平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 令和元年7月23日

(令和元年7月23日(火) 11:57~12:08  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 まずは、科学技術政策担当大臣として、本日閣議後に「TICAD7関係閣僚会議」が開催されました。私からは、科学技術イノベーション協力を通じて、アフリカのSDGs達成に貢献することを発言しました。
 これに関連して、新たな取組を開始することになりましたので、報告いたします。
 SDGsの達成には、科学技術イノベーションの活用が重要で、このため、我が国は、世界各国の「STI for SDGsロードマップ」の策定を促進するための基本的な考え方を提案して、先月、G20大阪サミットにおいて、承認されたところです。
 この我が国主導の取組と相まって、国連では、いくつかの途上国・新興国をパイロット国として、「STI for SDGsロードマップ」を策定するパイロット・プログラムを開始することになりました。
 我が国は、キーパートナー国として、この国連パイロット・プログラムに参加することになりましたので、報告をいたします。今後、キーパートナー国は、世界銀行等と連携して、途上国・新興国におけるSDGs達成のためのロードマップ作りを支援することになります。
 また、現在、内閣府では、これらSTI for SDGsの取組みを具体的に社会実装していくための予算要求を検討しているということです。本件については、8月末にお知らせしたい、と考えています。
 こうした取組を通じて、日本の科学技術を活用して、アフリカ・アジアのSDGsの推進に貢献していきたいと考えています。
 本件については、事務方より、詳しく説明もさせていただきたいと思います。聞いていただければと思います。
 そして、この後ですが、科学技術政策担当大臣として、情報通信研究機構(NICT)および、日立製作所研究開発グループ 中央研究所を視察する予定になっています。
 NICTでは、サイバー攻撃に対応するための最先端の攻撃観測技術や分析支援技術を研究するサイバーセキュリティ研究所、実践的サイバー防御演習の開発・実施を行っているナショナルサイバートレーニングセンターを視察します。さらに量子暗号技術、衛星量子通信技術の研究現場も視察をする予定です。
 日立製作所の中央研究所では、ウェアラブルセンサーによるデータ解析技術、組み合わせ最適化問題を効率的に解くための新型コンピュータ技術などの研究現場を視察予定となっております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)参議院選がちょうど終わって、ただ、今回の参議院選、争点が余りよく分からなかったと思うんですけども、大臣としては、今回の参議院選の争点についてどのように考えているのか、また、今回の結果についてはどのように受け止めているのか教えてください。
(答)今回の選挙は、争点が分かりづらかったですよね。というのも、結局、我々といいますか自民党は、公約という形で実現可能な政策を一応提示をさせていただいて戦っていたんですが、それはほとんど論争にはなりませんでした。今回、選挙をずっと見てまして、前半戦はジャニー喜多川さん、中盤戦は日本と韓国の問題、後半は京都の火災事故や吉本にとられてしまってテレビ報道というのが極端に少なかったと思います。
 私の地元でも投票率が45%程度というような状況で、論点がかみ合わなかったということもあって低調なのかどうか分かりませんが、全体として選挙に対する関心が非常に低かったのではないかというふうに思っていて、この投票率の低下ということに関しては、大変私は心配をしています。これは、今後考えていかなきゃいけないことではないかなというふうに思います。
 結果については、与党の目標は超えたということであって、私としては特段の感想はありません。
(問)先程のSDGs for STIなんですけども、これは内閣府ではプラットフォームを作って情報を共有しようというふうなことを書いてあるんですけども、ただ、SDGs、本当に各国の問題をちゃんと解決しようと思うと、各国の中に入って、例えばベンチャーを支援するときにハンズオンで支援しないとなかなかうまくいかないように、中に入ってやらなきゃいけないかと思うんですけど、そういう具体的な取組にどういうふうにつなげていくのか。
(答)これから考えるということですね。おっしゃるとおりハンズオンでやらなきゃ駄目だと思います。
 ただ、今回我々がキーパートナー国となってやっていくということで、先程もお話ししたとおり、これから予算要求もするというようなことですので、いろいろ考えながらできるだけ成果が上がるようにしていきたいと。やり方はまたこれから事務方とまたいろいろと、知恵を絞ってということになると思います。
(問)参院選の関係なんですけれども、大臣ご所属の岸田派ですけれども、現職議員が秋田、滋賀、それと山形で落選し、岸田さんの地元でもある広島でも岸田派の候補が落選しました。
 ポスト安倍の一人とされた岸田さんにとっては、非常に厳しい状況かと思いますけれども、大臣、どのようなご見解でしょうか。
(答)私、今日は閣僚としてここで記者会見しているので、個々の選挙の結果については、コメントは控えさせていただきたいとは思いますが、私としては有力な議員の皆さんが仕事をする機会を失ったということでは、非常に残念に思います。
 選挙というのはそれぞれ各選挙区いろいろな事情もあり、単にその全体の流れの中で決まらないような要素もあるので、そのことに関してはまたそれぞれ、各々が考えて反省したり、また、次に生かしたりするのではないかと思います。
(問)では、岸田さん自体の求心力だったり、そういったものに影響はないというふうにお考えでしょうか。
(答)そのことについては、今ここでお答えすることではないと思いますが、何をして求心力と言うのかというのは、その選挙の結果のみではないだろうというふうに思います。
(問)話題は変わりますけれども、吉本興業なんですけれども、その所属芸人が反社会的勢力の会合に出席して、報酬を受け取っていたことが明らかになりました。
 吉本興業は官民ファンドのクールジャパン機構から100億円の出資をしてもらい、教育事業の方に参入するということだったりとか、これまでもクールジャパンの一環で海外進出ということで、官民ファンドのクールジャパン機構からも融資を受けています。
 クールジャパン機構そのものの所管は経産省かと思うんですけれども、こうした企業に税金が投入されていること自体、また、クールジャパンを発信するということにふさわしい企業なのかどうなのか、大臣のご所見をお願いいたします。
(答)おっしゃるとおり、クールジャパン機構の投資案件については、経済産業省の所管で、私ではありません。
 ただ、全体のクールジャパンという戦略を担当する立場で、この本件に関してコメントすれば、吉本興業さんはクールジャパンのコンテンツの制作者としては、非常に有力な企業の一つであることは間違いありません。
 一方で、クールジャパンのコンテンツの担い手であるという立場でもあり、法令遵守の徹底とか、きっちりとした説明責任を期待せざるを得ないなと、そのように思います。
(問)昨日の会見自体ではまだ説明としては、よりもうちょっと丁寧な説明が必要だということでしょうか。
(答)報道では知っているんですけど、長い記者会見でしょう。私、全然見ていませんので分かりませんが、説明責任というのは要するに自分が説明するということではなくて、聞いた人が納得するかどうかというところが求められるのではないかと思います。

(以上)