竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年3月10日

(令和2年3月10日(火) 9:32~9:39  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 今日は3件、こちらからの報告事項がございます。
 一つは「科学技術基本法等の一部改正法律案」であります。
 これは人間社会の在り方を考えますと、やはり人文科学を入れないといけないということが一つと、それと、やはりイノベーションをもっと発達させなければいけないと、この二つの理念を従来の法律に取り入れて、法律の名前も変えてやりたいというのが「科学技術基本法等の一部改正法律案」でございます。
 2番目ですけれども、クールジャパン関係です。クールジャパン・マッチングアワード2019実証プロジェクトの決定でございます。
 クールジャパン・マッチングアワードを開催してきたわけでございますが、このたび賞が決まりました。全体で64件の応募があったんですけれども、その中から「航空」と「歌舞伎」をマッチングした「歌舞伎がテーマの機内安全ビデオ」、これは全日空さんが作られたわけでございますけれども、これがグランプリ賞に輝いたわけでございます。
 今回の取組が更なる連携事例の創出を加速させ、官民一体となったクールジャパンの活性化につなげたいと。今回のANAの試みは、一つの在り方だろうと思います。つまり機内でいろいろな備品の装着等のビデオを流しましても、ほとんどお客さんは見ていないらしいんですよ。そこに歌舞伎を入れて「あ、何だ」と思わせるような、そういう趣向を一言で言えば凝らしていると、こういうことでございまして、マッチングアワード、マッチングのさせ方によって人々の注目を集めるという一つの試みであったと我々は考えております。
 応募が先程言いましたように64件ございました。その中の一つがこのANAのマッチングアワードでございます。
 それからもう一つ、新型コロナウイルス感染症対策に関する情報の標準データ化と公開についてでございます。
 IT政策担当大臣として、今回のコロナウイルス感染症については、内閣官房IT総合戦略室と総務省、経産省で連携しまして、企業がオンライン教育やテレワークなどを支援するサービスを無償提供する等の情報を取りまとめた「民間支援情報ナビ」プロジェクトを昨日9日から開始したわけでございます。
 要は、様々な情報が乱れ飛ぶわけでございますけれども、政府の方で自治体の情報、あるいは民間の情報も一応全部網羅することを理想としつつ、まとめてこの政府CIOポータルと言いますが、こちらにアクセスしていただくと、そういう情報にすぐたどり着けると、こういう便宜を図って、昨日からスタートさせたと。背景には国会でのいろいろな質疑の中で、やはり急がなければいけないという気持ちでこれをスタートさせました。
 もちろん最初から100%ではいかない、見落としのところもあるかもしれませんが、できるだけそういうことのないようにすることによって、早く確実に情報にアクセスできると。新型コロナウイルス対策にとってやはり正確で早い情報が一番命だと思いますので、これを我が方で作りました。こういう報告でございます。

2.質疑応答

(問)昨日、横浜市立大学の研究グループが新型コロナウイルスの抗体を作って、簡易検査法を開発したんですけども、それを今後事業化というか実用化していきたいと。それについて政府としてどのように今後支援していくのか教えてください。
(答)これは2月13日の第一陣の対策の中で、4.6億円の費用でもってキットの開発、治療、ワクチン開発を試みると、こういう発表をいたしましたけれども、その中の一環であります。横浜市立大学の方では、そういう研究をなさって、そういう効果が出るということなんですが、いろいろ条件があるようでございまして、それを一般的に応用するにはどういうことをすれば一般的に応用できるか、そういう実証研究をこれからしていかなければいけないと。うまくいけば、今現在で6時間とか4時間かかると言われているやつが15分でできるのであれば、それはもう言うことないんですけれども、いろいろ条件がつくようでございますので、その辺の整理を国の責任においてもしっかり確認して、それから一般の用に供したいと、このように考えています。
(問)科学技術基本法の改正についてなんですけれども、95年の成立以来でかなり科学技術政策の局面において大きな節目になろうかと思います。一方で、やっぱり今日本の科学技術力も低下の指摘があって、今風に言うと瀬戸際にあって、ここで踏みとどまれるかどうかみたいなところの危機感を大臣もお持ちかと思います。改めて法律改正案が成立して施行された後の日本の科学技術について、どのような展望をお持ちかということを教えてください。
(答)科学技術の科学という言葉の中には、人文とかそういうことも全部含んだ概念だと聞いてはいるんですけれども、しかし、一般的にはいわゆる自然科学と人文科学と別に分けて議論されているのが一般でありますが、今おっしゃったようにこの法律ができて長年たちますが、いろいろな運用の中で、やはり人文科学的な考え方を入れないと対応できない事態がいろいろあります。
 一つは例えばプライバシーの問題であるとか、どこまで個人情報を開示していいのかとか、特に医療関係ではそういうことが多いと思います。そうなると、やはり倫理観も含めた人文科学の知識がないと前へ進めないということでございます。ですから、法律が施行されて長年、一つの区切りか、次のステップ2に進んできたのかと、そんな感じを持っております。

(以上)