竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年4月7日

(令和2年4月7日(火) 9:35~9:46  於:中央合同庁舎第8号館1階S108記者会見室)

1.発言要旨


 こちらから発表するものがございます。昨日新型コロナウイルス感染症対策テックチームを設置し、キックオフ会議を開催しました。
 先月31日に内閣官房IT室で取りまとめ、内閣官房、総務省、厚労省、経産省と連携してプラットフォーム事業者や携帯事業者に統計データ等の提供の提案を要請したところでございます。
 今回の取り組みはその第2弾として、新型コロナウイルスに関して民間企業からの提案を基に、感染症対策に役立つ技術やデータの活用について、官民連携で具体的な提案につなげていきたいと、こういうことでございます。
 特に人の動きを見える化するようなこととか、それからシンガポールもやっているようですけれども、個人情報を排除しながら濃厚接触者を知らせるというようなやり方も、我が国でそのようなことができるかできないかわかりませんけども、検討してみようということでございます。
 私の方としましては、私の下に民間出身の政府CIOがおりますが、ここの経験、知識も活用しながら、個人情報保護に十分な配慮をしつつ、適切な対応をとっていきたいと思っています。政府CIOは民間の人であり、全省庁にわたってデジタル化を進めることを促していますが、そういった経験と知識を活用しながら、新型コロナウイルスに対してITの分野で役立つような方法を探してみたい、こういうことで昨日発足をしたわけでございます。

2.質疑応答

(問)先日、科学技術・学術政策研究所、NISTEPが定点調査2019の結果を公表しました。科学技術担当大臣としてこの結果の受け止めと、第6期基本計画など今後の政策にどう活かしていくのか、そこら辺について教えてください。
(答)まず、今後の計画の中に活かせるかどうかというのは、十分尊重して活かしていきたいと思っておりますが、要は研究者の意識の変化を継続的に把握していただいているので、それはぜひ参考にしたいと思っております。
 今回の調査結果によりますと、2016年、これは第5期の基本計画の初年度でございましたけれども、その後の変化ということですが、女性研究者や大学発ベンチャーの項目において評価が上がっているということでありますが、逆に基礎研究に関する項目において評価が下がっていると、こういう特徴がございます。
 従来、我が国では、基礎研究で結構大勢の先生がノーベル賞をいただかれましたけども、そういう基礎体力がちょっと衰えてきているのではないかというような感じもいたします。ですから、その辺を十分念頭に置きながら次の計画を作っていきたいと思っています。
(問)先ほど、大臣からお話がありましたけども、感染者の行動履歴から濃厚接触者を割り出すアプリを開発できるかどうか検討していくというお話がございましたけれども、これは実装が可能なのかどうかということについて、今大臣はどういう御見解をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
(答)私は可能だと思っています。シンガポールで現実にやっておりますが、ただ、国民感情がありますし、センチメントというか受け取り方の違いも外国人と日本人とあるんだと思いますから、その辺は非常に極めて慎重にやらなければいけないとは思います。例えば私と誰かとが一緒に話をしていたと。何日か前に会ったと。その相手が感染症に罹っていたということがわかった場合に、私のスマホにあなたは感染症に罹った人と濃厚接触がありましたよという連絡が来るわけです。そして事前に感染拡大を防止するという仕組みなんです。
 ただ、私から見たら誰に会ったか大体わかるから、そうするとあの人が病気なんだとなって、そんなことわかったらかなわないじゃないかというように思う人もいるかもしれません。それは国民的な感情の違いだと思います。
 名前は知らせないんです。名前は知らせないんだけども、やはり私から見たら誰に会ったか、2人しか会ってないというようなことであれば、あるいはその人しか会ってないといえば、その人のことかとわかります。そうするとその方としては、やはり自分が感染者だといわれたくないというようなことになる可能性もあるかと。結果としては病気の蔓延を防ぐことには役立つんですけれども、個人的な権利意識というかセンチメントの違いを十分配慮しながら実証実験を一回やってみて、うまくいくかどうか。いくのであればやったらいいかと思っております。
(問)今、感染拡大してる中で、そのスピード感というのも問われてくると思うんですけども、一方でそういった個人情報が関係する難しい問題ではあると思います。今後そのあたり、どのように検討されていく御予定でいらっしゃいますでしょうか。
(答)おっしゃるとおりスピード感が必要なので、こういう成功例があるというのを念頭に置きまして、すぐにでもやろうと思っています。それがうまくいくかどうかは結果を見なければわからないというところです。
(問)実証実験はもうやるということは決まっているということでしょうか。
(答)いや、やりたいと思っています、これからです。
(問)わかりました。あと1つ、それについて、テック企業のほうにもうその開発ができるかどうかという検討は依頼されているんでしょうか。もしその企業さんがどこであるか教えていただけるならお願いできますでしょうか。
(答)(事務局)IT室でございます。先ほど、昨日のテックチームのキックオフ会議において、コード・フォー・ジャパンという団体からシンガポールでのその取り組みを日本で実装するための開発を進めているという報告がございました。こういった御提案を踏まえて、テックチームでこれから検討していくことになると考えています。
(問)新型コロナの関連なんですけど、今日にも安倍総理が緊急事態宣言を出す方針であります。これによって、外出自粛要請がこれまで法的根拠がなかったものが法的な根拠があるということで効果も期待されるんですけども、一方で、その強制力という面では海外のようにそんなになくて、効果について疑問視する声もあるんですけども、大臣のお考えとして、この緊急事態宣言が出されたことによる効果についてどのように思ってらっしゃるか。
(答)私は今回の安倍総理が昨日発言されたやり方は、日本にとっては適切だと思っています。私はいろいろな諸外国に行ってますから、各国の国民の受け取り方が違うということはわかっています。やはり強制力があるけども罰則がないというのは一つの中間領域的なやり方ですけども、私はいいのではないかと思っております。罰則を付けてしまうとまたそのことによる弊害もまたありまして、なかなかうまくいかないケースもあると考えます。非常に強い要請であるということを国民の皆さんに理解をしていただくことによって、例えば外出の自粛などに協力していただくといいのではないかと思っています。
(問)大臣の御所管の、そのITの力を使ってそういう人の行動の動きを見える化するという話もありましたけども、事ここに至った時点でITの強化というのを今打ち出すというのは、もうちょっと早目にやっておいてもよかったのかなと個人的には思うんですが、その辺は政府のスピード感といったのをどういうふうに思ってらっしゃいますでしょうか。
(答)それは非常に難しいところではありますけども、早くやればいいかというと、またそれによる弊害もあり得ると思います。ある程度機が熟すのを待って政府として決断したというのが本当のところだろうと思います。
 政府が先頭切ってやってしまうと、そこまで気持ちが追い付いていない地域にとっては、何でつまらないことをやるんだ、という反応もあるかもしれません。ですからその辺、非常にタイミングのとり方が難しいと思いますけど、御承知のとおり東京は連日において三桁の感染者が出る、大阪も五、六十人の感染者が連続して出るということになると、そういう時期に来たかという意識を皆が持ちますから、その中で私は一つのタイミングだろうと思いますし、適切だと思っています。

(以上)