茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年9月11日

(令和元年9月11日(水) 12:02~12:09  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

先程の閣議におきまして、閣僚の辞表が取りまとめられました。皆さんにはこの2年間、大変お世話になりました。まず心から感謝を申し上げます。

2.質疑応答

(問)2年間の在任期間で様々なことがあったと思うんですけれども、2年間振り返って特に印象に残っていることや、若しくは成果の部分、若しくはまた課題が残ったというところがあれば、大臣の率直な感想をお聞かせ願えますでしょうか。
(答)お答えしますが、それ以外の質問はございますか。
(問)次のポストとして外務大臣就任というふうに報じられておりますが、総理から正式に連絡を受けたのかどうかというのをお聞かせいただければと思います。もし、そうであれば、抱負について一言コメントいただければと思います。
(答)昨日も正式な連絡は受けておりません。この後、午後に組閣があると思いますので、そこで正式にポストが決まりましたら、その後の会見におきまして、新しいポストでの抱負についてお話をしたいと思ってます。
 それでは、先程の質問でよろしいですか。
 この2年間、経済最優先の安倍内閣において、その柱となるマクロ経済財政政策、成長戦略、更には全世代型社会保障改革、そしてTPPや日米貿易交渉といった経済・外交、政権の看板政策、重要政策に担当大臣として取り組むことができて、充実した2年間だった。このように振り返っております。
 経済でいいますと、何度もこの場でも申し上げましたが、その良し悪しを判断するポイントとなるのは二つ、経済の規模と雇用情勢。この点、名目GDPが過去最大の557兆円となり、雇用情勢も有効求人倍率が45年ぶりの高さとなるなど、大きく改善をいたしました。一定の成果を上げることができたと思っております。
 さらに、我が国が直面している最大の壁、少子高齢化を乗り越えるために、人生100年時代構想会議を立ち上げ、幼児教育無償化、高等教育無償化と一気に進めることができました。また、その財源となります消費税率引上げに対しては、2.3兆円の臨時特別の措置を取りまとめ、駆込み需要や反動減が景気の回復力を弱めることがないように、万全の体制を整えました。
 デフレ経済や少子高齢化という平成の時代の大きな課題に対して、その克服への一定の道筋をつけることができたのではないかなと考えております。
 一方、外交面では、グローバル化の反動として、世界的に保護主義の動きが強まる中、正に日本が21世紀型の共通ルールづくりを主導する、これが実現できたと思っております。
 まず、就任1年目から取り組みましたTPPでありますが、昨年3月にはチリでTPP11の署名式を行いまして、12月30日に、恐らく誰が予想してたよりも早く発効することができました。21世紀型の共通ルールのモデルを示せたと思っております。
 それにしても、振り返ってみますと、2年前の11月になりますが、ダナンの会合では途中いろいろありましたが、最後の最後で大筋合意にこぎつけた、これは今でも忘れられない記憶であります。
 そして昨年の4月のフロリダのマール・ア・ラゴでの日米首脳会談から始まりました日米貿易交渉は、昨年9月に共同声明を取りまとめ、今年の4月から本格的な交渉が始まりました。そして8月にワシントンでライトハイザー通商代表と主要項目で意見の一致を見るまでに、5か月間で7回にわたります閣僚協議を行いました。
 毎回同行していただいた方も多いですが、相当長時間の協議だったわけでありますが、特に前回、8月の協議は、3日間で閣僚協議だけでも11時間に及びまして、また事務レベルでも本当に粘り強く精力的な協議を行ってきたわけであります。その結果が今回の成果につながっていると考えております。もちろんこれから実際に協定の署名ということで大詰めの作業をしっかりとこれからも進めていきたいと思っております。
 こういったことができた、これは日米の信頼関係、そして安倍総理とトランプ大統領の個人的な信頼関係があったからこそ、国益と国益がぶつかり合う本当に厳しい交渉でも、最終的に一致点を見出すことができたと考えております。
 振り返ってみますと、2年間いろんなことをやってきたんだと思いますし、濃密な2年間、おかげさまで過ごすことができたと考えております。
 こうした仕事の一つ一つを前に進めることができたのは、もちろん私一人の力ではなく、内閣府、そして内閣官房にいる多くの優秀なスタッフが、強い使命感で全力で取り組んでくれた成果だと、このように思っております。この場にいる経済研究会の皆さんにも、日々の報道や深みのある記事を通じて、国民の皆さんに様々な発信をしていただきました。この場を借りて改めて御礼を申し上げる次第であります。
 小学校6年のころに読んだアルフォンス・ドーデの短編集「月曜物語」におさめられている「最後の授業」では、最後に言葉の大切さが語られます。この会見場も終わりを告げる教会の鐘が鳴ったようであります。2年間ありがとうございました。

(以上)