竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年3月31日

(令和2年3月31日(火) 10:05~10:30  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 こちらから報告することがあるんですけど、4件ございます。
 まず1点は、「宇宙基本計画」の取りまとめでございまして、昨日、30日に開催されました宇宙政策委員会で、「宇宙基本計画」の改訂案が取りまとめられました。
 この改訂案の中身ですが、総理から昨年の6月に改訂を指示されているんですけども、詰めてまいりまして、中身を大体申し上げますと、一つは宇宙利用の重要性の高まり、それから国際間の競争の激化、それから月面への活動領域への拡大、アルテミス計画。宇宙を巡る情勢変化を踏まえまして、我が国が宇宙利用大国になれるような、そういう努力をしっかりとやらなければいけないということでございます。
 この改訂案につきましてはパブリックコメントを実施いたします。その結果を踏まえまして、5月頃に開くつもりですけれども、宇宙政策委員会で審議した後、政府内で検討し、閣議決定に持ち込みます。
 2番目、クールジャパン関連コンテストの受賞作品の決定でございます。
 若い世代のストーリー性のある作品を促すため、2つのコンテストを実施しておりまして、その受賞作品が、賞をもらう人たちが決まりました。
 まず一つは、「クールジャパン高校生コンテスト」であります。日本の高校の89件の応募があったんですけれども、最優秀賞に選ばれましたのは、愛知県立杏和高等学校の「体験型スクールツアー」と、こういうのが選ばれました。これは我が国の「学校」の活動、黒板に字を書いたり、いろいろ我々は経験していますが、それが東南アジアの人たちから見たら非常に魅力的に見えるらしいです。そういうことを題材に作品を作ってもらいました。これが最優秀賞。
 そのほか、優秀賞が3件、佳作が4件、合計8つの賞を与えたところでございます。
 それから2番目に、今度は外国人に対してでございますけれども、アジアの7つの国と地域から作品を募集いたしました。彼らが日本について一番魅力的と感じるところを作品にしてネットに上げてくださいということでやりまして、例えば日本の日常の風景や町並みの風景、その他、人々の田舎での暮らし方、そんなものが彼らにとっては非常に魅力的に映ったようでございまして、その作品も表彰することといたしました。
 日本の高校生と外国人、これら2つのコンテストを、ホームページで適切に発信していきたい、結果をホームページに載せていきたいと思っております。
 それから、三つ目がクールジャパンアンバサダーの任命でございます。クールジャパン戦略担当大臣としての立場で報告するわけでございますけれども、クールジャパンの発信力強化を図るために、様々な分野の専門家の方々にクールジャパンアンバサダーとして御協力をいただいております。
 今般、「阿部佳」さん、それから、「えなこ」さんと、この2人の方をクールジャパンアンバサダーに任命させていただくことになりました。このお2人の方を入れまして、クールジャパンアンバサダーは現在49名になります。
 阿部佳さんという方は、明海大学のホスピタリティ・ツーリズム学部の教授でございます。日本でホテルのコンシェルジュを長く御経験されていまして、言ってみれば、日本のこの分野の指導者という立場の方でございます。それが阿部佳さん。
 それからもう一つ、えなこさんというのは、国内外に多くのフォロワーを持っているコスプレイヤーでございまして、若い方です。大変な発信力があるようでありまして、フォロワーが100万人ぐらいいるという話を聞いております。
 その次に、もう一つ報告すべきことかございます。これは「新型コロナウイルス感染拡大防止に関する統計データ等の提供」の要請でございます。
 本日、先程終わりました閣議後の閣僚懇で、私の方から発表させていただきましたけれども、内閣官房、総務省、厚労省、経産省の連名で、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に資する統計データ等の提供について」、プラットフォーム事業者及び移動通信事業者等へ要請を行う旨を報告したところであります。
 プラットフォーム事業者というのはヤフーとかグーグルとかそういった事業者でございますが、移動通信事業者はNTTとかauとか、そういう事業者でございます。
 具体的には新型コロナウイルス感染症の各地での感染状況やそのリスク等を把握し、蔓延対策を効果的に講じるため、プラットフォーム事業者及び移動通信事業者等に対して、地域における人流やクラスターの早期発見等の感染拡大防止に資する統計データ等の政府への提供を要請する予定でございます。
 要は、いろいろな民間活動の中のデータ、それを関係府省の方に御提供くださいという、我が方の立場としては全体の音頭を取ったわけでございまして、実際のところは民間の方にそういう要請をしましても、特定の省だけでやるとなかなか協力が十分得られないという状況がある中で、我々が音頭を取って主体的に政府としての要請だということで対外的に発信したと、こういうことでございます。

2.質疑応答

(問)いくつかお聞きしたいんですけども、まず、現在検討中のですね、補正予算についてなんですけれども、竹本大臣の所管、クールジャパン、IT、宇宙、科学技術等で大変に多岐にわたるんですけれども、この中で、具体的にどんなことを今、補正予算で考えているのか、そこら辺について教えてください。
(答)まだアイデアの段階ですけど、私としては今何といっても新型コロナウイルスですから。新型コロナウイルス対策に抜本的な対応をしなければいけないと思っておりまして、内閣府の役割は非常に重要だと思っております。
 伝え聞くところによりますと、例えば韓国なんかもITを使ってコロナの蔓延を抑え切ってはいないでしょうけれども、抑えたという話も聞きますし、中国もどんなことをしたのか詳しくは分かりませんが、少なくともテレワークを普及させるために、各事業者が民間企業にテレワークの物をあげたのか、アイデアだけあげたのか分かりませんが、渡すことによって、密集しないようなことをやることによって、それも一助となって収まってきたと、こういう話を聞きます。
 ですから我が国においても、単純にデジタル・ガバメントを図るという、政府の行政の効率化を図るのみならず、新型コロナウイルス対策を念頭に置いて抜本的なことをやりたい。例えば、テレワークをもっと徹底させるとか、それに対する政府の要請を考えるとか、そんなことをアイデアとしては今のところ考えております。
 これは全体、4月の中頃に経済対策がまとまるという報道もありますが、そこにどういう形で入るかはまだちょっと分かりません。我々としては、そういう点を強く、社会の仕組みを変えるようなデジタル技術の利用ということを考えているわけであります。
(問)もう一つというか、あと二つあるんですけども、先週発表したAMEDの新理事長についてなんですけども、通常、独法の理事長というのは、半年ぐらい前には内定しておいて、それで業務の引継ぎなどをしっかりやらないと、なかなかちゃんと新しい法人の理事長というのは運営できないと思うんですけれども、今回、発表されるのがすごく遅かった、もう明日には就任するのに、先週の金曜日というタイミングなんですけれども、何でこんなに遅かったんでしょうか。
(答)これはAMEDはできてまだ5年ですけども、最初が末松さんが理事長です。AMEDの組織をつくるのに、発足する前の半年ぐらい前から、理事長になるべき人を末松さんと決めて、そしていろいろな準備をしてもらったんです。それで発足する日に間に合うようにしたわけです。
 今回はそういう意味では、出来上がった組織の任命としては初めてなんですが、特別、例外的に、これが任期の直前だというわけではありません。というのは、5年前は準備のために半年前から準備をしましたと、指名をしておきました。今回は既に組織があるものですから、その業務をこなせる人を、事前にもちろん探しておりまして、三島さんという適任者が見つかったので、その方を任命したというところであります。
(問)あともう一つですね、AMEDの新理事長なんですけども、AMEDの理事長自体は、どういうような選定プロセス、例えばどこから推薦があったりとか、そういうふうなどういうプロセスで選ぶものなんでしょうか。
(答)任命は内閣の方ですので私が人事権を持っているわけではないんですけれども、ただ、いろいろな、誰がいいかについての事前の調査とか、それは当然内閣府でやっていると思います。
 この方はお医者さんではありませんけれども、AMEDの中には医者の方がたくさんおられるわけで、そして大学の、国立大学の学長もやっておられたわけで、いろいろな分野を統合する中で、どういう対応をとるのがいいかという総合判断には優れた人だというのが選択理由の一つでございます。
 AMEDは、釈迦に説法ですけれども、研究開発と実用化を目的にしておりますから、かえって医学以外の分野も精通した人が少し混じっていた方が、そういう人がリーダーであってもうまくいくのではないかという、ある種の期待もあります。
(問)先ほどの統計データの要請の件なんですけれども、こちらというのは、具体的に何のために、どういうデータの提供を受けたいと考えているのでしょうか。
 例えば濃厚接触者を特定するために位置情報を取るとか、もしそういうことであった場合、プライバシーへの配慮というのはどうなっているんでしょうか。お願いします。
(答)各事業者で持っているいろいろなデータが当然ございます。それがコロナ対策に役立つと思えば、それを厚労省などの担当省庁に出してほしいというのが、この要請の真意でございまして、その中で、プライバシーは、それは特にこちらからプライバシーを侵害するなというのは当然のことでしょうから、それ以上に特に何も言ってはおりません。
(問)個人情報としてのものではない。
(答)もちろんです。もちろん。
(問)今の質問に関連して、すみませんが、具体的に例えば統計データとしては、位置情報のようなものを想定されているのか、どういう統計データを想定されていらっしゃるのか。
(答)イメージとしては、例えば新型コロナウイルスとか、あるいは、例えば、まだ使われていませんけど、お薬のアビガンとか。そういうことについてのアクセスがどの地域でどれぐらいあるかというのを見て、それで一つの方向性を探り出すというようなことになるのかと思っております。
 だから、いろいろなデータが本当に新型コロナウイルス対策に役立つのか、役立たないのか、それは専門の役所の方で分析しないと分からないところがございますが、できるだけ情報を上げてください。その上で、担当省庁の方で対策を検討する材料にしたいということでございます。
(問)関連して、統計データについてなんですけども、こちらはもう既に民間企業なども位置情報などのデータを使って人流などを調べている情報があると思うんですけれども、それとの関係はどうなるのかということと、やはり内閣府が音頭をとって、データを提供してもらうというところにどこまで意味があるのか。そのデータを提供してもらうのか、それとも、その解析結果の情報を提供してもらうのか、そこら辺はどのようになっているんでしょうか。
(答)(事務局)内閣官房IT室です。
 民間の方々が人流データ等々、これを提供しているのは承知をしております。ただ、それが一部は有償であったりとか、というようなことがあると思っておりますので、その中でもこういう要請によって、更に出していただけるデータがあるのかどうか、そういうことをお願いをしたいということでございます。
 それから、あともう一つが何でしたっけ。
(問)内閣府としてやる意味というか。
(答)(事務局)そういう意味では、冒頭、大臣からもありましたけれども、これは主にこの関係省庁からそれぞれ業界にお願いしていただくというようなことだと思っておりますが、その中で、例えばどういうデータが有効なのか、あるいはどういうデータが出せるのかというようなこと、様々あろうかと思っておりますので、そういうようなものを内閣官房の方で、全体的に調整をさせていただくということだと思っております。

(答)このデータの重要性という意味で、我々は新型コロナウイルス対策を考えるとき、データが非常に欲しいわけですけれども、特定の省庁だけでその要請を出すと、なかなか協力が十分得られないケースがあると聞いております。そこで、我が方がほかの役所と連名でこういう要請をすることによって、政府として是非お願いしたいと、こういう姿勢を示すことによって、できるだけ多くのデータを集めようと、こういうことでございます。
(問)少し要請が遅いようにも感じるんですけども、この時期になった理由はどうなんでしょうか。
(答)当初は、例えば新型コロナウイルスだと当然厚労省ですから、そういうところでこういうアクションをしていたわけですけれども、十分に集まらないというか、ほかにもいろいろな関連情報があるというようなこともありましたので、それでは、関連するであろう省庁と一緒にやろうと。そして、それは政府として要求しているんですと、そういうふうな強いというか、強い要請を出した方がデータが集まりやすいだろうという考え方の下に、こういうことをしたわけであります。
(問)例えば今、データが不足しているとか、そういった現状認識とかがあったりするんですか。データが不足しているというか。
(答)それは実際、そうではないでしょうか。例えばマスクにしましても、どこにいくらあるか分からない。話題になったけど、台湾なんかは配給制だから、どこにいくつマスクがあるって、みんな分かるわけでしょう。そういう、ちょっと他国と比較しても、やはりデータが十分にない。データがあって、初めてIT化の技術を使うことによって、効率的な対応ができるということになるわけですけれども、データがないと何もできない。データが非常にそういう意味でも不足していると言っていいんだろうと思います。
(問)関連して、今の件なんですが、政府としてデータをくれと要求するからには、もうちょっと具体的にこういうデータが欲しいという目的も含めて明確化した方がいいと思うんですけれども、今回の件というのは濃厚接触者の把握のためなのか、それとも感染者そのものの移動経路を見つけるためなのか、一番の目的というのは、何を目的にこのデータを要請しているのでしょうか。
(答)特に限定はしておりませんので、事業者の方で新型コロナウイルス対策に役立つかと、あるいは関係するかと思うようなデータは上げてくださいということなんですけれども、もちろん何に関心が強いかというような、専門の立場から見たら、いろいろあろうかと思いますので、ちょっと専門の方で、何か補足してください。

(事務局)IT室でございます。
 今のお話、厚労省さんの方でいろいろクラスター対策を行っております。まずはどういうデータが役立つかというところから始まるわけですけれども、まずはクラスター対策みたいなものが、どこまで効いているのかというような検証、そういうものに役立つようなデータというもの、あるいは、もうちょっと将来的には、新たなクラスターに資するようなデータ、そういうもので、どういうものがありますかというようなことだと思っております。
 個別具体に濃厚接触者がどこにどれだけいますとか、というような、個人情報にダイレクトに紐づくようなもの、そういうものは、今、この段階では考えないで、基本的には統計データというようなことでやっていくということですので、まずはどういうところに、どれだけどういう行動を行った人がいますかというようなこと、その入り口が、例えばマスクであるとか、発熱であるとかいうような検索をしたというようなところで、そういう方々、ある地域にこういうようなボリュームでおりますというようなところから、では、それが次のどういうようなアクションにつなげたらいいのか、クラスター対策、あるいは感染拡大の防止について、どういうふうに使えるのか、そういうようなものを検証していきたいというようなことでございまして、そういう意味では、このデータがあれば、これに直ぐつながるというようなところが、今、十分に分かっているというわけでは正直ないところでありますけれども、そういうようなことで、例えば事業者の方々から、こういうデータもありますけれども、どうですかというような御提案みたいなものを受け付けられるといいのではないかと、そういうふうに思っております。

(答)実際、要請してみて、出てきたデータを見て、ああ、ここはちょっと、もうちょっと情報が欲しいところだということで再度、その関係事業者に省を通じて要求することになって、少しでも網羅的なものになっていくのかなというイメージを持っております。
(問)今のに関連してなんですけれども、提供されるデータの具体例を挙げるとすれば、今のおっしゃられていた位置データ、携帯電話の位置データと、それとともに検索履歴ということになるんですか。その具体例は。
(答)そういうものが含まれると思います。

(事務局)基本的には、まず思い付くようなところとしては、そういうようなところだと思っています。ただ、それも例えば、個人情報に紐づくような形というよりは、統計処理されたものということで考えておりますということだと思っています。多分、こちらのあれもありますけれども、もし差支えなければ、我々、IT室の方にお問合せいただければ、縷々御解答差し上げることも可能でございますので、よろしくお願いできればと思います。
(問)関連で、その提供されたデータの取扱いなんですけれども、今後の政府の対策に活かしていくということですけれども、それは政府内での扱いになるのか、公表も考えているのかというのはどうなんでしょうか。
(答)(事務局)まずは政府内での対策の検討だと思っております。その公表につきましては、今後、多分、そういうデータがどういうようなものが提供されたということを、一定のところで公表はしていく、そういう必要があろうかと思っております。それは関係省庁の皆様とも御相談しながらということかと思っております。
(問)データの提供なんですけど、大体、プラットフォーマーと通信事業者で何社ぐらい想定されているのでしょうか。あと、そこにグーグルとか外資は含まれるんでしょうか。あと、そういう外資は情報提供に応諾している状況なんでしょうか。
(答)外資が含まれる、例えばグーグル等が含まれるかどうかというのは、それは含まれます。

(事務局)今、明確にこのぐらい大丈夫だというような、確定的に把握しているということは今のところございません。
(問)要請自体は何社ぐらい、合計で。
(答)(事務局)要請は、携帯電話の方は、もうキャリアさんの数、それはやらせていただくということだと思っておりますし、あとプラットフォーマーのところ、それも今、どのぐらいまでいくのかというところは考えておりますけれども、ちょっと明確に何社までというところを今、把握し切れていないというのが正直なところです。
(問)現時点で要請したということなんですか。
(答)(事務局)いや、これからです。
(問)今日、午後にするという。
(答)(事務局)ええ、そうです。
(問)データの活用の面で関連してお伺いしたいんですけれども、民間事業者などが、今、データの解析なども行っていますが、新型コロナ対策について。ただ、国の情報の出し方で、やはりPDFが多かったり、やはり民間が一からデータを作っているところがあると思うんですけども、やはりもう少し国がデータとして、民間も活用できるような形で出すべきだと思うんですが、そこら辺はIT室はどう・・・。
(答)もちろん政府は全部掌握できるわけではありませんので、民間の活力ももちろんお願いしなければいけない、協働できるところは協働でやりたいと、そういう対応でやっていきたいと思います。
(問)データの出し方については今後どうしていくか、何か考え方ってあったりするんでしょうか、今のところはまだ。
(答)(事務局)すみません、引き続きIT室でございます。
 IT室、今、正におっしゃられた、ペーパーが機械判読の可能な形で、あるいはちゃんと処理がしやすいようにというようなことは、昔から、前々から、オープンデータという形で各省の中には、そういうオープンデータの取組をやってくださいというようなお願いはしてきておりまして、それもずっと、縷々言ってきておりますので、その方針はそのままであるということであります。
 ただ、現実においては、なかなかPDFで対応しているところが多いというようなところが現状でありますので、それをどうしていくのかというのは、これからの課題だと思っております。ただ、経緯的な話を申し上げれば、オープンデータということでやっているということでございます。

(以上)