竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年11月12日

(令和元年11月12日(火) 9:32~9:38  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 科学技術政策担当大臣として報告すべきことがございます。
 昨日、総合科学技術・イノベーション会議を開催いたしました。まず、ノーベル化学賞を受賞された吉野彰旭化成名誉フェローよりプレゼンをいただきまして、その後、基礎研究と若手研究者支援について議論を行ったところであります。
 会議の中で、安倍総理から私を含む関係大臣に対しまして、これまでの競争的資金の在り方を見直し、安定した環境のもとそれぞれの若手研究者が、自由な発想で挑戦的な研究に打ち込めるよう、ポストの確保、キャリアパスの確立、重点的な資金配分など、全般にわたる改革を進めること、実績を積んだ研究者には、積極的に外部資金を獲得するよう促すことと併せ、これを活用することで給与水準を実質的に引き上げ、世界水準の待遇を提供できるよう環境整備を進めること、また、産業界における研究水準の向上に向けて、大学・国研と民間企業との共同研究、オープンイノベーションの一層の活性化、大学発ベンチャー企業支援など、我が国の産業競争力強化の観点から総合的な取組を進めること、という点におきまして、現在検討中の「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」に、具体的かつ大胆な政策を盛り込むよう指示があったところであります。
 総理の指示を踏まえまして、科学技術政策担当大臣として関係大臣と連携・協力しつつ、年内を目途に「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」の策定に取り組んでいくところであります。
 それからもう一つございます。科学技術政策担当大臣としての報告でございますが、自動運転の国際ワークショップについてのことでございます。SIPの一つであります自動運転のプロジェクトにおける国際的な取組であります、国際ワークショップの開催について御報告いたします。
 本日から、世界の第一線で活躍されている多くの専門家が参加し、自動運転の研究開発や国際標準化に関する議論をするための国際ワークショップを開催いたします。
 私も本日午後に、国際ワークショップに参加し、各国からの参加者を歓迎するとともに、自動運転の社会実装に向けて国際的な協調や連携を呼びかけてまいりたいと考えております。
 それから、ムーンショット型研究開発制度に係るロゴマークの決定でございます。ムーンショット型研究開発制度について報告いたします。先般、募集を行っておりましたロゴマークについて、お手元のプレスリリースに掲載のデザインを採用することといたしました。
 本募集は、令和元年9月30日から10月21日まで、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が、シェアリングエコノミーを運営するランサーズ株式会社を通じて行ったものであります。71件の応募がありました。その中から選ばれたものであります。
 国民の皆様から、本制度のシンボルとして親しみを持っていただけることを期待いたしております。

2.質疑応答

(問)昨日のCSTI本会議でですね、吉野先生も若手が大事だということをおっしゃっていたんですけれども、大臣も、若手研究、研究力強化若手研究者支援総合パッケージ、これについての中間報告的なことをやったかと思うんですけれども、これからどういう点にですね、力を入れてパッケージを策定していくのか教えてください。
(答)要するに吉野先生がおっしゃったように、上流は強いが下流は弱いということで、やはりいずれにしましても基礎研究が大事だということには変わりはないわけでありますので、基礎研究をやる若手研究者の環境がいいかどうかということなんですが、決して良くはないと考えております。
 一つは、待遇もあまり良くないということもありますし、それからキャリアパス、それからポスドク。ドクターを取ってもなかなか就職先があまりないというのが現状でありますから、そういった環境を総合的に改善していきたい。そうすることによって基礎研究に打ち込む人を、応援できればいいと思っております。特に、統計を見ましても、期間5年というような限定社員、研究者が非常に多いんです。身分が追い付かないんです。最低でも10年ぐらい、できればそういう期間限定のない身分にしてあげた方が、どっぷりと打ち込めるのではないかと思っております。そういう環境をつくっていきたいと思っています。

(以上)