竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年2月14日

(令和2年2月14日(金) 9:33~9:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 報告すべきことがございますので、読み上げます。
 新型コロナウイルス感染症の研究開発についてであります。
 報道されておりますとおり、昨日、新型コロナウイルスに感染していた80代の女性がお亡くなりになりました。家族の皆様にお悔やみ申し上げますとともに、ご冥福をお祈りいたします。
 さて、新型コロナウイルス感染症の研究開発につきましては、至急の検討を指示したところでございますが、今般、政府全体の方針を健康・医療戦略担当の大臣として取りまとめ、昨日、新型コロナウイルス感染症対策本部において報告いたしました。
 具体的には、直ちに研究開発を進め、速やかな成果の取得が必要な課題と、これらの成果に応じ、今後の新型コロナウイルス感染症対策研究開発を実用化につなげる課題とに整理いたしまして、我が国の研究者が行ってきたSARS及びMERS等に関する知見等を踏まえ、診断法の開発、治療法の開発、更にワクチン開発などを実施する予定でございます。
 具体的には、診断法開発では迅速診断キット、現在、4時間か6時間ぐらい1回やるのにかかっているようなんですが、もうちょっと速くできないかということです。それの研究開発。治療法の開発では、既存の薬を用いた医師主導治験、新規ワクチンの研究開発などを予定しております。新型コロナウイルス感染症の研究開発にAMEDに4.6億円、予備費15億円で総額約20億円の支援を行うこととしております。
 もう一点ございます。日本オープンイノベーション大賞でございます。科学技術政策担当大臣としての報告でございます。
 今般、「第2回日本オープンイノベーション大賞」について、内閣総理大臣賞をはじめとする各賞を決定いたしました。
 本表彰は、産学連携、大企業とベンチャー企業の連携、自治体と企業の連携等、組織の壁を越えて新しい取組に挑戦する模範的な取組をたたえることを目的としております。
 近年、オープンイノベーションの機運が高まってきていますけれども、社会・産業構造の変化をもたらす大きなビジネスが次々現れるよう成功事例の横展開が必要だと考えております。本表彰を通じまして、イノベーション創出が加速することを期待しております。
 第2回の今回も、去年から始めておりますが、今回は第2回ですが、多数の応募がありまして、幅広い分野で優良案件が多かったと聞いております。2月27日に表彰式を行いますので、是非取材いただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)今のオープンイノベーション大賞なんですけれども、こういった取組を先程横展開していくというお話もあったんですけれども、より促進するために政府としてどのようなことを行うべきなのか、そこら辺について大臣、教えてください。
(答)大学、個々に違いますし、研究所も個々によって違います。横同士の連絡が取れていないというのが、日本の研究の一つの悪しき特徴だと言われておりまして、その壁を取り除く横展開をするということで、そういうことをやったところに対して総理大臣が表彰します、科学技術(政策担当)大臣が表彰します、お金は出ないんですけれども、表彰状だけです。
 こういうふうにやっているんですけれども、そのつなぎ役をやるのが、今回大賞になったのもベンチャー企業であります。だから大企業にできなくて、なぜベンチャーにできるのか、ちょっと疑問にも思うんですけれども、やはり大企業は意思決定が遅い、それから、やはり絶対失敗できないという切迫感があって、なかなか冒険をしない、それに比べてベンチャーは、失敗しても自分の責任だから、何とかなるというようなケースもあろうかと思います。そういうことの違いかなと思っているんですけれども。
(問)コロナに関してなんですが、抗HIV薬の医師主導治験については、いつぐらいに始まるめどがあるのかということと、この医師主導治験を始めるに当たり、PMDAとの始まる前の承認に当たって、何か早くするための特別な措置があるのかどうかという2点について教えてください。
(答)(事務局)事務方の方からですけれども、これは現在、厚労科研ということですので、国際医療センターの方で検討をされている状況だとお聞きしています。
(問)特に早く始められるような特別な措置というのはないということですか。
(答)(事務局)それを含めて恐らく相談されている状況だとは思いますけれども、こちらでは今その状況をお聞きしている状況ではございません。
(問)あと、すみません、もう一つ。ワクチン開発についてなんですけれども、これは今上がっているのは、一般的な組換えたんぱくワクチン開発についてのお金が付いていると思うんですが、特に新型コロナに関してワクチン開発を進めていくということはあるんでしょうか。
(答)もちろんあると思います。
(問)開発できるめどというのは、今のところどう見ていますか。
(答)あるとかないとか、今言えない状態で、皆、試行錯誤でやっているところなんですよ。何か見つかるんだろうと思っております。
(問)科学技術基本法とその関連の法案の改正を目指していらっしゃると思いますけれども、もう2月の半ばになりますので、法案の決定のめどとですね、改めて今回の制度がいろいろ変わることに対しての期待を教えてもらっていいでしょうか。
(答)まず、日程ですけれども、来月上旬ぐらいを閣議決定の予定をいたしております。中身は、一つはスタートアップをもっと支援しなければいけないということがございますし、そのイノベーションがスタートアップによっていろいろ開発されていくわけですけれども、それを更に活力や勢いを増すようにしていきたいということが一つと、もう一つは、今まで純粋に理科系のものばっかりやってましたが、人文科学系の積極的な役割が必要だと判断いたしまして、そちらもこの法律の対象に加えていきたいと、これが大きい二つの柱であります。
(問)95年の制定以降で初めてと言っていい本格的な見直しですけれども、そのことについてはどう思われますか。
(答)やはり外的環境の大きい進歩というか変化というか、それに触発されたところがございます。IT一つとりましても、GAFAを始め、世界の強力な企業群がどんどん新しいことをやってまいりますので、それにキャッチアップし、あるいは追い抜くためには、こういった、今申し上げた人文科学の面もやりますし、総合的な振興を図ることによって、イノベーションを更に高めていきたいと思っております。
(問)昨日、平副大臣の下に「防災×テクノロジー」タスクフォースというものが立ち上がりましたが、要は科学技術をいかに実用化するという形のターゲットとして防災というのがあって、これを公に具体的な政策に落とし込もうという取組だというふうに理解していますけれども、大臣、御期待も含めて何か御所感があればお聞かせいただければと思います。
(答)これは私自身も実は国交省でかつて災害対策を5年近くやったことがございまして、特に印象に残っているのは、三原山の大噴火でありまして、あのときに一晩のうちに1万人の島民に品川区へ自衛隊の船で避難していただいたんです。中曽根内閣、後藤田官房長官のときでありますが、あの経験を活かしまして、私はちょうど国交省で各所の災害全体をまとめる役割を担当しておりました。もうしょっちゅう官邸に行って、こうなりました、また変わりました、こういうことをしょっちゅうやった。
 ところが今、ITが進みますと、この間の去年の災害でも大分役立ったんですけれども、例えば防災地図は印刷されたものだと変わらないけれども、それをITでどんどん時々刻々変わる地図を作りますと、即座に今の現況が分かるわけです。だからそれも一つの大きい効果でありますので、今回、平副大臣に私の方から言い出して、命令をして、やれと言ってやらせたんですけれども、それでそれの発表が昨日ですか、行われたということであります。
 いずれにせよ、ITの技術を用いることによって、的確に速く迅速にやる必要があるということでありまして、特に温暖化による最近のものすごい被害状況を見ますと、その必要性を非常に強く感ずるところであります。去年の災害にも、うちの内閣府から2人の職員を現場に派遣しまして、非常に地元からは喜ばれたという報告を受けております。

(以上)