竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年11月8日

(令和元年11月8日(金) 9:31~9:37  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 発表する事項があります。「クールジャパン戦略会議」についてですが、クールジャパン戦略担当大臣としての報告でございますけれども、昨日、第1回の「クールジャパン戦略会議」を開催いたしました。
 この会議は本年9月に政府として決定しました「クールジャパン戦略」に基づき、関係府省の連携を強化するため、クールジャパン戦略担当大臣と関係府省の副大臣から成る枠組みを設置することとしたものであります。
 今回の会合においては、各府省の取組や省庁間の施策の連携のアイデアなどについて発言があり、活発な議論を行うことができました。例えば海外に対してアピールするためには、デジタル技術を用いた見せ方の工夫や、日本のブランド力を高めることが重要と考えており、これらの点も含めまして、関係府省の様々な政策ツールを活用して、戦略の具体化につなげていくことが重要と考えております。
 今後、本会合等を通じまして、関係府省・関係機関の一層の連携を図り、クールジャパン政策の整合性を高めることにより、戦略の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

2.質疑応答

(問)昨日のクールジャパン戦略会議を踏まえて、このクールジャパン政策、どのように取り組んでいくのか、どのようなところに重点を置いていくのか、そこら辺について教えてください。
(答)まず、昨日は私をトップにして各省の副大臣を集めたんですが、各省庁間で類似のものをやっている可能性もあったり、相互の連絡が十分でないという懸念もありましたので、この会議をつくったわけであります。
 そこでよく相談して、お互い考えてるものを発表すると、そこで調整をするということが一つと、それから、クールジャパンというのは外から見て日本がどういう素晴らしいものを持っているかと、こういう視点でものを見なければいけないということであると思いますので、いわゆるマーケットインとか言うようですけれども、そういう視点で見ると、例えばブランド性を高めないと向こうはありがたがらない、外国の人は。
 例えば、例としていいかどうか知りませんけれども、ウイスキーなんですけど、日本のウイスキーはイギリス、スコットランドのウイスキーなんかよりはるかに下のように従来見られていたんだろう、値段が大体安かった、数千円で買える、向こうのウイスキーは五、六万円すると、こういう状況でありました。
 ところが、この三、四年前に評価機関が変えたのかどうか知りませんが、日本のウイスキーは素晴らしいという評価を受けたら、途端に数千円のものが十万円近くなってしまって、むしろ外国のウイスキーの方が安いというのが今の現状であります。
 ですから、やはり評価を適切にやっていただく努力はやはりする必要がある。
 それから、もう一つ。日本の持てるものを相手に見せる工夫をやはりやる必要があろうかと思っています。
 私、今のポストに就きましてから、各大学、この間も東京藝大へ行ってきました。東京藝大と京大も行ったんですが、東京藝大で見せていただいたのは、バベルの塔を宇宙船で上から見るという、すごいものをやっておりまして、実際は宇宙船に乗っていないんですけど、乗っているかのような、どんどん空を飛び回っている、こういうことを見せる技術を持っておりまして、これも見せ方の技術だと思うんです。これを使えば、よりいいのではないか。
 だから、今後、オリンピックもそうでしょうけど、大阪万博とかありますから、そういったときにはこういうものを使っていただくといいのではないか。
 昨日の会議でも環境省の方から、やはり国立公園を上から見るようなことをやりたい、こう言っておられたので、正に東京藝大の技術がずばり使えるという話はしたところであります。
(問)今のお答えの中で、クールジャパンを海外から見た視点などということをおっしゃっていましたけど、正にその視点をですね、認識というか成熟させていくためにはどうすればいいかというのはどのように考えていらっしゃいますか。
 ウイスキーの件もですね、日本国内では正にそういう評価だったにも関わらず、海外から大きな評価を得て、かなり価値が上がったというふうに言われてますけれども、むしろ逆にもともと国内でですね、価値をやはり見極めなきゃいけないというふうに思うんですけれども、その点はどのように考えていくつもりでしょうか。
(答)だから価値観の差だと思うんですよ。何となく、日本酒はともかくとして、ウイスキーなんてもうヨーロッパのものですから、向こうのランキングに合わせて、向こうはいいものだとそもそも考えていたのではないかと思っていますが、大体こういうアルコール系というのは、食事との関係で味が変わるものでありますから、イギリスはイギリスの食事に合わせてこういうウイスキーが高く評価されていた。ところが日本の和食は全然違いますから、やはりそれとアルコールとの組合せというのは、別の価値を生み出すんだと。だから和食については、日本のウイスキーの方がいいのだというようなことになってきているんだろうと思うんですけど。
 だから自分の見る目のみならず、外から見る目でどういう評価をされているかということを子細に調べて、どういう工夫をすれば日本のものがよく見えるかということを考えていくことが、我々の戦略としては大事なのかと思っています。唯我独尊ではしようがないので、外から他の人が見てもいいように映るには、どうアピールをすればいいかということは考えるべきかと思います。

(以上)