竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年11月26日

(令和元年11月26日(火) 10:02~10:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 一つだけ報告することがあります。
 株式会社アストロスケールというところを視察しようと思っておりまして、本日午後、この会社に参ります。
 このアストロスケール社は、現在世界的な問題となっておりますスペースデブリ、宇宙ごみの除去サービスをやっているわけでございますが、そういったスタートアップ企業です。2013年の創業以来、シンガポール、日本、英国等に事務所を構え、グローバルに活動しておると聞いております。
 この視察は皆さん方の取材は可能ですので、是非お越しいただければと思います。今日午後です。

2.質疑応答

(問)今のアストロスケールもそうなんですけども、民間企業の宇宙への参入が進んでいますけれども、大臣としては今後の宇宙開発について民間企業にどういうふうなことを期待したいのか、そこら辺について教えてください。
(答)このデブリの除去に関しましては、これを放っておくと将来大きい問題になってきますし、ロケットを容易に打ち上げられない事態も想像できますので、やはりごみは捕っていかないといけないんですが、この宇宙ごみを捕ることを仕事とする企業が現れたとして、そのコストをどこから徴収するのか。要するにビジネスモデルが成り立たないとできないと思うんです。だから、その辺の工夫がやはり必要だろうと思います。
 私が今まで説明を聞いたところでは、例えば300基ぐらい衛星を打ち上げているところがあって、そのうちの一基が壊れたと。放っておくとごみになるから、地上からもう一つの衛星を発射して、それを捕まえて、そして、焼却してしまう、そういうことをするというんですが、宇宙は広いからそんなことをしなくてもいいじゃないかと思う人がいるかもしれない。そういうことを考えますと、やはり義務としてそういうごみを出さないようなことをみんなで意識を共有する必要があると思うんです。それをどのようにしてやるかということが大きい問題だと思っています。
(問)大臣は昨日、委員長として出席されたS-Booster、私も取材させていただきました。大賞は「あしらせ」といって、「みちびき」を使って歩行の支援をするのが当たって、1,000万円賞金を大臣が贈与されています。面白いプレゼンがいっぱいあったと思って、正に宇宙をビジネスで活用するというのは最前線なのかなと思いました。大臣は、大賞をとった方もファイナリストの方全員面白かったと思いますけど、全部御覧になってどんな感想を持たれたかというのを教えてもらっていいですか。
(答)一つは、ああいう多彩な若い人が集まっている中では、我々が思いも付かない発想をする人が当然おられるわけで、それは非常に価値あることだと思っています。
 あの1,000万円の賞金を獲られた方も、足の裏に知覚神経を持ってきて、そこで道路の状況とか、目の見えない人が道路を歩くことが可能になるということでありましたので、それは世界中で困っている人がたくさんいるんだから、もしそれが本当にそうなるなら素晴らしいことだと思います。 
(問)あと、今回3回目ですけど、S-Boosterの特徴としてはアジアでも参加を募ったということで、東南アジアの方も多くいらっしゃっていて、そういった広がりみたいなのも実感をしたんですけれども、政府としても宇宙利用に関しては、東南アジアの国々とかオセアニア地域とかを一つのターゲットとして持っていると。今、どういった展望というか期待みたいなのを持たれていますか。
(答)もちろんあります。今回はアジアから4社ですか、日本の国内から8社の希望がありまして、それでコンペをやっていただいて、ああいう結果になったんですが、いわゆる途上国に属する国においても、この宇宙技術を使って抜本的に社会を変えたいという要望は非常に強くて、昨日でもインドの人とかシンガポールの人とかいろいろなことをやっているので、是非見に来てくれという話がありましたし、別途フィリピンもやはりそういう我々が考えているスマートシティのようなことを考えて、そこにこういったことを実施するような環境を作りたいという御要望がありまして、これも見に来てくれという要望があります。
(問)宇宙ごみの民間企業を視察されるということなんですけども、国連の中でも日本は宇宙ごみの除去でプレゼンスを高めようとしていますが、今回の視察の目的と、それをどのように政策などに反映していきたいか、そのお考えをお願いします。
(答)まず、宇宙ごみをどのような、どの程度のコストで除去することが可能なのか、それを先程申し上げましたように、やはりビジネスモデルに乗せないと企業としてもやっていけないわけですから、その辺の工夫が必要だということが一つと、それから、なかなか難しいのかもしれませんが、衛星を打ち上げる人は、必ずごみになった場合の除去のコストをあらかじめ負担するというようなことができればそれはいいと思いますが、それは今後の話合い如何だとは思います。
 いずれにしろ、宇宙に打ち上げるわけですから、コストがかかるわけです。それをこれからもいつでも打ち上げられるようにするためには、ごみを除去しておかなければならない、これは国際的な義務だと思いますが、それをみんなが実行してくれるような環境を、システムをどうつくるかということは大きい問題だと思っています。
(問)あと、最初の質問に戻りますが、民間企業の宇宙参入が相次いでいる中で、民間企業に期待することはどんなことなんでしょうか。宇宙全体ですけども、民間企業、ベンチャーなどが立ち上がっていまして、そのような民間に期待することはどんなことなんでしょうか、宇宙産業の中で。
(答)やはり宇宙に衛星を打ち上げて何がしかの活動をして、それが利益につながるような仕組みができないとやはりいけないと思うんです。例えば仮に月なら月へ行って、そして、特定の希少金属を持って帰ってくる。それが国内というか地球では高く評価されたものだというならば、いくらでも打ち上げる人はいるでしょうし、その辺の可能性というか蓋然性の中で、どれだけビジネスモデルが成立するかということであると思っています。
 国のお金で全部やるというのは、なかなかやれればいいですけど、そうはいかないと思います。

(以上)