竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年5月22日

(令和2年5月22日(金) 11:03~11:08  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 こちらから報告するのが1件ございます。
 昨日21日、種子島からH-2Bロケット9号機が打ち上げられて無事成功いたしました。これが「こうのとり」9号機で、今回のこれで最後になります。9号全部成功しておりますので、非常に良かったと私としては思っております。
 この9号機は、国際宇宙ステーションへの物資補給を行うべく航行中でございまして、来週の月曜日にドッキングをいたします。これから国際宇宙ステーションの先にある、国際宇宙探査の時代を切り開いていくことになるということでございます。
 言うまでもなく、アメリカからアルテミス計画で参加要請され、合意をしておりますし、将来月へのいろいろな活動の展開を考えますと、今回の成功は1つのワンステップ、一里塚だと私は考えております。

2.質疑応答

(問)今、コロナの給付金、10万円の給付金の申請が始まっているんですけれども、オンライン申請が添付書類の確認を各市町村の担当者が紙で、オンラインで来たものをさらに人間が確認をして、それで手続きをするということをやっていて、こういうものはそもそもそれ自体が機械化できる可能性もあるし、もっと合理化できるかなと思うんですが、IT担当大臣としてこうした現状をどういうふうに見ていらっしゃるのかを教えてください。
(答)おっしゃるとおりでありまして、本当に自動的にできなければおかしいのですが、この10万円給付というのは急に出てきたことであり、それからシステムを組んでいまして、自治体によっては間に合っていないところが結構ありまして、今、急速に技術陣に要請をしまして体制を整えてもらっていると聞いております。それができましたら、本来のデジタル的処理がきちんとできるようになります。
(問)昨日、宇宙関連の部会が内閣府の方で幾つか行われて、その宇宙基本計画について話し合われたと思います。それで、冒頭に何か、新型コロナの影響後の社会を見据えて、宇宙システムの重要性や宇宙ベンチャーへの支援について書かれていました。
 大臣としまして、新型コロナ後の社会に宇宙産業や、その現在の宇宙技術というのがどのようにかかわり発展すべきかというお考えをお聞かせください。
(答)21日に宇宙関連の部会が幾つか行われたわけですけれど、要は、我々は宇宙開発を長期的視点に立ってきちんとやっていくつもりだった。今でもそうなんですが、そこに新型コロナという予期せぬものが発生しました。
 この新型コロナについて考えますと、結局我々が宇宙開発で手がけているいろいろな技術が、例えばリモート化とかデジタル化といった分野で大いに役立つということでございます。幾つか例を申し上げますと、例えばGPS衛星や、我が国の準天頂衛星のような測位衛星が提供する位置情報は、自動運転やドローンによる無人の物品配送を進める上で不可欠であります。非常に宇宙の情報が具体的に、この輸送に役立ったということであります。
 また、別の例では地球観測衛星が提供いたしますデータを活用することによって、農作物の生育状況の把握や都市インフラの維持管理に必要な情報を獲得することが可能になります。農産物が、例えばお米だとか野菜とか、どの程度できているかというのは、別に人が行かなくても衛星で見られるということであります。
 もう1点言いますと、赤外線センサーを搭載した衛星を活用しますと、熱源が可視化できるので、工場等の稼働状況を遠隔から把握できます。これを用いることでサプライチェーン停滞の兆候を把握することもできる。今回、新型コロナが発生しまして、多くのサプライチェーンが止まりました。どの程度の状況かというのは衛星でも分かります。要するに活動しているところは熱を帯びますから、それできちんと把握できるということでありまして、このように衛星をはじめとした宇宙産業が新型コロナ対策として役立つことは間違いないと思っております。
 随分進んだものでありまして、三、四十年前は「悪魔の選択」という本が非常に売れて、僕も読んだことがありますが、30センチ四方で人の顔が何とか分かるという、そういう時代がくるという予測でした。今は本当にもっと細かく全部分かるわけですから、すごいものだと思っております。

(以上)