竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年3月19日
(令和2年3月19日(木) 9:39~9:48 於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)
1.発言要旨
今日はこちらから発表することが一つあります。それは、「第4回宇宙開発利用大賞」のことでございます。
一番上が内閣総理大臣賞で、2番目が内閣府宇宙政策担当大臣賞、私の賞ですが、そのほか八つの賞の受賞者が決まりました。
ちょっと概要を申し上げますと、内閣総理大臣賞の方は、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所の岩本匡平様、それから伊藤大二様、それから国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の澤田弘崇様による「小型光通信SOLISS(ソリス)による宇宙通信インフラ構築への貢献」ということになっております。要するに、小さい物をつくるというソニーの技術を応用して光で通信ができるということ、そういう分野に新機軸を開いたということで総理大臣賞ということでございます。
もう一つ、私の方の宇宙政策担当大臣賞につきましては、インターステラテクノロジズ株式会社による「民間企業単独で開発したロケットとして我が国初の宇宙空間到達」を行ったことが受賞されました。これは、堀江氏が出資をし、民間で行ったプロジェクトであります。そのことを表彰しようということでございます。
2.質疑応答
- (問)SIPについてなんですけども、SIPの評価結果が先月の27日に決定されていたにもかかわらず、今週になってようやく公表されました。毎年375億円もの予算を投じてるんですけれども、これ、情報公開が遅いのはなぜなのかというのと、各課題の予算配分にも、その評価結果というのは反映されるわけですから、レクを開くとかですね、そういうふうに説明すべきだと思うんですが、大臣としては、情報公開の在り方についてはどのようにお考えでしょうか。
- (答)情報公開は可能な限り努めているつもりでございますが、今回、おっしゃったように少し遅れているというのは、内部で聞きましたら機密情報が結構入っていて、それを出すことがいいか悪いかというようなことについて結構詰めていたために、予定より遅れたと報告を受けております。
それから、375億円の予算の使い方について、詳細をレクをしろということでございます。それはおっしゃるとおりで、その準備をしております。近々やろうと思ってます。
それからもう一つ、新型コロナウイルスの研究開発について、診断検査法とキットの開発、それから治療薬、それからワクチン開発、この三つを集中的にやるということで言っておりましたけれども、非常に我々としては急がせておりましたところ、やっと対外的に公表できるものが、キットの開発ですけども、二つ出てまいりました。
一つは、PCR検査の簡易検査機器についての開発であります。栄研化学という会社が開発したLAMP(ランプ)法という方法に基づく迅速なウイルス検出結果を出せる方法。それからもう一つは、杏林製薬と産総研の開発による短時間のPCR法というのがございます。この二つがやっと実用までこぎ着けていただいたんです。ただ、共にまだ研究の段階であります。短時間のPCR法と、それから栄研化学によるLAMP(ランプ)法と、この二つが開発されるというところまで参りました。 - (問)NASAの方から、スペースシャトル退役以来の有人宇宙飛行の復帰となるアメリカのスペースX、クルードラゴンの打ち上げの日程について、5月中・下旬以降というふうに新しいスケジュールが出てですね、今、宇宙基本計画自体も見直しをされていると思います。何か日本の有人宇宙開発への大臣の期待みたいなの、今後の展望みたいなの、今どういうこと思っていらっしゃるのか教えてもらってもいいですか。
- (答)宇宙開発は、我々がやっております仕事の非常に大きい柱でありますので、加えて、昨年暮れにNASAと宇宙開発の協力を約束しましたので、それを着実に実行している中で、日本の技術力を向上させていきたいと。特に国際協力という面で私は意味があると思いますのは、御承知のとおり、中国が月の裏側まで届いているという現状の中で、自由主義陣営としては、それに負けないようにしっかりとやっていかなければいけない。そこに日本が果たす役割は大きいものがあるだろうと思っております。
- (問)今御紹介いただいたPCRの簡易検査機器の開発につきまして、大臣の方から改めて、今回開発された意義とですね、あと、実証実験がこの先必要になるということなんですけども、それ、どれくらい時間がかかりそうか、もし目途がお分かりでしたら教えていただければと思います。
- (答)そのPCR検査、大体6時間ぐらい掛かるというのが相場であったんですが、この方法を使いますと大体1時間ぐらいになるだろうと言われております。それは、そのことによって1日にPCR検査をする人の数が大きく増えますので、それは効果的かと思っております。
- (問)今の検査方法の開発について伺えればと思うんですけども、まあともにその試薬の段階だというお話でしたが、今後どういったステップを踏む必要があるのかということと、実用化に関してはどのくらい時間がかかると見込まれているのか、この2点について伺えますでしょうか。
- (答)(事務方)実用化という意味では、今回精度が確認されておりますので、使えるようになってきているということでございますけれども、それを実際に医療現場に配置するには、売り出していただいたりとか、あるいは実証的に機器の配置も必要なものもありますので、そういったものを今後できる限り急いで行っていくということになります。
- (問)1点だけ。今、各民間の会社さんの方で、そういった新しい検査方法っていろいろと開発されているところだと思いますけども、そういったところとの兼ね合いはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
- (答)役所側だけで開発できるものではありませんし、衆知を集めてやらなければいけないという立場で、民間でそれが開発されましたら、それは国立感染症研究所などと連携をしながら、必要であれば財政支援もやりながら、一日も早い利用というか使用にこぎ着けたいと思っております。
時期の目途というのは、なかなか難しくて、我々の期待はできるだけ早くということでございますので、何か月範囲ぐらいの感じで一つでも出てくれれば有り難いと思っております。
(以上)