茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年11月6日

(平成30年11月6日(火) 18:28~18:38  於:中央合同庁舎8号館1階S101・103会見室)

1.発言要旨

  先程未来投資会議を開催いたしまして、地方銀行や乗合バス等の経営統合問題を中心に、地方施策について議論を行いました。
 まず、経営統合問題についてでありますが、地方銀行や乗合バス等は地域住民に不可欠なサービスを提供しており、サービスの維持は国民的な課題であります。
このため、経営環境が悪化している地方銀行や乗合バス等の経営力の強化が課題であり、経営統合についての独占禁止法の適用に当たっては、地域のインフラ維持と競争政策上の弊害防止をバランス良く勘案し、判断を行っていくことが重要であります。
 地方におけるサービスの維持を前提として、地方銀行や乗合バス等が経営統合等を検討する場合に、それを可能とする制度をつくるか、または予測可能性をもって判断できるような透明なルールを整備することを検討することになりました。
 この問題は専門家を含めて、地方施策協議会の場でしっかりと検討を行い、未来投資会議に報告を頂きます。その上で、結論を来年夏に決定いたします実行計画に盛り込んでもらいたいというのが総理の指示でありました。
 もう一つ、地方の人材不足に対応するため、若者等が地方へ移住する動きを加速する取組、そして、UIJターンを生み出していくための環境整備、更には実務経験豊かな中高年層を含め、様々な人材が地方で新たな活躍の場を広げ、地域活力を引き上げる仕組みを強化し、地域経済を担う多様な人材を確保する。また、人口急減地域の活性化を図る仕組みの構築を進める。更には、地方経済を支えるものづくり等の中小企業の生産性の向上や、中枢中核都市の課題の解決といった問題について、具体的施策をしっかりと検討することとなりました。
 地方施策につきましては、総理から私と片山大臣をはじめ、関係閣僚は来年の夏の実行計画に向けて、今日の意見を踏まえ検討を進めるようにとの指示があったところであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日の未来投資会議について、1問質問をさせてもらいます。総理の方から来年の夏の実行計画に向けて検討を進めてほしいという指示があったとのことですけれども、その後についてですが、独禁法の改正であるとか、そこら辺のスケジュール感、今どのように考えているのか教えてください。
(答)まずは、先程申し上げたように、来年の夏までにしっかりとした結論を得ると、それを実行計画に盛り込むということでありまして、その実行計画の中にどう書き込んでいくかということでありますから、今後の検討状況によってということでありますが、地方におけるサービスの維持を前提として、地方銀行や乗合バス等が経営統合等を検討する場合に、それを可能とするような制度をつくるか、または予測可能性をもって判断できるような透明なルールを整備するか、いずれにしても何らかのオプションというものをしっかりと決め、若しくはそれを並立させるということも含めて、結論を得たいと思っております。
 今日、杉本公正取引委員会委員長からも、市場が縮小し、複数の事業者が持続的に存在することができず、統合しなければならない地域にとって、必要なサービスの提供を維持できなくなるような場合、独占禁止法上問題とすべきとは考えていないと、このように発言がございました。
(問)地銀の統合の話、この数年課題になっていました。今のタイミングで政府が乗り出しまして、再編などに向けた方向性を示すことについての意義、それから、狙いについて御見解をお願いします。
(答)地域の金融であったり、公共サービス、これは正に地域の経済社会を支える基盤インフラであります。
 また、今日も議論になりましたが、地方での多様な人材の確保、これは地域活力の源泉だと考えてるところであります。
 そういった中にあって、地銀の現状等々を見ますと、かなり経営的に厳しい。それによって、今度は地方の中小企業等々、融資を受けてる先、支援を受けてる先にも影響が出かねない。こういう状況があるわけでありまして、こういった中で、サービスの維持は、国民的課題である競争政策の観点からのみでなく、より広い地域施策の観点から、ルールの在り方を議論すべきとの考え方であります。
 ここで断っておきますが、独占禁止法の適用に当たっては、今申し上げたような地域のインフラ維持という視点と競争政策上の弊害防止をバランスよく勘案して、判断を行っていくことが必要である、そういった方向で検討いたしますが、その上で、独占禁止法の具体的な運用は、定められたルールを前提として、当局が独立して行うべきなのは、もちろん言うまでもないと思っております。
(問)今の大臣の御説明ですと、杉本長官もですね、地銀等がそのサービスを維持する上で、寡占状態なのは独禁法上問題ないという、考えてるっていう御発言があったっていう話ですけども、そうなると、必ずしも独禁法の改正、法改正っていうものが選択肢以外、それ以外の選択肢をとる判断もあるっていうことで、むしろそちらの方にシフトしつつあるっていうことでよろしいんでしょうか。どう解釈したらよいのか。
(答)ごめんなさい、ちょっと質問の意味、もう一回言ってもらえますか。
(問)ごめんなさい。これからの年度末への判断に向けてですね、独禁法の改正ということが、かなり大きな選択肢になるのか、それとも、公取委員長の御発言だと、地銀が統合したい場合には、独禁法の支障にはならない、問題とは考えていないという御発言もあったということですけども、法改正を伴わないまでも、いろいろなそのによって、方法によって、統合したいのであれば統合をサポートする体制っていうものを考えることができるのか。
 つまり、法改正以外の選択肢というものもかなりあるのかどうかということについて、もう一回お聞かせください。
(答)杉本委員長の発言については、先程御紹介したとおりです。その上で、まずこの地方のインフラ企業といいますか、地域金融とか、公共サービス等について、地方におけるサービスの維持を前提として地銀や乗合バス等が経営統合を検討する場合には、大きく言うと二つのオプションが考えられるでしょう。
 一つが、それを可能とする制度をつくるという話であります。もう一つが、予測可能性をもって判断できるような、透明なルールを整備をする。これらについてどうするかということを検討するということでありまして、今日の段階で、どちらかに決めたという話でありませんし、また、例えば透明な、明確なルールがしっかりできるかどうか、これによって適用除外なりを考えるかどうかというオプションも、現実味を帯びてくるかどうかということが決まってくるんだと思います。
(問)ありがとうございました。

(以上)