茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年2月21日

(平成31年2月21日(木) 18:12~18:18  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 それでは、概要報告をさせていただきます。
 景気の現状についての総括判断は、「緩やかに回復している」として、先月から据え置いております。
 先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
 次に、今月のポイントとして私の方から2点報告いたしました。
 1点目は、先週発表されましたGDPの速報値についてであります。2018年10-12月期の実質成長率は、前期比プラス0.3%、年率換算ではプラス1.4%と、自然災害による押下げがあった前期のマイナスから再びプラスに転じました。個人消費と設備投資が増加し、民需に支えられた成長となっています。ただし、情報関連財を中心とした中国向けの輸出の弱含みもあり、外需寄与度が3期連続のマイナスとなったことには注意が必要であります。一方、2018年の名目GDPは、548.5兆円と暦年ベースで過去最高を更新しております。
 2点目は雇用の情勢についてです。2018年末までの雇用情勢が明らかになりましたが、雇用は着実に改善し、就業者数は大幅に増加しております。細かい数字で申し上げますと、この6年間、生産年齢人口が503万人減少する中で、就業者は384万人増加しました。そのうち女性は289万人増加し、65歳以上の男女は255万人増加しております。65歳以上では、非正規の増加が多くなっていますが、64歳以下の雇用者では、この6年間、正規雇用の増加により、正規・非正規が同程度の増加となっております。特に、「正規の仕事がない」という理由でやむなく非正規雇用に就いた人の割合は大きく低下をしております。また、産業別にみますと、医療・福祉や宿泊・飲食サービス業のほか、高度なスキル、資格、専門知識が必要な技術サービス業や、情報通信業での就業が増加しております。
 概要については以上です。

2.質疑応答

(問)2月は生産と企業収益の判断を下げまして、先立って1月は輸出の判断を下げておりますが、全体の判断は維持ということで、その理由をお教えください。
 また、今後、どのような指標とか項目を重視されるのかも併せてお願いします。
(答)1月の輸出につきましては、情報関連財需要の一服や中国経済の減速等を背景に、このところ弱含んでいるとさせていただきました。こうした輸出動向を受けて、今度は我が国の生産活動においても、電子部品や生産用機械など、一部で弱さがみられるようになっているので、それに伴う修正を今月は行ったところであります。ただし、生産活動全体としては、緩やかに増加しているとの基調は変わっていないと判断を致しております。
 企業収益についても、水準自体は引き続き高いものの、製造業を中心に前年同期と比べて減益となるなど、改善ペースに足踏みがみられるところであります。
 ただ、日本経済全体としては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、消費や設備投資など民需の増加に支えられた成長となっていると考えております。
 何を注視していくかという点については、先程申し上げましたように、通商問題がどうなっていくか。また中国経済の先行きの問題、さらには海外経済の動向、そして各国の政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響というものは注視していきたいと思ってます。
(問)改めて景気の現状認識についてお伺いします。
 大臣は、1月の月例経済報告の会見の際に、12年12月に始まった景気拡大が戦後最長になったとみられるとの御発言をなさいましたけれども、今回、2月の時点でも戦後最長を更新しているとみられるとの御認識でしょうか。よろしくお願いいたします。
(答)基本的には専門的な分析と言いますか、確定には時間が掛かりますが、緩やかに回復しているとの判断については変わっておりません。
(問)海外経済のことでお伺いします。
 今回、2か月連続の下方修正になったんですけれども、この要因を改めて教えていただきたいのと、今後の見通しについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)先月が中国。そして、このところドイツ、英国で景気に弱さがみられるということから表現を下方修正したところであります。先月は、一部に弱さがみられると。今月は、アジア及びヨーロッパの中では弱さがみられるということにしております。
 先行きについては、全体として緩やかな回復が続くことが期待されますが、繰り返しになりますが、通商問題の動向や中国経済の先行き、さらにブレグジット等のリスク要因について、引き続き注視をしていきたいと思っております。

(以上)