平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 令和元年5月24日

(令和元年5月24日(金) 9:22~9:34  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 私からは、ムーンショット型研究開発制度についての報告です。
 私自身、昨日、参議院の内閣委員会で遅れて参加をさせていただくということだったんですが、ムーンショットというのは、大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発の推進ということで、昨日、第3回ビジョナリー会議を開催しました。5月連休中にアメリカと欧州を訪問した際の、私の科学技術外交の結果の報告と、新たに3名の海外サポーターを委嘱して、本制度に対する提言等をいただき、それら内容も踏まえて、今後の制度設計における留意点等についての議論を行いました。
 また、具体的な目標の策定に向けて、一般の方々からは、約1,800件ものご提案もいただいています。それら提案内容を踏まえて、事務局において検討素材を準備して、具体的な目標内容に関し、踏み込んだ議論を行っていただきました。
 事務局が示した21の検討素材に対し、ビジョナリー委員の方々からは、特に、目標内容の粒度感について、ムーンショットと言うからには、スローガンではなくて、目指すべき目標達成の姿が国民に明確にイメージできることが必要であるといった意見があった一方で、ディスラプティブなイノベーションを生み出すには、あまり具体的にせず、多様な研究ができるようにすべきではないか、いくつかの粒度の違うものが並べられていても構わないのではないか、など様々な意見が寄せられたところです。
 また、具体的な目標内容に関しても、国民の関心の高い環境・資源・エネルギー問題の解決や健康・長寿の実現につながるもの、災害対応に関するもの、科学における発見そのものをAIで自動化する、など多様な提言がありました。
 いずれにせよ、今回お示しした21の検討素材をビジョナリーに策定いただく目標のたたき台とするには、未だビジョナリーの皆さんの考え方とのギャップが大きいことから、今後は、ビジョナリー間での議論を集約するため、まずは幾人かのビジョナリーの方々に目標の原案を作っていただき、さらに議論を深めるというふうにしようと考えています。
 私としては、こうした試行錯誤を繰り返す議論のプロセスこそが重要であり、拙速に結論を導く必要はないと考えていますが、今回、米国やEUを訪問して感じていることは、日本は、必ず何かやるだろうということ、そして、日本であれば、一緒にやりたいという期待感が伝わってきたことも踏まえて、そのような期待を逃さないように、可能であれば夏頃の決定を目指して議論を加速化していきたいというふうに考えています。
 そういうことで、マスコミの皆さんにもフルオープンでビジョナリーをやっておりますが、皆さんどのように受け止められたか、それはそれぞれだと思いますが、ただ、このような形で目標を決めるというようなことは今までやったことがないので、多少我々も戸惑うところはありながら、やっぱりチャレンジングだなという思いもあります。ですから、これからが正に重要なプロセスに入るのではないかと、そのように思っています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、大臣が出られた内閣委員会で、デジタル手続法案が採決されて、いよいよ成立される見通しなんですけども、デジタル化するときに、単にデジタル化するんじゃなくて業務そのものを見直さないと、デジタル化の恩恵そのものがないんじゃないかと思うんですが、大臣としては国の仕事のやり方をどういうふうに変えていくのか、具体的に何かアイデアがあったら教えてください。
(答)これは要するに徹底的にサービス志向で業務を見直すということだと思います。デジタル化は飽くまでもツールであって、基本的にはいかに人に優しく、しかも効率的で、そして制度変更に強く、次の世代の皆さんにとっても便利なものの基盤をつくるということだと思います。
 このユーザーエクスペリエンスというか、ユーザーの気持ちになって今日本のe-Govとか地方自治体の行政手続の窓口に、私自身もいろいろやってみると、これじゃ途中で離脱するなというものも非常に多い。できればいいだろうという甘えがあったんだと思います。そこは使ってもらえなければ意味がないという発想で、これからやっていきたいというふうに思います。
 でもその中で、デジタル化をすることが非常にプラスになるのは間違いないので、そういう意味で、この法案がこの後の参議院の本会議で可決をすれば本当に成立するということになるんですが、次の時代の基盤をつくる第一歩になればいいなと、そんなふうに思います。
(問)昨日のムーンショットの検討の件なんですけれども、まず確認なんですけども、事務局が出された検討素材というのは、これからのですね、原案のたたき台にもならないという理解でよろしいんですか。全く新たに文言も、内容も含めて、原案というのが全く違う形で出てくるという理解でよろしいんですか。
(答)あれはたたき台のたたき台って感じですかね。
(問)ということは、あそこの要素はいろいろな形で反映されると。
(答)結構いろいろなものを網羅してるので、目標の設定の仕方にもよると思うんですが、必ず何らかの形で入ってくるだろうというふうに思ってるし、実際、目標を掲げて、それぞれのPMみたいなものを設置するときには、当然日本の得意分野とか、そういうところに関連していくんではないだろうかと、という意味では、あれはあれで全体として方向、これだと決め手はありませんが、素材としては活かされるというふうに考えてます。
(問)それから拙速に物事は決めなくてという、ただし、スケジュール感を持ってというお話をされたと思うんですけれども、いわゆる小林座長が取りまとめるとされる目標原案については、いつ頃大臣の手元に届くというふうな理解をしますか。
(答)先程、夏頃というような話をさせていただきましたが、海外のアドバイザーの方々のアドバイスも見ていただいたら分かるように、やはりプロセスが非常に重要で、確立されたメソッドはないんですね、このムーンショットを決めるという意味で。
 そういう意味で、海外の皆さんのいろいろアドバイスを受けて考えても、もう少し時間がかかるというふうに思ってます。
 今、具体的には、次回のビジョナリーの開催日程については決めていませんが、暑くなるまでには何とか。
(問)それは最終目標だと思うんですけども、その前に原案をもう少し揉むプロセスというのが大切だということになれば、例えば梅雨に入ってしまったらばどうなのかな、梅雨の終わりぐらいかなとか、最終決定との間の時間をちゃんととらなきゃいけないのかなという理解なんですけど。
(答)それは、いい線じゃないですかね、その辺りが。そんな感じのような気もします。
 だからここら辺りも、何せビジョナリーの皆さんも日程を合わせるだけで大変なんですね。ですから、個別でお話を伺うという事務局の作業もあると思いますし。梅雨明け、梅雨ぐらいですかね。
(問)梅雨、ということは来月ぐらいということですね。
(答)それで決定というんではなくて。
(問)原案をということですね。
(答)私も早く知りたいんで、原案を見たいので、できるだけ原案ぽいものを早くというふうにお願いはしてます。

(以上)