平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成31年4月2日

(平成31年4月2日(火) 9:22~9:35  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 今日は、まず科学技術政策担当大臣として、ムーンショット型研究開発制度についての報告です。
 3月29日、第1回ビジョナリー会議を開催して、野心的な目標(ムーンショット目標)ですね、の設定に向けた議論をキックオフしました。
 皆様方にもご出席、また報道していただいておりますが、第1回会合では、まず、グローバルに展望した未来社会の姿から、バックキャストして目標を設定する際の考慮すべき視点等に関し、ビジョナリーから意見を伺いました。
 具体的なご意見としては、科学技術に対する国民の夢、若者のロマンを喚起するようなストーリー性が重要であること、国民に分かりやすくターゲットを明確にしていくこと、世界中の研究者やアントレプレナーを日本に集められるような目標にする必要があること、環境・社会・人類の持続可能性こそがムーンショットの本質的な部分ではないかなどのご意見をいただきました。
 「多くの人々を魅了するような野心的な目標」を設定するに当たり、どのような視点を重視すべきか等に関し、さらにアカデミアや産業界関係者からも意見を聴取し、夏頃を目途に目標設定を目指してまいります。
 1回目の会議としては、非常に各委員の皆さん、自由にご意見を頂けたのではないかなと思います。ただ、具体的なプランというものは、これから議題に上がってくる段階で果たしてどうなるかということだと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)元号については多分誰かが聞くと思うのでそれは置いといて、先週金曜日、研究データリポジトリ整備運用ガイドラインというのがまとまったんですけども、これを考えるとき、今、電子ジャーナルの高騰が、国立大学とか研究所の経営を圧迫しているんですけども、これに対して大臣どのように取り組むのか教えてください。
(答)それ、エルゼビアとかサイエンスとかネイチャー。もうこの問題に関しては、私も存じておりますし問題意識を持っているんですが、現在、基本的には文部科学省で具体的に検討を始めているというふうに思います。
 内閣府としてやっていることは、客観的根拠に基づく政策の企画立案、評価、政策への反映等を進めるため、エビデンスシステムの構築を今やっています。現時点では、科学技術関係予算の見える化、国立大学等の研究力の分析、大学等の外部資金獲得に関わる分析、大学等の人材育成の分析、地域における大学等のグランドデザイン等の機能の設定などであります。
 ご指摘になられた点に関しては、文部科学省で実態把握を含め、学術誌の費用負担に関する取組やオープンアクセス・ジャーナルに対する政策的な検討を、欧州の動向等も踏まえながら総合的に実施すると聞いています。
 CSTIの有識者会合においても、電子ジャーナルは投稿、閲覧、分析の各段階で費用が必要と、各機関がそれぞれ負担している状況にあったため、国としてこの対応を検討すべきではないかといったご意見がありました。内閣府としても重要な課題であると認識しておりまして、まずは文部科学省における検討状況を注視してこちらも取り組みたいと考えております。
(問)もう一つなんですけども、先程のムーンショットの会議なんですけど、あれ聞いていると、目標設定というよりも課題設定の方に何か意見が多かったような気がするんですけども、大臣、どのようにお感じになられましたか。
(答)やっぱり明確な目標を設定するということで、単なる課題設定では駄目だというふうな意見も随分出てました。非常に委員の先生方もそれぞれ柔らかい感じでご発言いただいたんですが、私として懇談をするときには、皆さんはもっと厳しくいろんなご意見も開陳していただけるので、若いお二人の先生方が前回出席することができなかったんですが、次回はフルメンバー揃っていただいて、さらに活発な議論ができればと思っています。
(問)新元号に関して2点ほどお願いいたします。まず1点目が、今回は日本の古典、国書から典拠として選ばれたということで、その感想をお聞きしたいのと、あとはもう一点、あと1か月ほど新元号の施行までございますけれども、どのような姿勢でご自身の担務に取り組んでいかれたいか、その2点を改めてお聞かせください。
(答)正直申し上げて、私はあんまり元号の由来等々については詳しくありません、所管しているわけではないので。ただ、今回は国書、それも多くの国民が勉強なさったというか意識の中にある「万葉集」から今回引用したというようなことに関して言えば、非常によかったのではないかなというふうに思います。個人的には、大変きれいな元号ではないかというふうに思います。
 人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められているというようなことで、クールジャパン担当大臣としても、この「令和」の「和」、正にクールジャパンな元号ではないかなと個人的に思います。
 あと、元号に関して言うと、やっぱりシステム改修が一部必要なものがあるということと、さりとて、今日は元号に関する取扱いについて、官房長官発言で閣議でも説明がありましたけれども、やはり「平成」となっているもので変えられないものも幾つかあると思います。
 改元日前までに作成した文書においては、改元日以降、「平成」の表示が残っていても有効だと。改元日以降に作成する文書には「令和」を用いると。やむを得ず「平成」の表示が残る場合でも有効だけど、混乱を避けるためには、やっぱり訂正すべきだと。元号を改める政令の公布日から施行日前までに作成し公にする文章は「平成」を用いるということ。法令については、「平成」を用いて、改元日以降の年を表示していても有効であり、原則、改元のみを理由とする改正は行わない。国の予算における会計年度の名称については、原則、改元日以降は「令和元年」とすることを今日申し合わせました。これは、各府省が連携して情報システムの改修はやるんですが、所管の法人とか地方公共団体、所管の業界等に情報提供を行って新元号への円滑な移行に向けて対策に万全を期していきたいということで、官房長官の方から各閣僚に協力要請がありました。
(問)引き続き元号関連ですが、大臣ご自身も昨日は日中、歴史的な全閣僚会議があり閣議に臨まれたわけですけど、そのときに感じたことであったり様子であったり、可能な範囲でお伺いできたらと思います。
(答)ですから、歴史的な改元ということの決定のプロセスに立ち会うことができたということは大変名誉なことであり、閣僚としての責任の重さというものを痛感しました。
 あとは、この新しい元号が広く国民に親しまれて、社会の中で認知されていくことを願うばかりでございます。
(問)元号関係でちょっと確認なんですけど、さっき大臣が、「令和」の「和」はクールジャパンな意味だという趣旨のことをおっしゃったのは。
(答)要するに、「万葉集」というものから引用して元号を作るということ自体、日本の歴史の中で育まれてきたいろいろな歌集ですよね。これ、1200年余り前に編さんされたものから、要するに新しい元号が出てくるということ、これは正に、我々が今クールジャパンで海外の方々とも議論しているけど、日本という国は、今あるいろいろな新しいものも過去の歴史から紡いできたものが多いと、そのことの価値が正にクールジャパンだという意味で申し上げました。
 以上です。

(以上)