茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年8月27日

(令和元年8月27日(火) 10:36~10:45  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

特になし

2.質疑応答

(問)アメリカと中国の対立についてお尋ねします。大臣が出張されてました前週末の23日に、中国が新たな追加関税を課すと発表しまして、同じ日にアメリカも対抗措置として中国に対する制裁関税の引上げを発表しまして、米中間の関税の応酬が再びエスカレートしました。最近は金融市場の変動も大きくなってますけれども、こうした状況についての大臣の受け止めとですね、日本経済にもたらす影響についての御見解をお願いできますでしょうか。
(答)トランプ大統領は、昨日ですね、近いうちに、very shortlyという表現を使ったと思いますけれど、中国との交渉を再開すると、このように発表されておりまして、今後の米中間での協議の進展を期待したいと思っております。
(問)トランプ大統領はですね、26日の会見で、日本車に対する追加関税の可能性を聞かれ、現時点ではないとしながらも、今後、望めば、何がしかとり得ると発言をしました。一定の発動の可能性は残した発言と捉えますが、大臣の受け止めをお願いします。
(答)G7の後の会見、全体聞いていただきますとですね、トランプ大統領は、たしか゛"It’s something I could do at a later date if I want to"と言った後に"but we’re not looking at that"と、このようにおっしゃってると思います。
 正にそのとおりでありまして、この経過、昨年の9月26日の共同声明においてですね、この日米の貿易交渉は、信頼関係に基づき議論を行うこととしまして、その協議が行われている間、この共同声明に反する行動はとらないと、共同声明に明記をしております。そして、この趣旨は、日本の自動車への米国通商拡大法232条の追加関税を行わないという趣旨であるということは、その26日の、日米の首脳会談で安倍総理からトランプ大統領に直接確認をしているとこであります。そういった信頼関係に基づきまして、今回、協議を進めて、ここまでの進展があったところでありますが、この問題につきましては、日米貿易交渉の仕上がりの段階で、きちんとした対応したいと思っております。その旨は米国の方にも伝えておりまして、了解ももらっております。
(問)改めてなんですけれども、日米貿易交渉の大枠合意について、受け止めをお願いしたいんですけれども、よろしいでしょうか。
(答)表現としてですね、アグリーメントとは確かに米側は使ってたんですけれど、恐らくトランプ大統領、全体の状況で非常に表現をされるということで、ライトハイザー通商代表のほうがですね、よりいわゆる通商問題といいますか、こういった協定の内容については正しいというか、専門的な表現を使ってると思うんですが、コアプリンシプルについて意見が一致をしたと。このコアプリンシプル、もしくはコアエレメンツ、同じ意味でありまして、主要な項目について意見が一致したということであります。何しろ一致を見たのは間違いないと。その意味でですね、一般的な用語で言えば合意ということになると思うんですが、これは合意、大体幾つかのパターンがあるんですが、正式な合意、これはもう署名の段階、協定の署名の段階が正式な合意になるわけでありまして、それに対しまして大筋合意と、これは協定の本文がリーガルスクラブの途中でありますが、内容面では完全に合意をしていると、これが大筋合意と。これに対しまして、一般的にこれまで使ってきた大枠合意というのは、一部の項目について作業中だが、協定本文はほぼ固まっている状態、これが大枠合意ということになるわけでありますが、今回の場合、まだドラフティングはこれからです。実際に文書に落としていくのはこれからでありますけれど、主要な項目についての内容は固まっている。これをどう表現するかということでありまして、これを、一般用語的に大枠合意ということを間違っているとは言いませんけれど、協定上正しく言いますと、主要項目、コアエレメンツ・オア・コアプリンシプルについて意見の一致を見たというのが専門家的には正しい表現だと思います。
(問)その主要な項目での一致というのについてですね、茂木大臣の御評価というか、その内容について、まだ明らかにしてませんけれども、その内容については、日本の国益になるとお考えになってるかどうか、改めてよろしくお願いします。
(答)この協定によりまして、農産品については過去の経済連携協定の範囲内で、経済連携協定の範囲内で米国が他国に劣後しない状況を早期に実現できる、一方、工業品についても日本の関心に沿った関税撤廃・削減が実現するということで、双方にとって利益となる貿易経済関係の強化が可能になると考えております。日米でバランスのとれた協定とすることでは一致を致しております。
 また、自動車等につきましてですね、数量規制の問題、さらには原産地規則の問題、自動車業界にとって懸念となる形での決着にはならないと考えております。
(問)先程、バランスのとれた協定とすることで一致しているというお話がありましたけれども、関連で、一部の報道でですね、農産品はTPP水準への関税引下げとなる一方、自動車関税の撤廃は継続協議となったとなっています。これに対してですね、農業先行だとか、米国に押し切られたんじゃないかというような御指摘もありますけれども、改めて認識をお願いいたします。
(答)まず、農業につきましてはですね、先程申し上げたように、過去の経済連携協定の範囲内ということであります。全部が一緒ということではありません。範囲内ということであります。
 一方、工業品につきましては、自動車と他の工業品について対応の仕方が異なっておるということですが、それが自動車について関税撤廃見送りという表現は正しくないと思っております。
(問)自動車の関税、追加関税の件で、ちょっと追加で質問なんですが、トランプ大統領は、自分が望めば可能であるということ、現時点では考えてないということは加えてはいるんですが、この場合、例えば11月に課税の判断の期限というものがあるわけなんですが、そこに向けて、まだ課税がなされる余地というものがあるというふうにお考えか。もしそうであれば、どういった交渉をこれからやられていくおつもりでしょうか。
(答)この問題については、日米貿易交渉の仕上がりの段階で、きちんとした対応をしたいと考えております。そのことにつきましては、アメリカ側とも合意を致しております。

(以上)