平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成31年4月5日

(平成31年4月5日(金) 10:02~10:15  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 それでは私の方から、まず、今日はその関係資料をお手元にお配りしているのかなというふうに思いますが、政府予算における「研究力の分析に資するデータ標準化の推進に関するガイドライン」が取りまとめられました。お手元の配布資料のとおり、本日公表ということになります。
 我が国の研究力の底上げを図っていく上で、研究資金をどのようにファンディングしていくかということが研究力向上に資するのか、を明らかにするエビデンスシステムを構築することが非常に重要だと考えます。
 こうした中、平成30年度より主要な国立大学、研究開発法人、研究資金配分機関等をメンバーとするコンソーシアムを立ち上げて、具体的にどのようなデータを収集すべきかについて検討を行ってまいりました。
 具体的には、国立大学等の研究機関における研究活動費の執行データをインプットとして収集して、論文や特許等のアウトプット情報と研究者単位で紐づけることとする方針等が決まりました。
 担当大臣として、引き続き、各法人を所管する関係省庁との緊密な連携の下、非常に重要なデータベースですので、構築に努めてまいりたいというふうに思います。
 関係して、これは割と大部な資料になっていると思いますが、またご覧いただければと思います。いよいよスタートするということです。
 もう一つは、「はやぶさ2」のクレーター形成実験です。
 宇宙政策担当大臣としては大変期待をしているわけでございますが、「はやぶさ2」は、前回のタッチダウンに続くチャレンジとして、小惑星「リュウグウ」に人工クレーターを形成するため、現在降下中ということです。
 順調に行けば、間もなく衝突装置を「リュウグウ」へ衝突させる予定と聞いています。
 小惑星に人工クレーターを形成することは、世界初の試みであって、難しい挑戦になると思います。今回の取組に引き続き、5月以降に予定されている人工クレーターへのタッチダウン、サンプル採取まで、一連の探査活動が無事成功することを期待するばかりでございます。
 衝突装置の分離が11時13分、クレーター形成が11時53分、14時半からJAXAの記者会見の予定でございます。
 「はやぶさ2」は、これまでの初期観測の結果、「リュウグウ」に水の存在を確認するなど、すばらしい成果を上げていますが、今後の一連の活動を成功させて、太陽系の進化過程や生命の起源の解明が進むとともに、多くの国民、特に青少年にもっと宇宙について関心をもっていただき、将来宇宙分野で活躍する人材が一層増えることを願っています。「はやぶさ2」の挑戦に、私自身も本当に大変な期待をしているところでございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幾つか教えてほしいんですけど、まず、昨日のCSTIの会合で、COCNから第6期についての提言があったんですけども、大臣としては今後第6期、作っていく上でどのようなことを期待したいのか、そこら辺をまず教えてください。
(答)現行の第5期科学技術基本計画では、Society5.0という世界に誇れる将来像を出してきたと思います。一方、近年、世界では、破壊的イノベーションの急速な進展や先端技術を巡る覇権争いの熾烈化等、根本的なゲームチェンジが今、起こっています。
 そして、多くの方々から我が国の研究力が、相対的に低下しているんじゃないかという指摘もあります。
 次期科学技術基本計画というのは2021年から2025年ということになると思うんですが、少子高齢化やSDGs、国内外の課題を、科学技術イノベーションの力によっていかに乗り越えて、世界に貢献していけるか、その具体的な戦略を、将来の基本計画の枠にとらわれず、かつ、産業界・学術界も一体となって、大胆な発想で検討していくべきだというふうに考えています。
 一方で、その2016年から2020年までの第5期ですね。これはSociety5.0といったものの、どれだけの人がその具体像をイメージできるかと、これもまだ最後のところは残っているなというふうに思いますので、これはこれで走りながら新たにその第6期ということになるのではないでしょうか。
(問)もう一つ、今回のデータ標準化のことなんですけども、これ全部読んだんですけども、論文などの統計データについて、内閣府が一元的に情報収集し、分析に資する情報に加工して、各機関に提供するというふうになっているんですけども、ただ、そのデータが各機関で検証を再現できなかったとしたら、そのデータを例えば加工した内閣府が恣意的にやっているかもしれないという疑いを持たれる可能性があると思うんですよね。
(答)要するに、データを提供する機関と、我々は情報共有を基本的にするので。
(問)基本的に情報共有をする。
(答)するので、関係者のみですよ。オープンデータではないけど。データを出す側とデータを集める側との情報共有はするので、そういうことはないと思います。
(問)なるほど。つまり、各機関においても内閣府の出してきたデータを再現、検証できるようなことにすると。
(答)データは出したものの勝手に加工されて、いいように使われるということは当然ない。そこは信頼関係で、データのプラットフォームを作っていこうというふうに思っています。
(問)もう一つは、何年分のデータを当面やっていくのか。つまり、これは例えばトップ10%論文とかの指標も出ているんですけれども、トップ10%論文が出るのに例えば十数年前に研究費が配分をされて、10年くらい前に例えば論文が出て、最近トップ論文になるという、そういうタイムスケジュールで動いているものを、何年ぐらいのデータをもって、これは評価してやっていくのか。そこら辺ちょっとこれだと何か1、2年とか、例えば5年くらいかなみたいな感じ。
(答)データを集めるのがこの夏、要するに、2、3か月で集めようとしているわけです。その集めるデータの範囲は、事務方に後程確認してください。
(問)リニアコライダーについて伺います。
 2日前のリニアコライダーの推進議連で、大臣からこのILCプロジェクトについて、ムーンショットでやるのはどうかというお話があったという発言が紹介されていますが、まず、この発言について、ちょっと事実関係をお願いします。
(答)確か私はお会いしました。来ていただいて、ムーンショットは話題にはなりましたけど、ご指摘のような事実はありません。
 今、ビジョナリー会議でムーンショットの検討ということですが、そのILCがムーンショットなのかどうかというのは、逆に私が議連の皆さんにお聞きしたと思います。
 要するに、そのILCのプロジェクトの目指すところは、ムーンショットというものになるんですかねということを聞いたというふうな記憶はあるんですが、そのときに議連の皆さんはムーンショットに関してはあまりご存じじゃなかったので、それからムーンショットに関してお調べになっているのかも分かりません。
(問)ただ、やっぱり今、正に目標を作って先行している中で、さももう結論が決まっているかのような、こういった発言が紹介されているというのは、ある意味誤解を与えるようなことではないかと思うんですが、このご紹介について、今後何か訂正を求めるとか、何かそういうアクションというのはなさるおつもりはあるんでしょうか。
(答)いや、ムーンショットの中身をちゃんと見ていただければ、このILCがムーンショットにするには相当ハードルが高いだろうということは誰もがお分かりになることだと思いますし、私自身もムーンショットでやったらどうかというふうには言っていませんので、ここはもう間違いなく議連の方と確認を私の方でしたいと思います。誤解があれば、誤解がないようにしたいと思います。
(問)昨日の決算委員会でもご登場された塚田副大臣なんですけど、辞任へという報道が一部で出ておるんですけれども、内閣の一員として、大臣のご所見を伺えればと思います。
(答)事実関係がよく分からないんですが、昨日の決算委員会で私もそこにおりました。総理が答弁したとおりだと思います。
 我々政府にいる者は、緊張感を持って取り組む仕事に臨むべきだと、そのように思います。
 出処進退の事については、コメントを差し控えたいと思います。

(以上)