平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年9月6日

(令和元年9月6日(金) 10:59~11:11  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 私からは2件報告します。
 まず、IT政策担当大臣として、9月3日火曜日、「第1回自治体ピッチ~Pitch to Local Governments~」を開催しましたので報告します。
 「自治体ピッチ」は、システム開発者が自治体に対し、自治体間の共同利用を前提としたシステム等を提案し、意見交換を行うものです。業務やシステムの改善を目指す場ということで、非常に有意義だと思います。
 当日は、9者からシステム提案があり、私も、「AIを活用した業務支援」をテーマとした、My City Reportコンソーシアムと産業技術総合研究所からの提案に対する議論に参加をさせていただきました。
 会場には、約60名の自治体職員が来場しただけでなく、全国の自治体向けにピッチの様子をライブ配信しました。その結果、自治体限定であるにも関わらず、延べ921件のアクセスがありました。
 また、質問や意見をリアルタイムで投稿できるアプリを活用して、提案に対する質問等を受付けたところ、1者20分のプレゼンの間に平均約50件の質問等が投稿されました。私も現場で質問等々見ていましたが、非常に良かったと思います。
 参加した自治体からは、「出張しなくても情報収集できて、有り難い」、「庁内会議室でライブ配信動画を放映し、複数の職員が組織の壁を越えて意見交換を行った」など、自治体ピッチに対する前向きな意見が届いていると聞いています。
 引き続き、9月26日、10月24日に自治体ピッチを開催して、地方自治体におけるシステムの共同利用を前に向けていきたいと思います。
 また、こういうネット回線を使った会議というのは、これから経費の節減とか開かれた議論とか非常に重要だと思いますし、いざやってみますと、普段恐らく手を挙げて質問しろと言ったらああいう質問はできなかったと思うんですが、匿名で質問がいいということになりますと、自治体の職員の皆さんからも、本当に多岐にわたる質問があって非常に良かったなと思います。
 自治体ピッチは以上です。
 次に、宇宙政策担当大臣として報告をします。
 本日より、「第4回宇宙開発利用大賞」の募集を開始したいと思います。本表彰制度は、我が国の宇宙開発利用の更なる進展や宇宙開発利用に対する国民の皆さんの認識と理解の醸成に寄与することを目的として、平成25年に創設されました。
 この宇宙開発利用大賞は、宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に表彰されます。選考にあたっては、従来の発想にとらわれない、世界に先駆けた革新的なアイデアや新たな分野への取組みも積極的に評価していきたいと思います。
 応募は自薦、他薦を問いませんので、ふるって応募いただければと思います。本日、宇宙政策ホームページでご案内しますので、そちらもご覧いただければ有り難いと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先日、大臣は、研究力強化のために創発的研究、これから制度設計していくぞということだったんですけども、今現在、政府で行っている大型の研究資金配分について、その審査方式にいろいろ問題があるんじゃないか、それが結局、日本の研究力を下げる原因にもなっているんじゃないかという指摘もあるんですけども、その中で、例えば利害関係者の排除だとか、応募書類の煩雑さだとかいろいろな課題が上げられているんですけども、それらについては、大臣としては、これから検討されていくお考えはあるんでしょうか。
(答)基本的には、現状と課題を分析した上で、改善方策を議論していく予定ですけど、これ、非常に多くの意見があるので議論は難しいと思います。書類審査と面接審査というようなことなんですけど、ある程度大型の研究になると、書類もそれなりの量は要求されると思いますし、かといって書類だけで選考してしまうと、人間が見られないというか、面接だからやり取りで分かる部分も実はあるんですね。ただ、そこの人間関係とか親しさとか、人間が入るとバイアスが掛かってしまうというような指摘もあって、そこら辺りをどうしていくかということだと思うんです。
 「応募書類の煩雑さ」ということに関して言うと、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)を改修したり、統一申請様式での入力への全面的な移行を検討したいと思いますけど、それでちょっとは簡素化される可能性はあると思っています。
 いずれにしろ、この大型であれ、創発的であれ、この研究費の配分をどう決めるかというプロセスは、今回我々が再検討する重要な部分だと思っています。
(問)先日の会見でおっしゃっていました宇宙予算の概算要求が、平成21年度以降で最高になったということ、最高になった要因として、どういったところが大きかったか、大臣はどう思ってらっしゃるか教えてもらっていいですか。
(答)いよいよ準天頂衛星「みちびき」も最後の7機体制の総仕上げであるということですし、「はやぶさ2」も大きな実績を上げているということと、宇宙データの利活用というのが、全府省にまたがる、社会全体に影響を及ぼすというようなことになってきた中で、データ活用という観点から、宇宙が普段の生活とつながったところが大きいと思います。ですので、この国際競争力の観点、Society5.0を考える上で、宇宙がなくてはならないものになったので、当然予算が増えるというふうに思います。
(問)冒頭ありました地方自治体のピッチについてお伺いできればと思うんですけども、結構かなりの反響があったということですが、実装に向けては今後どのように促していって、どういうふうなシステムを作っていきたいという思いがあるんでしょうか。
(答)結局、強制的に実装してもらうというわけではなくて、飽くまでも意見交換、その情報提供ということですが、あとはそれぞれの自治体の判断でと。ただ、自治体クラウドというのは、これはこれで自治体を飛び越えて進めているところもあり、ただ、住民サービスの向上とか行政の効率化みたいなもので使えるものは使っていただけるんではないかというふうに考えてます。ただ、どこかの自治体で開発して成功したものは、ほかの自治体で作る、使う場合に、コストが相当下がるので、恐らく以前よりは、検討を前向きにしていただけるのではないかというふうに思います。
 自治体ピッチはあと2回やって、これで何らかの形で広がっていくシステムもあるというふうに考えていて、ただ、今回、自治体ピッチをやってみた結果を踏まえて、どうすればもっと自治体の皆さんが前向きに取り組んでいただけるのか、そこを考えるのが次の宿題だと思います。
(問)地方自治体によっては、コストの面をかなり気にされたりとか、お金がないところがありますけど、そういった支援を何かやっていこうとは考えていらっしゃいますか。
(答)これは、交付税である程度見ていく必要があるというふうに思っていて、手続の中には、国の代行をしている法定受託事務みたいなものもあるし、あと、自治体クラウドみたいなものに取り組むところに対しては、総務省の方でその前向きな支援をするという方向性は出てるので、そういうことになるというふうに思います。
 ただ、この手の話は、その自治体のトップの方と地方議会の理解、両方が必要なんですよね。ちばレポという、いろいろな写真を撮って、道路が壊れたりとか、ここに何かごみが落ちてるとかというのが住民が上げてくるサービスは、最初は市議会議員の先生方は、自分たちの本来のミッションがとられるようなことで、心配された方もいるんですけど、結果、使ってみると、いやいや、これはいいなというようなことになるわけで、そういう基礎自治体の議員の皆さんが理解をするということも非常に重要だと思います。ですから、自治体ピッチみたいなものに、今度は地方議会の皆さんにも見ていただけるような工夫をしたいなと思います。
(問)今の自治体ピッチのことで、市議会議員とか町議会議員の仕事のやり方が変わるというのは、これから例えば、今までこういうことばかり市議会議員は要請を受けてやってたけども、そういう仕事のやり方じゃなくて新しい仕事のやり方があるよみたいな、そういう地方議員向けの何かマニュアルとかレポートとか、そういうことって考えられてるんですか。
(答)地方議員向けのマニュアルは考えてないですね。ただ、最近、地方議会でiPadとかそういうのを使っている議会が急激に増えました。これはもうペーパーレスでいろいろな議会やってるんですね、さすがに。だから、その流れで当然、端末は会議だけじゃなくて、そういう情報共有にも使えるんではないかなと思うので、ここはそれぞれ取り組まれるんではないかと思います。

(以上)