茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年1月7日

(平成31年1月7日(月) 15:00~15:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 私の方から2点御報告申し上げます。
 まず、明日、1月8日の任期満了に伴いまして、お手元の資料のとおり、経済財政諮問会議の有識者議員として4名の方々を内定いたしました。慶應義塾大学経済学部教授の竹森俊平さん、そして株式会社日立製作所取締役会長の中西宏明さん、サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長の新浪剛史さん、そして東京大学大学院経済学研究科教授の柳川範之さん、この4名です。
 今後の諮問会議における重要政策課題を考えてみますと、国際経済の動向を注視する必要があり、またデフレ脱却・経済再生に向けた経済財政運営、人口減少下での中長期の社会保障の給付と負担の在り方を含めた社会保障制度改革などが挙げられると考えております。
 こうした政策課題を踏まえ、マクロ経済政策、財政健全化、社会保障、地方財政、社会資本整備、国際経済・金融等、経済財政政策に幅広い知見を有する竹森、柳川両氏に有識者議員に御就任いただくことを考えております。
 他方、中西、新浪両氏については、引き続き有識者議員をお願いすることとしたいと思います。また、黒田東彦日本銀行総裁にも引き続き議員をお願いすることとしております。
 今後は所要の手続を経て、近日中、そんなかからないと思いますが、正式に議員に任命する予定であります。
 これまで有識者議員でありました伊藤元重議員、高橋進議員におかれては、6年間にわたって精力的にその任に当たり、様々な議論をリードしていただきました。この場を借りて、改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。
 もう1件ですが、明日8日から10日まで、私は中国の深圳の方に出張いたします。深圳では、グローバルに活躍するベンチャー企業が御案内のとおり次々と生み出されておりまして、今回の出張ではユニークな人型ロボットを開発するユニコーン・ベンチャーであったり、世界最大の電気街であります華強北など、深圳の新しいビジネスを生み出すエコシステムの現場を視察をすることとしております。深圳の活力をこの目で見て実感をすることによりまして、今年夏の未来投資戦略の策定にも活かしてまいりたいと考えております。
 私の方から以上です。

2.質疑応答

(問)本年もどうぞよろしくお願いします。
 幹事社から1点質問させていただきます。
 諮問会議の有識者議員に新任された竹森さんと柳川さんに関して、この2人に関して、どのような知識だったり経験とかを生かしてほしいと考えて今回起用されたのか、狙いをお願いします。
(答)先程申し上げたように、今後の諮問会議におけます重要な政策課題の中には、国際経済の動向に注意する必要があります。デフレ脱却、経済再生に向けた経済財政運営、そして人口減少下での中長期の社会保障の給付と負担の在り方を含めた社会保障制度改革などが挙げられる。こうした課題を踏まえて、担当大臣である私と総理で御相談の上、決めさせていただいたということですが、まず竹森教授について。竹森先生は、マクロ経済、国際経済などについて、多数の研究業績を有しております。最近も様々なマスコミ等を通じて発言されているのは、皆さんも御案内のとおりだと思います。また、昨今の通商問題など、世界の経済情勢にも大変精通しておられます。こうした豊かな知見や専門性が諮問会議における今後の議論に御貢献いただけると考えて選定をさせていただきました。
 それから、柳川教授でありますが、マクロ経済、更には成長戦略と社会保障政策の関係など、多岐にわたる研究業績がございます。また、これまでも諮問会議の専門調査会の議論に御参加をいただいてまいりました。今後は有識者議員として、その広く卓越した知見や専門性を生かしていただきたいと考えて、選定をさせていただきました。
(問)柳川先生は、雇用のお話について、40歳定年制ですとか、お話をされていると思うんですけれども、未来投資会議でも雇用のお話をされていたりして、この諮問会議と未来投資会議の役割の位置付けの違いというか、どういう位置付けで今後議論をしていくかというのを改めて教えてください。
(答)竹森先生、柳川先生ともに、経済財政政策全般について幅広い知見をお持ちだと思っております。柳川先生は、雇用の問題についても様々な御議論をいただいておりますが、先程申し上げた経済成長と社会保障をどう両立していくかといった面でも卓越した論文や研究成果を上げていらっしゃると承知をいたしております。
 その上で、未来投資会議と経済財政諮問会議の役割分担と言いますか、今後の基本的な議論のテーマでありますが、今、未来投資会議におきましては、この人生100年時代に向けた全世代型社会保障改革の第一弾とも言うべき雇用の問題、雇用継続年齢の延長であったりとか、中途採用、経験者の採用を拡大していくといったテーマ、更には、健康寿命の延伸に向けた予防等の議論を進めることにしております。
 そして、経済財政諮問会議におきましては、そういった議論も踏まえた上で、この夏以降、夏には一つの方向と言いますか、取りまとめを行うわけでありますが、それも踏まえて、給付と負担の在り方、これも含めた社会保障全体について、経済財政諮問会議において、この夏以降議論を進めていきたいと考えております。
(問)本年もよろしくお願いいたします。
 諮問会議の民間議員の関係で、今回、留任が決まりました経団連会長と、新浪さんについて、引き続き、どのような役割というか、議論を期待なさっているのかというのを改めてお願いいたします。
(答)この民間議員の方は、決して学者であったりとか、経済界とか、そういった分け方よりも、これまでの様々な経験であったりとか、知見というものを経済財政諮問会議の議論に生かしてほしいと思っております。
 新浪社長は御案内のとおり、非常に今、グローバルな視点を持ちながら、同時に様々な社会保障制度の改革につきましても、改革工程表と、KPIを定めて、それをしっかり実行していくといった手法についても、中心になって議論を進めていただいた方でありまして、今後もその知見であったり経験、こういったものを経済財政諮問会議の議論に生かしてほしいと考えております。

(以上)