平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成31年3月22日

(平成31年3月22日(金) 9:23~9:34  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨

 
 おはようございます。
 まずはIT政策担当として、今日の午後、一般社団法人シェアリングエコノミー協会が、自治体と事業者のマッチングイベントを開催します。
 以前この会場でも申し上げましたが、シェアリングエコノミーの活用ということを考えた場合、ちょうど開催まで500日を切ったオリンピック・パラリンピックの機会を徹底的に活かすというのは正しい。今までのオリンピックをホストした都市は同じようにしていました。
 今回のイベントは、こうした私の呼びかけに呼応して、大会の競技会場のある渋谷区での連携プロジェクトについて発表があるということになります。これはシェアリングエコノミー協会と渋谷区観光協会の連携協定ということで今日発表になると聞いております。
 大会の前後に来訪客が急増することは、他の地域も変わりません。同様の取組みが各地に広がっていくように私もイベントに参加して、自治体は東京都以外の方にも来ていただきますので、シェアリングエコノミーの意義を訴えたいというふうに思います。
 ちょうど今日、政府でも先日の先進活用事例を集めた「シェア・ニッポン100」をバージョンアップして公表しました。こうした動きも相まって地域での普及が加速化していくことを期待しています。
 場所はNagatacho GRID、ここから歩いて近い所でございますので、是非行っていただきたいし、イベントに先立ってプレス限定のセッションも開催する予定でございます。
 詳細については、内閣官房IT室にお問合せをいただければというふうに思います。これは非常に面白いイベントだと思っています。
 もう一つ、IT政策担当、宇宙政策担当、科学技術政策担当大臣として報告します。
 明日、愛知県を訪問して名古屋港、三菱重工業株式会社飛島工場、株式会社豊田中央研究所、名古屋大学等を視察するとともに、「HIRAI Pitch in名古屋」を開催します。
 まず、名古屋港では飛島ふ頭において、我が国唯一の自動化コンテナターミナルを視察します。1月のシンガポール港に続きIT化に取り組む国内の先進港湾も視察することで、港湾の生産性の向上を図るサイバーポートの取組を加速したいというふうに思います。
 この名古屋港においては、シンガポールにも負けていない点が非常に多い、これは我々が誇れる一つの事例だと思うんですが、ただ、全く横展開できてなく、ここで閉じていますので、取材をしていただくと有り難いなと、そのようにも思います。
 次に、三菱重工飛島工場では、我が国の基幹ロケットの製造現場を視察する予定です。世界トップレベルの技術水準を誇るH-IIA/Bロケット、国際競争力の強化に向けて現在開発中のH3ロケットの製造設備の視察を通じて、我が国の技術力を確認したいと思います。
 さらに、豊田中央研究所を訪問し、企業における基礎研究現場を視察します。
 併せて、名古屋大学を訪問して、未来材料・システム研究所(IMaSS)や、これPitchにも来ていただいたんですが、トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITBM)、この二つを視察して基礎研究から出口戦略に関する意見交換をやりたいと思います。
 また、「HIRAI Pitch in名古屋」を開催して、東海地区の大学の技術等を活用して事業を展開しているスタートアップやその支援者らとエコシステムに関する意見を交わし、スタートアップエコシステムの拠点形成、そういう意味では、名古屋は拠点になり得ると我々考えておりまして、今回もスタートアップ10社程度は来ていただけるし、その他VCとか関係者の方々、全体で二、三十人のPitchになるかなというふうに思っております。
 次に、宇宙政策担当大臣として、来週の月曜日3月25日に日本橋ホールにて「S-NET(エスネット)宇宙利用シンポジウム」を開催します。
 S-NET(スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク)は、「宇宙」をキーワードに新産業・サービス創出に関心を持つ企業・個人・団体等が集うネットワーキングの「場」として、3年前の2016年3月に創設されたものであります。
 「夢や憧れ」でこそあれ、「日々の生活はどこか違うもの」であった「宇宙」が、デジタル化によって「データ」を介する形で国民生活と密接不可分になったことが感じられるような様々な先進事例を紹介していただこうと思っています。私自身も、シンポジウムの冒頭において挨拶する予定であります。
 宇宙を身近に感じて宇宙データの活用がもたらす様々な可能性に関する気付きが得られる場になると期待しておりますので、是非これはまた取材もしていただいて、国民の皆さんにその可能性をお伝えいただきたいと思います。
 その後は、「アクセルスペース」と「アストロスケール」という二つの宇宙関連のスタートアップを視察し、意見交換をする予定です。これも完全に取材オーケーとなっていますので、よろしければ同行いただければと思います。
 「アクセルスペース」が日本橋で、「アストロスケール」が錦糸町です。それぞれ14時50分、16時10分ということでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)二つお聞きしたいんですけども、一つ目は、ベンチャーの支援策について今お話も出たんですけども、今、数多くのVCとか政府の支援策があるんですけども、研究開発系の立ち上げ期の研究資金とか、あるいはある程度育ったときにジャンプアップするような大規模な資金、そこら辺については全然足りていないという声が大きいんですけども、今後、政府としてどのように取り組むのか、まず教えてください。
(答)HIRAI Pitchでも、そこの分野に関しては重点的にヒアリングした部分でもあり、今度の政策ペーパーの中には具体的な提案を書き込もうというふうに思っておりますが、今は詳細が、今はちょっと言えないので、月末までお待ちください。
 ギャップファンド、これ、ギャップというのはファンドだけじゃなくて人材であったりそういうものも含めて、恐らく日本のスタートアップエコシステムをもっと動かすためには、そのギャップを埋めるというのが喫緊の課題だと思っていまして、その中にさっき言った立ち上げ期とか、その後での資金の調達というのは重要なポイントだと思っています。もうすぐ月末でございますので。
(問)もう一つなんですけども、今度全く話変わるんですけど、先日のCSTIの有識者会合でEBPM(Evidence Based Policy Making)の話が出ているんですけれども、ただ、これはいろんな内容を見ていると、分かりやすい指標がかなり使われていて、ただ、分かりやすい指標ばかりだと、本当の意味の競争力を下げるんじゃないか。例えばトップ10%論文という指標はあるんですけども、トップ10%論文はもう既に注目を集めている分野で、それが起こるような兆しというかそういうものを見る指標にはなっていないと思うんですけども、そこら辺について、これからエビデンスシステムをどういうふうにしていくのか、大臣のお考えを教えてください。
(答)それも我々ちょっと取り組んでおりまして、エビデンスベースの考え方で、客観的根拠に基づく政策の企画立案、評価、政策への反映等を可能にするものということなんですが、国立大学等の研究力の分析をも可能とするものとした提案として行っていると認識しています。
 トップ10%論文のような、既に注目が集まっている論文等の情報のみに基づいて判断しないように、研究力の分析をやっています。具体的には、論文の被引用数全体を捕捉できるものにすること。英語論文として公表されていない日本語論文を対象とすること。大学等研究室における学士・修士論文についても可能な限り捕捉するなどの工夫を加えています。
 分かりやすい指標だけで我が国の研究力分析を行うということだと、これは間違った政策的示唆を提示するようなシステムになってしまう可能性があるので、そこは細かくやっていきたいと思います。
 結構日本語の論文が多いというのも私びっくりしまして、そういう意味では、英語になる前のものにも注目をしていきたいと、そんなふうに思います。

(以上)