竹本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年9月27日

(令和元年9月27日(金) 11:01~11:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 24日、NASAのブライデンスタイン長官との会談を行いました。
 長官からは、国際協力による月探査計画、「アルテミス」について、日本に参加してほしいという要請がございました。
 私からは、月探査計画への日本の参加については、早期に決定すべく検討を加速すると、こういう旨を申し上げましたところであります。
 さらに、会談では、日米の宇宙協力の更なる深化について、もろもろの面における意見交換を行いました。
 それから、「こうのとり」の打上げ、この間成功いたしましたけれども、そのことについて申し上げたいと思います。
 25日、H-IIBロケット8号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機の打上げが無事に成功いたしました。
 この打上げの成功により、国際宇宙ステーションへの物品等の打上げを行うH-IIBロケットは、8機連続の打上げ成功となるわけであります。
 今後、「こうのとり」が国際宇宙ステーションへの物資補給を無事に成し遂げ、国際宇宙ステーション計画の中での我が国の信頼及びプレゼンスが更に高まり、今後とも、我が国が国際宇宙ステーションの運用に大きく貢献することを期待いたしております。
 担当大臣としては、今後も引き続き宇宙基本計画を着実に推進していきたい、このように考えております。

2.質疑応答

(問)昨日、概算要求の科学技術予算についてまとまったんですけれども、第5期基本計画の目標には、これ、全部もし取れたとしてもなかなか第5期基本計画の26兆円という目標には達成しないという状況なんですが、大臣、これは今後年末の予算折衝に向けて、どういうふうに取り組んでいくのか、また、補正予算についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)一応、科学技術予算はGDPの1%というふうになっていますので、GDPが500兆円として5.2兆円ぐらいになるんですね。だから、5年間で26兆円ぐらい必要だと。ところが、今はそこまで達していない。その分をどうするかという御質問だと思いますが、一つは今年の補正、来年の補正、そういったところでできるだけ多くの予算を頂くことに努力をします。
 もう一点は、いろいろなイノベーション、例えば公共事業なんかではドローンを使って測定をするというふうにしますと、人手を使って写真を撮るよりははるかに安く付きます。そういった工夫をすることによって、実質予定どおりの26兆円のところに近づけたいと思っております。
(問)大臣に御就任してまだ間もないというのか、もう日々お忙しいと思うんですが、科学技術の政策担当大臣として、現時点で例えばサイエンスの魅力とか、重要性、期待などがもし今の現時点での御所感があれば聞かせていただければなというふうに思うんですが。
(答)私の仕事は、総理を補佐して各省にまたがる科学技術等いろいろな問題についての総合調整を図る、言ってみれば司令塔の役割を果たすわけであります。
 御質問の科学技術に関して申し上げますと、科学技術は全く競争条理の世界なんですよね。ですから、諸外国と比較して我が国が後れを取らないような、そういうことには常に配慮していかなきゃいけないと思っておりますが、どういう戦略を取って、どの分野で、どの程度やればどうなるかという見通し、それをできるだけ立てながら、きっちりと対応していきたい。
 特に、例えば宇宙政策を考えますと、中国がものすごくやっているじゃないですか。月の裏側にも着陸したということですし、なかなかそういう意味では、ある意味では後れを取っているところもありますので、我が国としてはアメリカとの協力を基軸にしながら、しっかりと宇宙についてもそのプレゼンスを大きくするような努力をしていきたいと思っております。
 そのことが日本の国家戦略として、日本の経済の繁栄、あるいは技術の発達、そういったことに大きく貢献すると思っております。
(問)大臣御自身として、科学技術というのはどういうふうにお考えなのかなということを、大臣としてのミッションというのは今聞かせていただいたんですが、大臣としてサイエンスって、これまでの人生の中も含めて、自身がどういうふうに思っていらっしゃるかということをお聞かせいただければなというふうに思うのですが。
(答)私は、国会で科学技術特委の委員長もやったことがありますし、科学技術に関しては関心はあります。
 そういう意味で、日本のような資源の少ない国が世界と相伍してやっていくためには、やはり科学技術を伸ばすことが日本の存在感を高めることになるであろうと思っております。
 例えば、資源がいっぱいある国であれば、資源を売っておればそれで生活できるわけですが、我が国はそうではない。やはり、知恵を働かすことによって外貨を稼いで、そして、豊かにしていくということは、これは絶対に必要なことだと思っております。
 私はこちらのポストに来るまでは、リニア新幹線の特別委員長を5年やりましたけれども、これもああいう先進的な技術で、超高速のインフラを整備すれば、それは世界から注目されるであろうし、やがてはそれを一層する立場に立つであろうと、そういう国家戦略が非常に大事だと思ってやってきているわけであります。
(問)大臣が冒頭で発言された、NASA長官との会談の中で検討を加速するという点なんですけれども、既に文科省での結論が出ていて、今日も宇宙政策委員会で議論されていると思いますが、今後、参加の決定までにはどういったプロセスが必要なのでしょうか。
(答)今日は朝、宇宙政策委員会で御挨拶申し上げたんですが、各界のトップの先生方がお集まりの会合でありますから、そこでこの問題について、きっちり科学技術の面から御議論いただき、それなりの結論を出していただく、その後、内閣において本部決定で結論を出していこうと、このように述べています。
(問)具体的には、その内閣というのはどこで結論を出すことになるんですか。
(答)宇宙開発戦略本部。
(問)宇宙政策委員会の後に、宇宙開発戦略本部で結論が出たら、それが参加決定ということになるということですね。
(答)そういうことですね。実質的にもその本部に私も入っておりますので。
(問)今の質問に関連するんですが、NASAの長官が先日来られたときに、日米協力で月へという話だったんですが、一方で、費用がかなり掛かるということを日本政府に伝えるという部分も、発言はあったと思います。その辺りの懸念というのは如何でしょうか。
(答)先程、科学技術予算のところでも言いましたけれども、宇宙開発というのはものすごい金がかかるわけでありまして、それを全部公費でやるというのはなかなか大変であります。
 ですから、そこには民間企業の参画も得て、民間がビジネスとして成り立つ分野を作っていけば、トータルとしてそういう予算の手当も結果としてはできてくるのであろうと思っております。そういった工夫をしたいということであります。

(以上)