竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年5月15日

(令和2年5月15日(金) 11:03~11:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 こちらが報告するのは1件ございまして、知的財産戦略の話です。昨日、第7回の知的財産戦略本部の構想委員会を開き、知的財産推進計画2020の素案についての議論をしたわけです。
 この座長を務めていただいたのは東京大学の渡部先生ですけれど、産学協同をやっておられる先生ですが、いろいろな議論がございました。これまでの議論を詰めている中で新型コロナウイルス感染症の問題が発生しましたので、これからの社会がどうなるかということを念頭に置いた対応をしなければいけないということでございます。特に今回のコロナ騒動が終わりますと、新しいライフスタイルを考える必要があります。社会全体が新しい、「ニュー・ノーマル」といっておりますが、新しい形の社会のあり方というのは当然なければおかしいと思います。
 そういう意味で、それがデジタルやデータを使ってどのような形になるのかということについて、1つの御提案をいただきたいと思っていますのと、さらにクールジャパン、日本の魅力を海外へ売るということもこの中でやっているわけですけれど、やはり、新しい価値観、新しい見方というものがあり得るのではないかということも考えております。
 例えば千曲川という川があります。普通の川です。一級河川です。しかしそこに、島崎藤村が「千曲川旅情の歌」という歌を歌ったという前提に立ってあの川を見ると、全然別の思いがそこには湧いてきます。それも1つの価値観だろうと思いますし、そういった日本の魅力を増すようなことも考えていくべきではないか、こんなことを考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、「ニュー・ノーマル」の知財戦略をどうするかを基本テーマとして、最終回ですがこの会合を開催しました。政府の案としてまとめるのは、6月頃と考えておりますが、まだ日程は決まっていないのですけれども、最終的には総理を本部長とする会議で決めていきます。

2.質疑応答

(問)今のアフターコロナの「ニュー・ノーマル」の時代にどうするのかというお話なんですが、これ、デジタル化によって、距離が関係なくなることで地域の特性をいろいろ生かせるかと思うんですけれども、地域の特性を生かしていくために、じゃあ政府としてどういうふうな応援をしていくのか、大臣のお考えがあったら教えてください。
(答)おっしゃるとおりで、今までは東京一極集中で効率を上げてきたわけですが、それが新型コロナウイルス感染症のパンデミック現象が起きますと、必ずしも強靭でないということはよく分かりますので、そういった事柄に対してもきちんと対応できるしなやかな社会をつくっていく必要があるだろうと思います。
 そういう意味で、中枢機能を1点に集めなくても、連携することによって従来と同じような中枢機能が発揮できると思います。
 デジタル遷都という言葉を我々の議論の中で使った人もいるのですが、価値観の転換をデジタルという技術を使って実現していくということをぜひやりたいと思っておりますし、またそうしないとこれは第2波、第3波、とくるような、ある種の災害ですよね、それに対する対応はできないのではないかと思っております。そういう意味ではデジタル、あるいはデータ社会というのは1つの大きい知恵を与えてくれているのではないかと思っております。
(問)科技法改正の改正案なんですけれども、内閣委員会、内閣府の委員会でなかなか検察庁法改正の案件で前に議論が進まないような状況は続いていますが、今後の見通し、改正案についてどのように見ていますでしょうか。
(答)会期が6月中旬までですので、限られております。きちんと両法案を仕上げていきたいと思っています。準備をしています。大丈夫だと思います。
(問)見通しというか、成立を目指すんで当たり前だと思うんですけども、今国会成立の見通しであると。
(答)そうです、はい。固い決意でぶつかります。
(問)冒頭におっしゃっていた知財の戦略計画ですが、6月ごろに政府案を決定と。それまでの何かスケジュール感といったものは何かありますか。
(答)昨日の会合を含めて相当綿密にやっていただきましたので、それの整理と、関係者との合意をきちんととって、6月の早いうちぐらいにはと思っているんですけれど、まとめていきたいと思っています。
(問)追加で、昨日の議論のポイントをもう少し、ここがポイントになったという部分があったら教えていただけないですか。いろんなことをまとめられたと思うんですけれども。
(答)1つは、「ニュー・ノーマル」に向けた知財戦略の基本的な考え方、いろいろアイデアはあると思うのですが、基本的にどういうふうに持っていくかということを議論しましたのが1点。
 第2点は産学連携の高度化など、イノベーションエコシステムにおける知財の活用のあり方。こういったことを議論しました。
 さらに、コロナ後を視野に入れたクールジャパン戦略、今までとは少し変わってきてもいいのではないかというようなことも議論をさせていただきました。例えば、日本のいい場所に外国の映画会社に来て撮影してもらい、そして海外にディスプレイすることをやっております。単純に景色がいいところだけではなくて、ここにはこういう歴史があるとか、先ほどの(島崎)藤村の話ではないけれど、ここではこういう歌が歌われましたということを、1つ加味した日本の風景というのを海外に紹介するのも、日本の魅力の1つのあらわし方ではないかということも議論しました。

(以上)