平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 令和元年6月25日

(令和元年6月25日(火) 10:02~10:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 それでは、まず私から、科学技術政策担当大臣として報告します。
 先日6月22日、兵庫県を訪問して、神戸市にある理化学研究所の計算科学研究センター及び生命機能科学研究センター、神戸市立神戸アイセンター病院を訪問・視察させていただきました。また、「HIRAI Pitch in 神戸」を開催しました。さらには、理化学研究所の放射光科学研究センターを訪問して、「SPring-8」、「SACLA」等を見てまいりました。
 理化学研究所の計算科学研究センターでは、いよいよ8月末に運用を停止するスーパーコンピュータ「京」を視察して、これまでの開発、研究成果の説明を受けるとともに、「京」で開発した性能が次世代スーパーコンピュータ「富岳」へと引き継がれるということについて説明を受けました。
 また、理化学研究所の生命機能科学センターでは、iPS細胞を用いた再生医療の取組みの一環として、「網膜再生医療研究開発プロジェクト」の研究室及び神戸市立神戸アイセンター病院を訪問しました。高橋政代プロジェクトリーダーから詳しく話を聞き、また、意見交換もさせていただきました。基礎研究から臨床応用、治療、リハビリ、社会復帰まで一貫した取組を行っているという説明を受けました。
 さらに、「HIRAI Pitch in 神戸」を開催しまして、神戸を拠点に活動するスタートアップや、その支援者ら11名と、世界に伍するスタートアップ・エコシステムを機能させるための方策などについて意見交換をさせていただきました。
 そして、理化学研究所の放射光科学研究センターでは、大型放射光施設「SPring-8」及びX線自由電子レーザー施設「SACLA」を視察しました。これらの施設が大学、研究機関、企業など多くの研究者に利用され、低燃費タイヤの開発等の研究開発に貢献してきたことや、今後人工光合成の開発等へ期待できるという説明を受けて、大変心強く思いました。
 これらの視察等の内容を、今後の科学技術・イノベーション施策に反映していきたいというふうに思います。
 そしてもう一つは、クールジャパン戦略担当の大臣として報告します。
 今日6月25日、赤坂の「株式会社博報堂ケトル」において、新たな戦略について議論するための第5回「Create Japan WG」を開催します。
 これまでのWGにおいては、新しい戦略の策定に向けて、ネットワークの中核組織のミッションと機能、外国人が働きやすい環境整備の必要性、日本ファンを増やすための人的ネットワークの重要性、関係省庁間の連携強化の必要性など、戦略に含めるべき事項について活発な議論が行われました。今回は、これまでの議論を踏まえて、新たな戦略の骨子について議論を深めたいと考えています。
 WGにおける議論は、今回で一区切りにさせていただきたいと思いまして、関係省庁とも調整の上で、知的財産戦略本部において、夏ごろまでには新たな戦略を策定するということで、作業に入ります。
 今回もオープンな議論ですが、是非取材をしていただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先週、「SPring-8」を視察されて、ネットでもこれは非常に大事だというようなことを発信されていたんですけれども、一方、大学等では数億円から20億円ぐらいの中規模な装置とか設備の老朽化が進んでいて、更新もなかなか進んでいないと、これが研究力低下の一因にもなっているんですけども、こうした中規模な研究機器・装置の整備支援について、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)それはなかなか難しいですよね。まずは文部科学省がどのような予算の手当をしていくか。かえって「SPring-8」ぐらいまで大きな予算になると、それはそれでまたあるんですけど、数億円から20億円ぐらい、まして個人の研究者が使っているような予算では整備が非常に難しいと思います。いろいろなところでまず学内の共用とか拠点地域での共用とか、皆さんで使おうという動きは実際の実績もあって、一研究者で使うというよりも共用で使った方がそういうものの更新がしやすいというふうに思っています。
 今回、21日に閣議決定した統合イノベーション戦略2019の中で、施設・整備の有効活用を検討項目の一つとして、「研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ」を、年内を目途に策定する、その中に入れさせていただきたいと思います。
 効果的な研究機器等の整備が促進されるように関係府省とも連携して、対策を考えていきたいと思います。
(問)小林座長からムーンショットの草案というか、そういうものが大臣の方に報告されるということだったんですが、どのような状況になっているでしょうか。
(答)いろいろと皆さん、意見交換も含めて、ある程度収れんをされてきているという方向は聞いていますが、具体的な中身についてはこれからということです。

(以上)