竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年1月14日

(令和2年1月14日(火) 10:24~10:34  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 年の初めに、フィリピンに出張してまいりました。ちょっと読み上げながら御説明します。
 1月7日からフィリピンに出張し、10日に帰国いたしました。
 フィリピンと我が国は極めて近い隣国同士であり、そのため両国の間に深い人的なつながりがあります。また、同国は、我が国と基本的価値観・戦略的利益を共有し、相互補完的な関係にある。また、経済面で大きな成長のポテンシャルを持っている。そのため、同国は我が国にとって極めて重要な隣国であり、私の所管する分野でも協力関係を強化すべく今回同国を訪問しました。
 デラペーニャ科学技術大臣とは両国の宇宙分野・科学技術分野における協力の更なる強化の重要性について合意をしました。また、宇宙分野については新たにフィリピン大統領府の下に設置される宇宙庁との間で協力の議論を進めていくことを確認いたしました。
 それから、ホナサン情報通信大臣とはデジタル・ガバメントや情報通信技術の利活用等についての意見交換を行いました。
 さらに、貿易産業省、我が国の経済産業省幹部とは、知財分野における日比の協力を進めることを確認するとともに、WIPO事務局長選、今年あるんですけれども、そこに我が国の候補者、夏目さんという特許庁の職員ですが、それが立候補を表明しておりますので、それに応援をしてほしいというお願いをいたしました。
 さらに、クールジャパン戦略担当大臣といたしまして、フィリピン映画開発評議会の代表らフィリピン映画関係者と会談をいたしまして、日本における映画のロケ誘致の増加に向けた要請を行いました。
 この度の成果は、私の担当する各分野の政策の更なる推進に役立ててまいりたいと考えております。
 それから、もう一点、「地域経済の振興等に関する外国映画ロケーション誘致に関する実証調査について」でございます。
 知的財産戦略及びクールジャパン戦略担当大臣としての報告でございますが、我が国に外国映画のロケを誘致することは、さまざまな経済効果が期待されるほか、地域の魅力を世界に伝える有効な手段としてクールジャパン戦略の一環ともなるものでございます。
 諸外国においては、大型映画のロケ誘致に関し、自国内でのロケ制作費を支援する制度により、誘致を競っているところであります。
 我が内閣府においては、「地域経済の振興に関する外国映画ロケーション誘致に関する実証調査」として、日本ロケの制作費の一部を助成しつつ、地域経済の振興等の効果の検証・調査を行っております。今般、その調査対象として外国映画2作品を選定したことを公表いたしました。そのうちの一つであります「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ」というのは、1月10日に日本で制作発表会を行っております。今後、日本各地でロケを実施すると承知しております。
 また、先週のフィリピン出張では、現地の映画関係者と会談を行い、日本におけるフィリピン映画のロケ誘致の増加に向けた要請をするとともに、ロケ地としての日本の課題や可能性等について意見交換を行いました。
 このように実証調査を通じたロケ誘致の効果の把握に加えて、諸外国の動向をはじめとした諸般の状況も踏まえ、我が国におけるロケ環境の一層の改善に取り組んでいきたいと考えております。

2.質疑応答

(問)先週フィリピンに出張したということで、今年初めての会見になるわけですが、それで、今年どのようなことに取り組みたいかということについて教えてください。
(答)一つは、去年の暮れから申し上げておりましたように、大きくは科学技術立国というんでしょうか、科学技術がリスペクトされる社会をつくるということを基本にいろいろなことをやっていきたいと思っております。
 ちょっと具体的に申し上げますと、IT政策に関しましては、昨年12月に決定いたしました「デジタル・ガバメント実行計画」を実行に移していくことが重要な課題と考えています。利用者目線に立った、「すぐ使えて」、「簡単」で、「便利」な行政サービスを実現していきたい、こういうことでございます。
 それから、科学技術・イノベーション政策の関係では、「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」をとりまとめまして、若手研究者のポストの確保や表彰、自由な発想による挑戦的研究への支援等の取組を通じて、研究者という職業を子供たちが憧れる、魅力あるものにしていきたい、そう考えているわけでございます。
 それから、本年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、日本に対する国際的な注目が高まる絶好の機会でございます。この際、クールジャパンの取組を更に強化したいと思っております。
 最後に宇宙政策でありますけれども、今年は宇宙基本計画の5年ぶりの改訂、2020年から2029年ということになりますが、10年間の計画ですけれども、これを行うこととしております。
 昨今の宇宙を巡る情勢変化を踏まえまして、今後の我が国の宇宙政策の基本方針を決めていきたいと思っています。当然アルテミスとの協力関係もございます。そんなことを考えております。
(問)今の大臣のお話の中で、若手のパッケージの件なんですけれども、木曜日の有識者会合の中でそろそろ取りまとめということで、今週ぐらいには有識者会合から案がアップされると思うんですけども、出来栄えも含めて御所感をいただければというふうに思いますが。
(答)とにかく科学技術研究がリスペクトされる状態をつくるために、現にその仕事に従事している人たちがより働きやすい希望の持てる職場になるようにしなければいけない。そのためには希望を与える必要があるということで、「科学技術大賞」というんでしょうか、そういうものを設置して、一般の中からそういう成果の上がっている方を表彰するというふうにしたいと思っています。
 趣旨は、ノーベル賞は1億円を出してやっているんです。それで、例えば吉野さんですと、あれ3人だったから3分の1ずつしかないんです。ある意味では、スウェーデンというのはすごくビジネスがうまい国だと私は考えるんですが、たった1億円で世界の注目を浴びるわけです。しかも、世界からどんどん人が来るということでありますから、そういうことを考えましても、国内において真面目に取り組んでおられる方が努力すれば報われる社会だというふうな気持ちを持っていただくような、そういう工夫をいろいろしたい。この懇談会の結論として、そういうものが上がってくるものと期待をいたしております。

 ちょっと私の方から先程も冒頭申し上げました、読み上げましたけど、フィリピンについてですけども、記者会見の場で言うのがどうか、そういう記者会見ではないのかもしれませんけど、フィリピンというのは日本と人口がほぼ同じでありまして、しかも、急速に成長をしております。また、急速に物価も高くなっています。ですから、今は要するに途上国という感じで見てきましたけど、早晩、中所得国になりまして、日本との差があまりなくなってくるのではないかと。現実にマニラの中における特定の開発支部、例えばアメリカ、米軍が持っておった地域に米軍がいなくなった後、全部再開発いたしまして、日本にはないような高層ビル、80階以上はありそうなビルが何本も建っている、それだけの仕事があるということであります。
 それから、2番目に当然のことながら日本に対する信頼感が非常に高い。中国であれば、やはり軍というものがありますし、しょっちゅう軍で衝突している。ロシアもある意味では怖いものがある。いろいろなことを考えると、日本が一番相談をしやすい相手国だというような認識があるんだろうと思います。現実に船を提供したり、いろいろなことをやっておりますが、日本に対する期待がものすごく高い。したがって、私の担当する科学技術分野等におきましても、先程言いましたけれども、例えば宇宙庁を立ち上げるわけで、彼らは今年中に。その出来上がった宇宙庁と日本のJAXAと提携を結ばせるような確認を両大臣間でやりました。
 そういうことで、協力しながら我が国のいい仲間としてこの国と付き合っていくことがやはりいいのではないかという印象を強く持ちました。
 もちろんこういった両大臣等への面会以外にも、例えばボンボン・マルコス上院議員、こういった方に会いました。彼はイメルダ夫人の息子さんですけども、副大統領候補と言われている人ですが、そういった方にもお会いをして、前から知っているんですけど、イメルダさんも来ることになったんですが、さすがに90歳でちょっと足が痛くてその日来れないということだったんですが、一応お元気そうでございますが、すごく急速に変わるフィリピン、これはやはり無視できない存在だと。むしろ大事にしていかなければいけないという印象を持って帰りました。個人的なことも含めて申し上げますと、そういうことでございます。

(以上)