平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 令和元年6月18日

(令和元年6月18日(火) 10:24~10:37  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 それでは私の方から、まず3点報告をさせていただきます。
 まず一つは、クールジャパン戦略担当として、先週6月14日金曜日、渋谷の「コネクション株式会社」において、新たな戦略について議論するため、第3回「Create Japan WG」を開催しました。
 今回は、事務局から、第1回及び第2回の議論を振り返った上で、関係者のネットワーク化や日本ファンを増やすための取組について論点を整理しました。
 出席者の方々からは、ネットワークの中核組織のミッションと機能、外国人が働きやすい環境整備の必要性、そして日本ファンを増やすための人的ネットワークの重要性、関係省庁間の連携強化の必要性など、戦略に含めるべきだというふうな活発な議論がありました。
 引き続き議論を深めて、クールジャパンが長期的に継続し発展するための基盤をつくれるように、取り組んでまいりたいと思います。第4回は6月20日に開催することになっています。
 次は、週末の出張について、クールジャパン戦略担当として6月15日、新潟県小千谷市を訪問しました。錦鯉を育てている塩谷棚池等の錦鯉関連施設を視察して、新潟県、小千谷市と共催で、第1部「錦鯉フォーラム」、そして第2部は「クールジャパン推進会議 in 新潟」を開催しました。
 錦鯉のフォーラムでは、重要なクールジャパンのコンテンツの一つである錦鯉を今後、どのように発信・展開していくかについて議論しました。錦鯉については、棚池も視察しましたが、非常に良い環境で錦鯉を育てており、その手間暇をかけて大切に育てていることが品質につながっているのではないかなというふうに思いました。中山間部、特に棚田なんかを農業以外であれだけ有効に使っている例は外に余り見たことがないなと思います。
 「クールジャパン推進会議 in 新潟」では、新潟県・小千谷市のクールジャパンの有識者の方々と、国や地方のトップが直接議論を行いました。議論を通じて、新潟県の魅力ある資源を、IT等、アイデアとしてはPokemon GOとのコラボレーション、コイキングを使ったらどうだというような話があり、英語でのメタデータの整備、新潟の発酵文化の活用等、100人100通りの多種多様な新潟の資源を効果的に発信する様々な案を頂きました。
 私は特に今回、新潟のポテンシャルが高いなと、食べ物にしても自然にしても文化にしても、そう思いました。いずれにせよ日本ファン、新潟ファンの外国人を継続的に増やす方策を、新潟の皆さんと協力しながら考えていきたいと考えております。
 最後に、健康・医療戦略担当大臣として、今日、第2回「認知症施策推進関係閣僚会議」を開催し、政府一丸となって施策を推進するための「認知症施策推進大綱」をとりまとめました。
 本大綱においては、「共生」と「予防」を車の両輪として、認知症に関する取組を強力に推進することとしております。
 本日は最後に、総理から各大臣に対して、このたび取りまとめた施策を速やかに実行に移して、全力を尽くすよう指示がありました。
 私の所掌である医療分野の研究開発・産業促進・国際展開については、日本医療研究開発機構(AMED)を中心に、認知症発症や進行の仕組みの解明、予防法、診断法、治療法、リハビリテーション、介護モデル等の研究開発など、様々な病態やステージを対象に研究開発を推進してまいります。また、新たに認知症発症前の人が治験に容易に参加できるコホートを構築していきたいと思います。
 今後とも、関係省庁連携のもと、ゴールを見据えた研究開発を進め、研究成果の産業化や諸外国への展開を進めていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)統合戦略2019、ほぼ固まったということで、来年度の予算編成というのが本格的に各省で行われるというふうに思うんですが、内容的には統一的に統合的に推進されると思うんですけれども、例の3,000億円を3年間で9,000億円を積み上げるという予算の規模の件なんですけれども、過去2年間、単純に3,000億円まで行かずに積み上げが残ってしまっている部分を含めて、来年度で9,000億円を達成しなければいけないんですが、その辺の秘策というのは大臣の中に、イノベーション転換以外に何かあれば。
(答)これからです。秘策というからには口にできないということでございます。しかし、一生懸命、これからだと思っています。これはいよいよ国会もあと約1週間というような状況の中で、私自身も参議院選挙の日程で相当時間は取られるんですけど、さりとて非常に重要なご指摘だと思っていて、まずは予算の確保に向けて動きたいと、そのように思っています。
(問)前年度と今年度に関していえば、イノベーション転換、いろいろ議論はあると思うんですが、どちらかというと、ポジティブに考えると出口志向というか、イノベーションの成果を社会実装するためのブースターかなという理解があるんですけども、今年の科学技術白書でも改めて基礎研究の重要性というのが強調されているので、できれば真水で研究者にどれだけの予算が配分されるかって、若手も含めてというのが多分重要になるかなと思うんですけれども、なかなかこの2年間を見ると、予算の増やし方がちょっと偏っているかなと思うんですけれども、その辺は秘策で言えないかもしれませんが。
(答)予算に関してはただ頑張るしかないと。あとは、公共調達をもう少し工夫したいというふうに思いますね。
 というのも、科学技術やイノベーションを進めるための調達というような考え方には、余りなっていなかったと思うんですよね。そういう分野というのは結構あると。そこもやりたいと思いますし、おっしゃるとおり、真水で取らないでそっちばかり行くと、ごまかしと言われてもおかしくないので、取れるように頑張ります。これはそのまま私の評価につながる話ですので、頑張りたいと思います。
(問)冒頭の、お話がありました錦鯉についてなんですけれども、自民党内で議連なども立ち上がって、錦鯉を国の魚、国魚に位置付けるよう、何か働き掛けも行っているのかなというふうに党の方では思うんですけれども、この大臣自身のお考えと、あと、錦鯉はクールジャパンのツールとして今後、輸出拡大や錦鯉文化の振興を図るためには、何か個人的な思いとか、お考えあればお聞かせください。
(答)国の何とかというようなものについて、私は余り制度自身はよく知っているわけではありませんが、それはそれでこれから研究をなさるんだというふうに思います。
 この間2億円で買われた錦鯉がもうお亡くなりになったという話を聞きまして、生き物だから怖いなというふうに思ったんですが、それでも1匹ある程度のサイズだと100万円、1,000万円クラスの錦鯉はたくさんあるということで、そういう価値を認めるマーケットが存在することも事実です。
 それと、今回養鯉場の皆さん方と議論をしたり話を聞いていると、気の遠くなるようなことをやっていると。孵化をさせて、そしてそれを選別する作業というのは、もう本当に大変な作業で、なおかつ育てる過程において、夏場は大きな池に10匹ぐらいしか、放牧みたいなものですね、牛でいうと。その池の環境がすばらしい中で、何百匹もいるのかと思ったら、多くても25匹ぐらいがゆったりと泳いでいるわけです。また、それを池の水を抜いて下に下げると。
 この一連の生産の過程というものがクールジャパンだと。単に輸出を伸ばすというよりも、そういうことをやっている人たちがすばらしいというか、日本ならではだと思いました。
 日本のその自然環境を大切にする皆さん、特に、あそこは雪解けのすばらしい水がある。それと、ある意味では技術ですね。要するに、繁殖をさせていくというか、そういうことに対する今までの経験値による技術。それと、あの色を出していく職人技、いろいろなものの合体だと思います。
 ですから、単純にはこれは誰も真似することができないものだというふうに思うんですが、小千谷市には毎年海外からたくさん人が来るらしいんですけど、考えてみると泊まるところも余りなく、その外国人がたくさん来ることを想定してあそこを作ったわけではないと。
 一方で、震災から復興してあれだけ多くの方々が頑張っているということを、大変心強く思いました。
 ですから、引き続きあのエリア一帯のクールジャパンということで、単に鯉を輸出をするということにとどまらず、ちょっと支援を考えていきたいと思います。
(問)スペースデブリについてお伺いしたいんですけれども、昨日、自民党から総理大臣の方に提言が出されて、G20でもアピールするようにというふうな要望があったと思うんですけれども、具体的にG20のどのような場で、先日、平井大臣からブースを設けるという話があったと思うんですが、どのような形でアピールするのかということと、スペースデブリに関して何を言うのかという点について、教えていただけますか。
(答)スペースデブリの除去に関して、その必要性、そして、日本の取組を海外の方々に知っていただくためのVTRを、この間撮影しました。日本語と英語と両方で。それを当日、現地の会場で使おうというふうに思っています。そして、日本の取組の分かりやすい展示を、G20の大阪の会場でやらせていただこうというふうに考えています。
 党の提言については、もう既に私自身も内容を存じ上げておりますし、党の提言も受けての今回の展示ということにもなろうかと思います。
 いずれにせよ、まずは日本の取組について知ってもらうということに重点を置いて今回やらせていただこうと、そのように考えています。

(以上)