竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年3月13日

(令和2年3月13日(金) 9:31~9:38  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 積極発言が一つだけございます。新型コロナウイルス感染症の研究開発であります。
 2月27日に健康・医療戦略推進本部で決定いたしました追加措置なんですが、医療分野の研究開発関連費の調整費での措置25億円に、6.1億円を足して、3月10日に新型コロナウイルス感染症対策本部において取りまとめた「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策(第2弾)」、これで31.1億円になったんですけれども、既存のインフルエンザ治療薬の治療効果等を検証する必要がございますので、全精力を傾けて一日も早くそれが使えるようになるように努力をしているところでございます。
 私の方から皆さん方に申し上げるのは、その一点でございます。

2.質疑応答

(問)宇宙基本計画の改訂作業が進んでいるんですけれども、大臣としては新しい宇宙基本計画についてどういう点を重視したいのか、これについて教えてください。
(答)宇宙というのは非常に無限の広がりがありますし、中国やアメリカ、ロシアは先行しており、実績もあります。それを見越してしっかり戦い抜くために、やはり魅力的なものをやると同時に、我が方が実力発揮可能なところを中心にやっていくべきだと思っております。
 そういう意味で、年度内に宇宙基本計画の案を作りますけれども、一つはデブリの処理について、宇宙ごみの除去について日本なりの知恵を出していきたいと思っております。既にベンチャーでそういうものをやろうとしておりますし、JAXAもそれを応援するという体制をとっておりますが、いずれにしろ宇宙にどんどん何万というごみが入っておりまして、それが相互に衝突して事故を起こす可能性もあります。だから、そろそろ掃除をしなければいけないということであります。
 ですから、ごみについて国際的なルールをきちっと確立する必要がまずあるんです。もう既に相当のごみがありますので、そのルールに従ってそのごみに対応すると同時に、これから発生するであろうごみに対しては、発生させる可能性のある本人に対するルールをつくる必要があるだろうと思っております。
 ですから、発生者の責任を考えていく必要があるのではないかと思っておりまして、日本はこの分野において国連等の場で先行的な意見を主張して、主導的な役割もうまくいけば果たせるかというような期待を持っております。
(問)先程お話があったインフルエンザの治療薬の関係なんですけれども、もし分かればなんですけど、こちらの臨床研究というのはもう既に行われているのでしょうかというのが1点。行われている場合はその治験だと思うんですけれども、どれぐらいの規模感で行われているのかというのが2点目。最後に、大体その臨床研究の成果というか結果については、どれぐらいをめどに出したいと思っているのかということがもし分かれば。
(答)もう可能な限り早くということを言っておりますけれども、今までどんなものが出ているかということですが、一つはエボラ出血熱の治療薬、レムデシビルというのがございます。これは国際医療研究センターでやっているわけでございますが、これを治療に使えないかというのが一つ。それから、アビガンというのは、これは何度か申し上げましたけれども、インフルエンザに使っているやつですが、それをコロナウイルスに使えるかどうかということ。三つ目はカレトラというのがございますが、これも国際医療研究センターで研究しているものであります。さらに、ぜんそくの治療薬でございますが、オルベスコというのもございます。
 こういったほかの病気に使う薬として開発されたものが今回のコロナに使えるかどうか、これは使えると主張する人たちもいるんですけれども、本当に安全性があるかどうか、副作用があるかないか、それをきっちり検証して、それから使うようにしなければいけないということで、国の研究機関がもう精力的にその詰めを行っているということでございます。
 薬として売り出す段になりますと、PMDAの検査の承認も必要でございます。これちょっと一定の時間がかかります。そういうふうに時間との闘いではありますが、世界的なパンデミック的な広がりを見ておりますと、一日も早くこの薬を開発する、それは日本のみならず海外においても非常に役立つのではないかと思っております。
(問)昨日、WHOの方からパンデミックに当たると言える、という表現がありました。当初多分みんなが思っていたよりも長引いて、かつ深刻な状況になっていると思うんですけれども、大臣の認識としてやっぱり今日本国内においてはどういう深刻さというか、どういう今状況にあって、だからこそ政府もいろいろ取り組んでいるんだと思いますけど、率直に今の危機がどれぐらいのものかというのをどう思われているかというのを教えてもらえますか。
(答)先般、2日前ですか、総理が会見で言われましたように、大変な広がりを一応抑えることにある程度成功しているという認識、しかし、全く油断ができない。だから、あと10日間ぐらい現在までに取ってきた体制を維持してほしいという、そういう総理の認識と全く私も同じように思います。
 ただ、最近において違うのは、外国において、特にアメリカとかヨーロッパにおいて急速な死者の数とか、例えばイランとかイタリアは非常にあれで、しかも、アメリカでも当初割合楽観論が強かったように思いますが、ニューヨークの一部では街全体を閉鎖するようなこともせざるを得ないような状況になってきましたので、非常に緊迫感が漂っている中でWHOのパンデミック宣言が出ました。
 ですから、この病気は確たる治療薬がない、はっきりしないと、これが一番問題だろうと思います。致死率はそれほど高くないとは言うものの、確たる治療薬がまだ発見されないということが人々を不安に陥れているんだろうと思っております。そういう意味で、緊張感を持って対応する必要が絶対にあると思っております。

(以上)