竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年4月17日

(令和2年4月17日(金) 11:03~11:17  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 2件、こちらから発表すべきものがあります。
 1つは、濃厚接触者となった可能性のある方へ通知等を行うためのアプリの開発状況についてであります。
 いわゆるシンガポール方式を参考にしたアプリですけれども、技術開発を検討しているわけですけれども、一般社団法人コード・フォー・ジャパンが、5月上旬を目途にアプリケーションを提供する方向で開発を進めているとのプレスリリースを公表したところであります。
 実際これをやる場合には、保健所との連携とか、それから、みんなが使ってくれないと意味がないので、使っていただくような、アプリのインストールを促すような広報をどうするかという問題があります。
 それから、1社に限りませんので、関係の企業同士の連携をどう図るかという問題もあります。そして最も重要なのは、個人情報の保護の点であります。こういったことの課題を解決することによって、ぜひこれをやってみたいということで、我々も推奨しているところであります。そういう意味で関係省庁とも連携をとり、まずは官民連携の中でこれを進めていきたいと、このように思っております。
 もう1つは、新型コロナウイルス感染症の研究開発についてであります。本日、健康・医療戦略推進本部を持ち回り決裁で開催いたします。
 議題は、令和2年度第1回医療分野の研究開発関連の調整費の配分についてであります。御承知のとおり、2月13日に第1弾、これは約20億円あまり予算を付けました。AMEDの令和元年度予算の執行残や予備費等を使ってであります。それから3月10日に第2弾、これは31億円ぐらいで既に進んでいるんですが、4月7日には緊急経済対策を盛り込んだ751億円の補正予算案を取りまとめたところであります。
 今回、喫緊の課題への対応ということで、トップダウン型経費でAMEDの調整費、総額32.5億円を配分する予定であります。ウイルスを不活化しないで観察できるようにする、要は伝染しないような措置をして、安全性を確保してウイルスを観察できるようにするということであります。それで、BSL3ユニットへ高性能のクライオ電子顕微鏡の整備を行うことにしております。
 それから、新たな作用機序等による治療薬開発の公募を行います。それから、国内外の検体を集積、解析すること等による予防法・診断法・治療薬の開発も行います。さらに、オルベスコ、それからアビガンの観察研究を拡充します。
 こういったことを中身として32.5億円のAMEDの調整費の執行を決めたところであります。

2.質疑応答

(問)昨日、緊急事態宣言が全国に出されている中で、地方選とか補欠選とかもあるわけですけども、投票所が感染リスクになる可能性があると思いますけども、大臣としてはインターネット投票、ネット投票についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)インターネット投票を含む投票のあり方等については総務省の所管なので、私からはちょっと答えられないです。
(問)では、一政治家としてはどうでしょうか。
(答)効率だけを考えればインターネット投票はもちろんいいし、ブラジルなんかはそんな形にして、例えば大統領選挙の投票も、ものすごい高いようなんですけど。
 ただ、いろいろ考えなければならないことがいっぱいあると思います。非常に微妙な問題であります。我々は行政の手続きとか、そういったものを合理化して、迅速に何でもできるようにするというのが私の方の務めではありますが、このインターネット投票ということになりますと、もろもろのことを総務省の方で考えられると思いますので、私からは答えにくい話であります。
(問)コード・フォー・ジャパンのアプリを、5月の公表を目指して開発中ということでしたが、大臣は先日、月内にも実証実験を始めたいというふうな御意向もお話されてましたが、その関係、この実証実験を終えて5月に提供を開始するということですか。
(答)そういうことです、はい。今月中に実証実験に入ってもらうつもりでおりますけども、結果として5月の初めごろに対外的に公表することができるのではないかと思っています。
(問)公表というのは提供開始という理解でいいですか、一般に出るとか。
(答)どこまで出るかちょっと分からないところがあるんですけれど、実験的に提供をするということになると思います。
(問)関係の質問です。改めてですが、このアプリというのが普及すると、国民の皆様にどういうメリットがあるかということをご説明をいただければありがたいんですが。
(答)メリット、デメリットと両方当然あると思います。
 メリットは、例えば今回の件でいいますと感染症を防ぐことができると。あなたには、10日前に感染した人と接触した事実がありますよと、大丈夫ですかという予告を出すわけですから、それは非常にいいことだと思いますが、同時に感染症のみならず、例えば、やりようですが、病歴等が、個人情報として隠したい情報というのはいっぱいあるはずですから、そういったものも名前が出ないとはいえ一般的に使われるとなると、いろいろ個人情報の濫用というか、権利を侵害されたというような話が出てくるであろうと思いますし、使われた方もいい気分はしないでしょうから、そういう意味で、やはり両方あるのではないかと思います。
(問)割と、個人情報との線引きで難しい情報を提供するという理解でよろしいんでしょうか。今、大臣がお話ししたのは、あなたは直近で感染者に接触しましたよということが提供されるという理解でよろしいんですか。
(答)そうです。感染症に関して感染者に接触したことが分かるといったツールを使おうと思っているところであります。

(事務局)ちょっとテクニカルな話なので、事務方から。
 大臣がおっしゃったように、そのようなメリット、デメリットいろいろあると思いますので、そういったものを今、整理しながらどうすれば一番国民の方に使っていただきやすいかということを、まさに考えているところでございます。詳細についてはまだ検討中ということでございます。
(問)関連してアプリの件なんですけども、これは民間が開発したアプリだと思うんですが、政府としてどのように一般への提供とか、情報収集の集約とか、保健所への情報の綱渡しですね、どういうふうに関与していくのかというのを改めて教えてください。
(答)どのようにしてと言われましたが、要するに開発するのは民間でありますけれども、それを行政との間でどのように活用するかは、我々役所側が考えなければいけないことで、だから官民協働で取り組んでいかなければいけない分野だと思います。
 大体この分野は、例えば私の方の政府CIOというのがございますが、これは民間の方なんです。そういった方に来ていただいてやっているということを見ていただきましても、官民の連携が絶対に必要なところだと思います。民間の知恵を借りながらやるということであります。
(問)これは、提供する際により多くの方に使ってもらえないと多分効果がないと思うんですけども、その際に例えば、政府の関連のホームページとかでこのアプリをダウンロードする仕組みをつくるとか、どのようなことが考えられるんでしょうか。
(答)そうです。このアプリを、会社は違えど、みんなに使っていただかなければいけないわけですから、政府としてこういうアプリをお使いくださいと、そうすればこういうことができるんですというような広報をすることによって御協力いただくということになると思います。
(問)全然、別件なんですけど、内閣府の幹部職員が先日感染したという発表がありましたが、大臣として把握している限りの情報と、それから内閣府として職員の感染者が増えると当然業務に支障が出るわけで、どのような感染防止対策をとっているかというのを改めて教えてください。
(答)政策統括官、科技担当の職員について新型コロナウイルスの感染が確認されたと承知しております。
 詳細は事務方にお尋ねいただきたいんですけれども、私も努力としては、できるだけ3つの密を重ねることのないように会議を行うと。先日もやりましたが、テレワークでやるとか、あるいはテレビ会議でやるとか、工夫はできるだけするようにしております。
 それから、会議への参加者をできるだけ少なくするようにしておりまして、職員も交代で役所に来るような格好にしております。
 ですからソーシャル・ディスタンスをきっちりと確保するということが絶対に必要だと思っておりますし、現実に私は議員宿舎にいますが、そこにも1人出たという話でありますから、やはり絶対にそういうことを身近に感じながら注意をしてやっておりますし、みんなにもそういう注意を促しております。
(問)2点お伺いしたいんですけど、先日お尋ねした行政手続のオンライン化で、大臣の御発言を受けて一部企業で印鑑の使用を取りやめる動きがあるんですけど、御所感というか、受けとめを伺いたいんですけども。
(答)印鑑の使用取りやめというのはどういう意味ですか。
(問)例えばIT企業のほうで印鑑を使用せずに事務手続を行えないかというような動きがあるようですけども、それについての受け止めを。
(答)この間申し上げましたように、商業登記法等に印鑑の登録については既にシステムというか、やり方を決めましたので、特に印鑑がという問題はないんですけども、民間あるいは国や自治体と民間との間で商慣行上印鑑を必要としているところがあります。
 それは、やはり関係者間で、こういう緊急事態なので何かいい方法がないかということは、よく話し合っていただかなければいけませんし、その結果、この緊急事態の間だけは従来と違う取り扱いをしようかというような話し合いができる可能性が十分ありますし、我々も、もし協力を求められればそういう意見を言おうかと思っております。
 そんなことで、ほったらかすのではなくて、ケアはしますけども、しょせんは関係者同士が御理解をいただかないとできないことなので。しかし、できるだけ、たった印鑑のために遠隔の所からわざわざ来るというようなのは決してこの時期いいことではないので、外出自粛にできるだけ協力していただくように我々も要請するということであります。
(問)もう1点、別件なんですけど、靖国神社の春の例大祭が21日、22日に開かれるんですが、念のため御確認ですけど、期間中に御参拝とか、真榊奉納の御予定ってありますか。
(答)今のところ予定はありません。
(問)トップダウン型の32.5億円の調整費の件なんですが、クライオ電子顕微鏡の整備は第2弾でも入っていたかと記憶しているんですが、これは今回、何が異なるんでしょうか。
(答)(事務局)事務方からお答えいたします。
 これは、BSL3かつ300keVの最先端の物を整備ということで今回は検討しているということでございます。
(問)もう1点だけお願いします。事務方で構わないですが、国内数カ所に整備するという話、BSL3の施設を、以前プラットフォームのところであったと思うんですが、この進捗状況が取材していてもよくわからないんですが、今、どういう状況にあるんでしょうか。
(答)(事務局)今のその進捗については、AMEDの方で確か執行していたと思いますので、そちらの方へお問い合わせいただければと思います。
(問)どのくらいの目途とかというのも……。
(答)(事務局)そちらも含めてです。

(以上)