平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年8月8日

(令和元年8月8日(木) 11:09~11:23  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から3点。
 今、同席してまいりましたGサイエンス学術会議の共同声明の総理手交について、閣議終了後、先程、日本学術会議の山極会長から安倍総理に、Gサイエンス学術会議共同声明が手交されました。
 Gサイエンス学術会議は、G7各国を代表する学術団体で構成されまして、2005年より毎年G7サミットに向け、科学的見地から政策提言を行っています。
 本年は、8月24日から26日にフランスで開催されるG7サミットに向け、「科学と信頼」、「人工知能と社会」、「インターネット時代のシチズンサイエンス」の3つをテーマとした共同声明がGサイエンス学術会議にて取りまとめられて、G7の各国首脳に提言されます。
 イノベーションの大競争時代において、社会や産業が科学技術を正しく用いる「人間中心」の考え方は非常に重要だと思います。今回の提言においては、これからの時代に一層必要な取組みが述べられておりまして、G7サミットの議論に有益なインプットになると考えています。これが一つです。
 もう一つは、科学技術政策担当としての報告ですが、本日、内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省の1府3省が共同で「スマートシティ官民連携プラットフォーム」を設置いたしましたので報告します。
 今年6月に閣議決定された「統合イノベーション戦略2019」においては、スマートシティをSociety5.0の先行的な実験の場として位置付けました。
 スマートシティについて、これまで多くの府省が関連する事業を行ってきましたが、各府省が連携せずばらばらに事業を立案、実施してきたために、内容のつながりや情報共有が乏しく、実証の数は多いが実装のレベルになかなか至らない、という問題がありました。
 そこで、今年度から、内閣府が関係府省を先導しまして、政府の全てのスマートシティ関連事業に共通するアーキテクチャを設計して導入するほか、今年のG20プロセスにおいて、世界の都市の成功事例を共有する場の創設を提唱して、合意を得るなど、政府一体となったスマートシティの取組を進めています。
 今回設立した官民連携プラットフォームも、この内閣府主導による政府一体の取組の一環です。
 現在各府省のスマートシティ関連事業に参加している関係者のほぼ全てに相当する、約470の企業や自治体、研究機関、関係府省が、この新たなプラットフォームに参加することになりました。
 この新しい大きなネットワークの形成によって、関係者の間の風通しを良くして、我が国におけるスマートシティの本格的な実装発展につなげていきたいというふうに思います。
 プレスリリースもあると思いますが、これは事務方に詳細はお問い合わせいただければと思います。
 次に、科学技術政策、IT政策担当大臣として報告します。
 8月9日から14日まで、科学技術、ITに係る要人との会談、スタートアップエコシステム形成に係る視察等のため、フランス及びポルトガルに出張をいたします。
 フランス・パリでは、シェレゲンホフOECD事務次長との間で会談を行いまして、デジタル・ガバメント分野における政策等について意見交換をしたいと思います。
 また、フランスで「HIRAI Pitch in Paris」を開催します。これは、日本と連携をするというようなことを考えておられる企業にできればPitchをしていただいて、いろいろな情報交換をする中で、協力できる部分は協力していこうと思います。それと、世界最大規模のスタートアップ育成拠点でありますStation Fを訪問します。このStation Fも、日本のいろいろなところと連携をしようと今進んでいますので、有意義な意見交換ができると思います。
 そして、その後、ポルトガル・リスボンでは、モエダス欧州委員及び、テイシェイラ科学技術・高等教育副大臣とそれぞれ会談して、科学技術・イノベーション分野における協力の在り方について意見交換します。
 このほか、マルドナード国家イノベーション庁長官との会談、コスグレイブWeb SummitCEOやスタートアップ企業関係者との意見交換のほか、リスボン市のスマートシティは進んでいますので、それも視察をしようというふうに思っています。
 また、私からは、ムーンショットについても、海外の皆さんにいろいろと説明もさせていただいて、今後の取組について意見交換をしたいと思っています。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)先日、大臣も出られた基本計画の専門調査会があったんですけども、それで例えば濵口委員から、国立大学の大学病院が法人化してから収益が上がってサービスもよくなっているよとか、いい事例の紹介があって、そういうのを横展開をどんどん進めていくべきじゃないかというような、今すぐにできるような提案もあったかと思うんですけども、そのことについて、大臣、今後どのように対応されていきますか。
(答)濵口委員は最後のご意見の順番だったと思うんですけど、もう至極ごもっともな話だと思ってます。ですので、現行の第5期基本計画のレビューについては、成功事例、失敗事例、しっかりと分析したいというふうに考えています。もともとその予定でもありました。
 そして、第6期の基本計画の検討にあたっては、まず第6期の開始を待たずに取り組むべきこと、第6期の終わりですね、終期、2025年度末までに終えるべきこと、その後、2050年度を見据えて着手することといった整理をして、出来ることから、スピード感をもって取り組もうというふうに思いました。
 この間、濵口委員がご紹介いただいた例も確かです。そういうことで、また各委員、相当面白いご発言もあり、私も大変興味深く拝聴させていただきました。また、マスコミフルオープンだったので、かえって良かったのではないかなと思います。
 そういうことで、出来ることからやろうと、そんなふうに思ってます。
(問)先程のスマートシティのプラットフォームについてなんですけども、先程、大臣、社会実装の実装にまでなかなかたどり着いていないと。社会実装をちゃんと各省のいろいろな施策がある中でやろうと思ったら、例えば政府CIOのような全体を見てデザインするような人が必要になるかと思うんですけども、そういうリーダーというかデザイナーというか、そういう人についてどのような。
(答)今回、情報共有のアーキテクチャを作って、それはIT戦略本部全体で進めていこうということになると思います。
 さりとて、企業、自治体の皆さんは自分で考えて、それこそ地方自治の本旨にのっとりながら独自の取組をしているので、それも邪魔するわけにもいかないなというふうに思います。
 だから、政府でやろうとしているのは、このスマートシティは3省がいろいろな形で実証が進んでいるので、それを持ち寄って、横展開できるものは直ぐにしていこうと、また、興味あるものに対しての情報交換、まずはインフォメーションシェアリングから始めようということです。
 政府CIOの方は、システムの統合とか、効率化とか自治体クラウドみたいなもので、今、政府CIOは、地方自治体と意見交換をしながら回ってもらっています。これも同時進行で進められたらいいなと思っています。
(問)スマートシティについて伺いたいんですけれども、実装を進めたいということですが、まず、なぜやっぱり日本でスマートシティということを進めなきゃいけないのかというところをまずお願いします。
 それと、あと海外でも、結局様々進んでいると思いますが、その環境をどのように。
(答)実は、私の地元でもう既にスマートシティで実装しているデータ連携のプラットフォームは、ヨーロッパと同じFIWAREというものを使っています。もう既に4都市辺り、加古川とか神戸とかでしたかね、使っていて、これは世界共通なんですが、情報をどうやって連携していくかというところ、ここはいろいろな知見を集めて進めていかなければならないというふうに思ってます。
 それと、スマートシティをやらなければならない理由というのは、スマートシティ・イコール・Society5.0とも言えるわけで、これから少子高齢化、人口減少という日本の固有の問題や、地球温暖化とかいろいろなエミッションの問題とか、ありとあらゆる社会問題をスマートに解決していくためには、デジタルテクノロジーと科学技術を都市に実装していくというのは世界的な流れだと思います。
 Society5.0を提唱した日本は、そこをできるだけ早く先行したいんですけど、今までPOCが多過ぎて実装に至っていないところを、一気にこれから進めようというのが今回の考え方です。
(問)8月15日の終戦記念日なんですけれども、大臣ご自身は靖国神社に参拝する予定はございますか。
(答)参りません。
(問)同様に、玉串料なども。
(答)出しません。
(問)昨日、自民党の小泉進次郎さんとフリーアナウンサーの滝川クリステルさんが結婚と妊娠を発表されましたが、大臣の受け止めをお願いします。
(答)総理は、令和の幕開けにふさわしいカップルの誕生というようなコメントを出されたと思いますが、いいコメントだなと思います。私も正にそうだと思いますし、小泉議員とは、国会のデジタル化等いろいろな形で今まで一緒に仕事をさせていただいてきましたけれども、非常に政治家としてもビジョンも持ち、正にこれから結婚して更にご活躍をしていただける。本当に心からお祝いを申し上げたいと思います。
 私は記者会見は、ご自宅前の記者会見を見て、どうしても動物好きの私としては気になったのは、足元にいたわんちゃん、あれレトリバーですかね。あれは東日本の震災の迷い犬を滝川さんが引き取ったということですが、私の直感が正しければ、間違いなくあの犬がキューピッドをしたんだと思います。あの犬の落ち着きと、あの2人の間に座っている犬を見ると、いい仕事したねと、そんなふうに思いました。
 私も犬好きなので、ああいう犬をお二人でかわいがって散歩するというのはいいんじゃないでしょうか。とってもお似合いのすばらしいカップルだと思います。

(以上)