竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年5月1日

(令和2年5月1日(金) 10:32~10:44  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 3つほどこちらから発表するものがございます。
 1つは、令和2年度の補正予算の成立でございます。私の関係でいいますと、科学技術イノベーション関係をきちんと充実したいということの中で、当面のコロナ対策ですけれども、治療法それからワクチンの開発、こういったことについて予算を組んでもらっております。
 特に必要なのは、この地球全体がコロナで苦しんでおります。一番決定的な理由は確たる治療薬がないということでありまして、したがって治療薬を何としてでも開発したいということで、全力を挙げてこれに当たりたいということであります。
 そういうことで、もちろんいろいろな社会の仕組みが変わってまいります。この際にITを活用してテレワークを推進したり、あるいはGIGAスクールを初めとした教育のデジタル化を図ったり、あるいはサプライチェーンの強靭化を図ったり、もろもろの社会構造を変えるようなこともやっていかなければいけない、このように考えております。
 少し細かいことを申し上げますと、人工知能のアバターを使ったコロナ感染症についての相談システムを考えようとか、あるいは治療薬・ワクチンの開発に関するデータ連携の構築を図るとか、あるいは、これはAMEDでやるんですが、CiCLE(サイクル)というのがございまして、医療研究開発革新基盤創成事業でございます。200億円が出ております。こういった新しい新薬の開発などのために出資をしようと、こんなことを盛り込んでいるわけでございます。
 いずれにしましても、もろもろの資金を活用して、現在コロナで社会機能が非常に、十分活動できていない状況を何としても打破したいというのが第1点でございます。
 第2番目でございますが、これはG7科学リーダー会合でございます。昨日の夜10時から1時間、G7の科学技術大臣が集まりました。集まったといっても電話会談でございますが1時間やりました。
 私の方からは我が国の科学技術の現状、コロナに対する対応の姿勢、こういったことを基調スピーチで申し上げた後、ディスカッションに入りましたところで、私からは世界の状況を見ると各国によって非常にコロナの死亡率が違いすぎると、これはどうしてなのかということを、国際連携の中で研究しなければならないという発言をしましたところ、結構受けておりました。
 ドログマイヤーという米国大統領府科学技術政策局長が司会でございましたけれども、今、アメリカは感染者が100万人を超しておりますし、その感染による死亡率が5.9%ぐらいだと思います。ところがフランスは死亡率が18.数%と高い。イタリアも13%台、このように非常に死亡率が高い。
 ところがこれに比べて我が国は死亡率が2.9%ぐらいであります。韓国はもうちょっと低い2%台と、こんなことでございます。これは対応の仕方の差もあると思いますけれども、何が原因なのかよく研究しなければいけないと、そういう意味で科学技術における国際連携が必要だということを申し上げましたところ、結構反応はよかったというか、皆さんそういう趣旨で、そういうことだと言っておられたような気がいたします。
 それから、もう1つございます。これはテックチームの第3回の会合であります。今のところまだ日は決めていないのですが、いろいろな提案をいただいておりますので、その幾つかについてやっていきたいと。皆さんに御披露するとともに、国のこれに対する取り組み方を申し上げていきたいと思っております。
 どんなものがあるのかということでございますが、例えばAIやビッグデータ解析等を活用した感染症の拡大予測、今後どのように拡大するかというような予測。それから、センサー画像を活用した商業施設での濃厚接触度合の測定。今現在どれぐらいあって、例えば何時間後にどれぐらいになるか、どこがどのようになるかということもできればいいのではないかと思っておりますし、もちろん例のシンガポールでの実証例も、5月に入りますがきちんと対応していきたいと思っております。
 ちなみに、シンガポールのケースを言いますと、やはりアプリをインストールしてくれる参加者の割合が低いそうです。だからその辺がやはり個人情報保護の点で、自分の居場所を全部把握されるのは嫌だという市民意識があると思います。その辺をどうブレイクスルーするかということが問題かと思っております。

2.質疑応答

(問)G7の科学リーダー会合で各国の違いがあると、それについて国際連携を進めようというお話だったんですが、具体的に何かプロジェクトを立ち上げるようなお話はあるんでしょうか。
(答)そこまでは、まだいっておりません。これは6月頃に大きいG7が予定されているわけですが、それまでにまだ会合を開くつもりでありますので、そのプロセスの中で詰めていけると思っております。
 ただ、先ほど言いましたように各国によって死亡率が違うということは、科学技術的に分析する必要があるのではないかということについて、各国とも非常に、本当にそのとおりだと言っておられました。
(問)今日、初めてウェブを使ったテレビ閣議が行われたかと思います。ITや科学技術を担当する大臣として、参加された御感想をよろしくお願いします。
(答)これは、非常によかったと思っております。私もぜひ、あらゆる会合をリモートでやるということを徹底するのが私の仕事だと思っておりまして、そういう意味では閣議も例外ではないと。だからそういう意味でやっていただいて非常に、むしろ私の方から感謝をいたしております。あらゆる会合をぜひリモートでやってくださいというお願いはあちこちでしておりますので、よかったと思います。
 発言する閣僚の顔写真は映りますので、お互いにどういう場で、どのような顔をしているかということはわかりますから、特に実際の閣議と比べてそれほど違和感があったかというと、私はあまりありませんでした。ですから、よかったのではないかと思っております。
 ただ、IT化を進める中で、テレビ会議で言いますと、各役所と民間の間はできるんですけれど、各役所間のテレビ会議ができないというのが今の現状です。
 ですから、これについては補正で臨時的にというか、テレビ会議ができるような補正予算をいただいておりますが、それだけではだめで、抜本的に各所どことでもテレビ会議ができて、リモートで話ができる、そういう環境をつくるのが私の仕事だと思っておりまして、ここは本当にしっかりと頑張りたいと思っております。
(問)昨日補正予算が成立したわけですが、早くも次の経済対策がすぐに必要だという声も上がっております。内閣府の科学技術担当大臣として、もし次に何か追加で経済対策をやるとすればどういうメニューが必要かというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。
(答)私はITを担当していますと同時に、健康医療を担当しております。それから、健康医療に関しては、何としても新型コロナウイルス感染症の検査キットの開発、治療薬の開発、そしてワクチンの開発、この3段階において日本の知見を集約して何かいい結果を出したいと思って、予算も相当付けましたし、足りなければまだ第2次の補正で要求するつもりでありまして、だから絶対やりたいと思っております。
 というのは、日本のこの分野における科学技術の水準は非常に高いですが、国際的な評価も高い。ノーベル賞も何人も出しているという状況の中で、日本に対する期待も相当ありますので応えなければいけないと思っております。それが1つ。
 もう1つはデジタル社会を目指しておりますし、そういう中でコロナという大変な災害ではありますけれども、ピンチこそチャンスだと本当に思っています。これだけの災害を被って、やはり社会構造をリモートでも機能するように変えていかないといけない。だからその音頭を取るのが私の仕事だと思っております。そこは頑張りたいと思っております。
(問)シンガポール方式のアプリの開発の進捗なんですが、以前4月中に実証実験をやりたいということをおっしゃっていました。提供が5月上旬ということだったんですが、実証実験が先ほど5月にもということで、現在どういったスケジュール感でお進めでしょうか。
(答)大まかに申し上げたスケジュールで大体進んでいるんですけれども、もう5月ですので、実証実験した結果こういうふうなことでやりたいと、しかしこれにはこんな問題がなおあるというような発表になると思いますが、連休が明けた後ですけれども中旬になるか、後半になるかちょっと何とも言えないんですけれども、それはきちんと皆さん方に御披露したいと思っております。
(問)それは実証実験をという。
(答)そうです。
(問)提供はいつ頃になりそうでしょうか。
(答)提供はその実証実験に対する賛否両論を見てやらなければいけないと思っておりますから。ただ先ほども言いましたように、アプリをみんながインストールしてくれなければいけないと。そのためには国としてどういうふうに推奨するかということを本当によく考えないと、効果があるやり方でないと。例えば先ほどお話ししたシンガポールでは、人口全体の20%ぐらいしかアプリをインストールしてくれていないという、こうなりますとそのデータは信用できない話になってしまうんです。信頼できないんです。だから過半の人が、7割とか8割がインストールしてくれないと使えないことになるのではないか。そこで7、8割までいくにはどうすればいいかということをいろいろ詰めていきたいと思っております。

(以上)