茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年2月8日

(平成31年2月8日(金) 8:29~8:35  於:官邸エントランスホール)

1.発言要旨

特になし

2.質疑応答

(問)統計に関係して経済指標について、所得動向を把握する経済指標として野党側は実質賃金、安倍総理は総雇用者所得というお話をしてますけど、大臣、どのように。
(答)まず基幹統計について長年にわたって不適切な手法がとられてきたことについては極めて遺憾だと考えております。
 その上で毎月勤労統計でありますが、この調査方法は事業所ごとに毎月の従業員数、それから従業員全員に支払われた給与額を調べまして、全体の給与額を従業員数で割ることによって数字を算出しています。この1人当たりの名目の賃金を物価で割り戻すことによって1人当たりの実質の賃金を出すという形になるわけであります。
 そうなると、今のように雇用情勢が改善をすると、昨年1年間だけでも女性の就業者の方が、80万人増えたという状況になりますと、仮にその1つの事業所、今までフルタイムの従業員が10人いた事業所で、仕事が増えて人手が更に必要になり、パートの人を2人雇うということになりますと、従業員数、つまり分母の方は10から12に増えるわけですが、全員に支払う給与の総額はフルタイムではない方が入るわけですから、当然1.2倍にはならないということであります。その数字を、1人当たりの賃金ということで言いますと、どうしても名目でも実質でも低くなるという状況であります。
 これは事業所から見たわけでありますけど、今度はこの家計、家庭の方から見るとすると、ある家庭、仮に御主人と奥様、それから子供が何人かいらっしゃるという家庭で、これまで御主人だけがフルタイムで仕事をしていたという状況から、何らかの、例えば看護師でも資格を持ってる女性が、子育てが一段落をしてフルタイムではないけど、仕事に出るようになったと。今までは御主人1人で40万円で家計を支えていたのに対して、奥様の方も、パートで仕事をするようになって20万円の給与を得るようになったということになりますと、その世帯での1カ月の賃金、所得というのは60万に増えます。40万プラス20万ということですから60万に増えますけれど、1人当たりの賃金の観点から見ると、60万割る、2人で働いてますから2ということで30万円ということになります。一般の家庭、家計で言いますと、月に60万円収入が入る家庭と月に40万円という家庭、賃金だけでは、はかれませんけれど、どちらがより生活がしやすいかというと60万円ではないかなと思います。
 こういったふうに具体的に考えてみると、雇用環境が大きく変化している現在の状況を考えた場合には、1人当たりの賃金で見るのより、日本経済全体で見て総雇用者所得が伸びているのか伸びていないのかという観点から考えた方が、経済の実態をよく見ることができるのではないかなと思っております。
(問)先程の、今のお話なんですけれど、一人当たりの実質賃金を高めていくというのは、これは一つ重要な問題ではあるということは、それは言えると。
(答)同じAさんについて、つまり先ほど申し上げたある事業所、10人の事業所について12人に増えたという前提において、これは同じAさんを定点観測でとってるわけではなくて、12人に増えた状態でやってるわけでありますけど、もともとフルタイムで勤めていたAさん、もしくはこれからパートタイムで勤めるBさん、こういう人について高めていくというのは当然のことであります。

(以上)