竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年4月10日
(令和2年4月10日(金) 11:03~11:12 於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)
1.発言要旨
積極発言が2つございます。
1つは「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」についてであります。これは、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、さらに治療薬の開発、強靭な経済構造の構築等の施策が盛り込まれたわけでございます。4月7日のことでありますが、要するに緊急経済対策が閣議決定された、その中身であります。
少し簡単に中身を申し上げますと、科学技術関係では有効な治療法やワクチンの開発の加速をしなければいけないということと、それから国際機関との付き合いを深めなければいけないということ。それから、強靭な経済構造の構築に関してはテレワークの推進、教育のデジタル化、スマート農業の導入、サプライチェーンの強靭化、インフラ・物流等におけるデジタル・トランスフォーメーション、DXを通じた抜本的な生産性の向上を図ると、こういうことが経済対策の中で打ち出されております。
私に直接関係するものとしては、具体的に申し上げますと人工知能アバターを利用した相談補助システムの開発。それから、治療薬・ワクチンの開発に資するデータ連携基盤の構築。産学官の連携を通じた研究開発を推進する医療研究開発革新基盤創成事業、CiCLE(サイクル)といっています、CiCLEの事業。それから新型コロナ感染症対策に係る情報収集センターの構築・運用。さらに、リモート化によるデジタル・トランスフォーメーションの加速、DXの施策を充実することとしております。
これらの施策を着実に実行することにより、事態の早期収拾に取り組むことが必要であります。Society5.0の実現を見据え、経済活動を可能な限りデジタル化・リモート化し、強靭な、しなやかな経済構造を構築していきたいと思っております。
また、クールジャパンの観点から、ライブエンターテインメント業界に対する支援策について申し上げたいと思います。この業界はイベントの自粛等を通じて新型コロナウイルス感染症拡大の防止に多大な御協力をいただいており、我々としても大変感謝しておるところでございます。ただ、そのために大変な損害をこうむっておられる業界でもあります。したがいまして、今回の経済対策においては当面の雇用の維持・事業継続策としての給付金の創設、資金繰り対策等に加えまして、いわゆるこのコロナが過ぎ去ってしまった後の反転攻勢に向けた需要喚起策も盛り込んでおります。
以上が今回の経済対策に関する私の関わりの報告でございます。
もう1つ報告事項がございます。それは、Gサイエンス学術会議共同声明についてであります。
日本の学術会議を含むG7サミットの参加各国の科学アカデミーの集合体でございます「Gサイエンス学術会議」、これが新型コロナウイルスに関する共同声明を4月8日に取りまとめたところでございます。
Gサイエンス学術会議の取りまとめを担当している全米科学アカデミーの提案により、急遽取りまとめを行ったものと聞いております。緊急的な国際協力が必要だということを主体にいろいろなことについて言及をしております。この声明は我がほうから御提案申し上げまして、ぜひそういうG7の取り組みの姿勢をきちんと声明に出すべきだという進言をしておりまして、それによって全米科学アカデミーが対応してくれたと、こういうことでございます。
2.質疑応答
- (問)先日のコロナ×テックの会議で、シンガポールのソフトとかがあったんですけれども、例えばこういうソフトの実証事業をする際に、別に開発している簡易検査キットとか、ほかにもいろいろ開発しているかと思うんですが、そういうものを例えば保健所に導入するとか、そういう全体のストーリーを描いてパッケージとして対応したりとなかなか難しいと思うんですけども、内閣府としてそういう司令塔機能をどういうふうに展開していくのか、大臣のお考えを教えてください。
- (答)この間のテックチームの一環でそういう御提案が民間からありました。シンガポールでは、スマホにアプリをダウンロードしておいて、みんながダウンロードしていることが大前提だと思いますが、近くにいた人の中で、コロナに感染した人がもし発生した場合に、その周辺にいた人に対して、あなたはそういう可能性があります、危険性がありますよという通知をするという仕組みなんですけれども、非常に有効な防御手段だと思うんですが、問題は、個人情報の保護において非常に気を使わなければいけないということが1つ。それから、民間だけでやはりできなくて、保健所の関与が必要なのかなと、このように思っております。この2つの問題が解決できれば、非常に有効な手段なのではないかと思っておりまして、この民間企業とも協力しながら、日本への運用と、適応ということを検討してみたいと思っております。
- (問)もう1つは、先ほど経済対策でAIアバターの相談補助システムの話があったんですけれども、これは早急に開発しなければいけないかと思うんですけども、いつごろまでに開発できるのかといった見通しはあるんでしょうか。
- (答)(事務局)時期につきましては早急にしたいということで、最終版というのを待たず、ある程度実用化可能になった段階で出していきたいと思います。まだいつというまでは明言できません。以上です。
- (問)今国会に基本法の改正案が提出されていると思うんですけれども、昨今の状況から提出された法案というのが、なかなか全て審議はできないという状況があるというふうな報道を耳にしています。大臣が所管されている基本法の改正案、今後の見通し、それから御所感、御感想があればお聞かせいただければというふうに思います。
- (答)この法案の審議スケジュールそのものは、これはもう国会がお決めになることでありまして、我々の方からとやかく言う話ではないんですが、この基本法は平成7年の制定以来、もう25年経ちます。したがって初めての実質的な改正でございまして、非常に重要なものだと思っておりまして、いろいろ時期的な制約はございますけれども、ぜひとも国会では通していただきたいと、このような決意でおります。
- (問)今の質問に関連しますが、基本法の審議の後に、基本計画の改定、第6期の基本計画の改定に向けた議論が本格化すると思います。6月に中間報告の取りまとめを予定されていると思うんですが、コロナの影響もあって議論に遅れが出ていないかなどという懸念もありますし、また6月の取りまとめに向けた目玉となるような計画について、現状の段階でいいんですけれども、どんなようなものがあるのかお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
- (答)第6期科学技術基本計画でございますが、おっしゃったように6月ごろに中間取りまとめをやるということでございますが、そういうつもりでおりますけれども、こういう状況の中で多少のずれは出るんだろうとは思ってはおります。
しかしながら、年内に最終的な取りまとめを行いまして、来年3月までの閣議決定には間に合わせたいと、このように思っております。そんなに遅れないとは思っているんですけれども、やはり今回、新型コロナウイルスという大変な経験を我々しましたので、我が国のみならず世界各国がしておりますので、そういったことも、どのような形で踏み込むかは別として、感染症対策というのはやはりあり得るのではないかと思っております。
(以上)