2次補正も決定して集計されている段階だと思います。今日というわけではないのですが、集計が決まって見通しがついたところで、ちょっと総括を大臣からしていただければというふうに思います。
 例えば、イノベ転換の効果はどうだったとか、研究現場に直接の研究費が行くという真水の増額はどうだったと。それから、予算の編成の中で、当初予算というよりも補正が頼りになって増額になっているということも否めないと思うんですけれども、その辺の部分も含めて、集計がまとまった時点で大臣の御所感をいただければというふうに思います。
(答)分かりました。統合イノベーション計画は今まとめているところですけれど、御承知のとおり研究開発投資がGDPの1%を目標にしておりますが、過去5年間で23.8兆円を計上しています。まだ26兆円には少し足りないが、何とかそれは埋めていきたいと思っております。それが一つの現状の大枠での報告ではございますけれども、今おっしゃったようないろいろな科学技術の振興と、それに対する評価を上げるということ、諸々やることがたくさんございますので、7月中旬になると思いますがまとめて、そして次の5カ年計画は年の暮れぐらいになると思いますけれど、そこへ入れていきたいと思っております。
(問)確認ですけれども、御発言としては、大臣としてはぜひ第6期も投資目標というのがあるべきという理解でよろしいんでしょうか。
(答)当然です。もっと増やすべきだと私はあちこちで言っているんですけれど。
 例えば、宇宙関係の予算にしましても3,000億円台ぐらいでありまして、アメリカの15分の1ぐらいではないかと思います。そういうことで、せめて宇宙関係だけでも1兆円に増やす。その中で今申し上げた関係もどんどん増えていってくれれば良いと思っております。
(問)今日の2時ぐらいからある小泉環境大臣とのウェブ会議なんですけれども、先ほど、今、統合イノベーション戦略に環境についての施策を盛り込みたいというふうにおっしゃったんですけれども、そこをもう少し具体的に、どういった施策であるとか、どういった問題意識から今日小泉環境大臣とのウェブ会議をセッティングされたとか、そういうお話を伺えたらと思います。
(答)彼とはよく閣僚懇談会の時などにいろいろ話をしているんですが、デジタル化がもっと進むことによって容易に意見交換ができる環境をつくっていく必要がある。たまたま私の方は科学技術を担当しておりますし、彼の方は環境対策を担当しています。そういう中で、例えば宇宙ごみの撤去などを、この間も話をしたんですけれど、環境省としてもすごい関心を持っているし、私の方は宇宙政策が担当なので当然関心があります。ところが、宇宙ごみの処理についてはルールが何もない。ルールが何もないということは、どんどんごみが増える可能性がある。それは困るから、やはり国際的な標準もつくるべきではないかと、いろいろな議論をしたりしております。今日はたった15分ですので、諸々の、自由に議論をしようと思っております。
(問)先ほどの接触確認アプリについて、大臣はいろいろ御意見もいただいているというお話をされましたけれども、例えばどういった意見が届いていますでしょうか。
(答)人口が1億人を超している国(日本)で現在370万人ぐらいの方々がインストールしているが、どの程度までインストールしていただけるのかと、こういうような話を聞いたりします。シンガポール(のアプリ)は2割台ぐらいしかインストールされていないというようなことを考えますと、人口の6割がインストールしないとクラスターの発見はできないという説もありますけれど、6割というのはなかなか大変でして、国民の65%がスマホを持っているという状況の中で、iPhoneがそのうちの6割5分ぐらいだという話がありますから、全員がインストールしてもそんな率にいかないです。ですから、クラスター云々の前に、(接触確認アプリでは)通知を受けた人が(適切に)PCR検査を受けることができるので、事前に(感染拡大を)防ぐことができる。そういうことの積み重ねの結果、クラスターが発生しないという効果が期待できると思っております。ただ、どんどん数字が上がってきまして、仮に6割ぐらいになれば、もっと有効に、はっきりとクラスターが防止できるんだろうと思っております。
(問)それともう一つ、先ほど宇宙の関連予算について、せめて1兆円増やすというふうにおっしゃったように聞こえましたけれども、これはかなりハードルが高いかと思うんですけれども、大臣、そのあたりはどういうふうに実現していこうとお考えでしょうか。
(答)コロナということを経験しまして、ライフスタイルが変わります。ですから素晴らしい未来が開けるかというと、そうかもしれないけれどそうとは限らない。今までとは違う生活で、何となく夢がないというような感じもあるのではないかと思っておりますから、やはり日本の産業の中で住宅ももう満杯ですし、自動車だってある程度天井をついていますし、何か新しいフロンティアを産業の面においても探す必要がある。その一つが私は宇宙産業だと思っています。
 そういう目で見ますと、中国があれだけ力を入れて月の裏側まで行っている時代に、アメリカはアルテミス等いろいろやっています。日本はかつての輝きがないんです。ですからもっともっと予算も増やし、また民間の参入も増やす中で、宇宙産業を今申し上げたように1兆円ぐらいの予算を使うぐらいになれば、それの存在感を発揮できるのではないかと思っております。
 宇宙というのは、今までは科学者か趣味人か特定の人たちがやっている別世界のanother worldだったけれど、our worldになるのではないか。また、そうすることが、日本の産業のフロンティアをつくることにも繋がりそうな感じがしていますので、ぜひそういうところは力を入れていきたい。アフターコロナも暗い予測ばかりが言われますけれど、何か夢を持っておく必要があると思って、そのうちの一つが宇宙産業かと思っています。

(以上)