平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成31年2月19日

(平成31年2月19日(火) 9:17~9:34  於:官邸3階エントランスホール)

1.発言要旨

 
 おはようございます。私からは2点。
 まず一つは、「第3回クールジャパン・マッチングフォーラム」についてです。
 今日から、私が共同会長を務めます「クールジャパン官民連携プラットフォーム」主催の「第3回クールジャパン・マッチングフォーラム」を開催します。
 本日は、昨年9月より募集してきた、クールジャパンに関する業種を越えた連携の取組の中からグランプリなどを発表する表彰式と商談会を開催することになっています。
 商談会の「マッチングメッセ」では、コンテンツや食など様々な業界から集まった14の企業や団体が出展しておりまして、これらの出展者と来場者による商談が予定されています。
 「マッチングアワード」の表彰式では、私からグランプリを表彰する予定です。また、メディアアーティストの落合陽一氏より基調講演を頂く予定になっています。
 このフォーラムは、完全なプレスフルオープンですので、是非お越しいただければと思います。
 詳細は、知財事務局までお問い合わせください。
 次に、科学技術政策担当大臣としての報告です。
 お手元にお配りしたパンフレット、これありますよね。パンフレットのとおり、明日20日から2日間にわたり、「SIPのシンポジウム2018」を東京ドームシティホール、プリズムホールにおいて開催します。
 本シンポジウムでは、ロボット工学者の金出武雄教授の基調講演をはじめ本年度で終了する「SIP第1期」の成果や、本年度からスタートした「SIP第2期」の内容について、展示会、専門分科会、パネル・ディスカッション等を通じて一般の方々にも分かりやすく紹介したいと思っています。
 本年度はSIPの節目の時期ですので、21日の大型展示会では、これまでになく充実したものになるよう工夫を凝らしております。具体的には、無人トラクター、無人田植機、自律型無人潜水艦、自動走行に必要なマップの作成のための自動車等、可能な限り実際の成果物を多数展示してSIPの成果が実感できるようにしております。
 国会の状況によりますが、私も20日の開会式では主催者を代表して挨拶する予定です。是非これは取材を頂いた方がいいなというふうに思いますので、お願いをいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先日のデジタル・ガバメント閣僚会議で決まった調達の見直しについてお聞きしたいんですけども、今の政府の慣行だと、官報公示後には業者と接触しちゃいけないとか、でも、そういうことをやっていると、具体的にいろんな細かい詰めとか、何ができて何ができないのか、そういうことがなかなか伝わらずに、結局、非効率的な調達になっちゃっているかと思うんですけども、そういうふうな政府慣行の見直しとかについて大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)鋭いところに気がつきますね。要するに、この調達の見直しってなると、やっぱりそこを変えなきゃいけなくなるのは当然なので、予算・調達の一元化、一元的なプロジェクト管理の強化、これは一種の改革なんですね。それで、入札公告後に事業者と仕様書の内容について交渉をしている事実はほとんどないんですけど、いろんな質問対応等々、また新しい調達のやり方をやりますので、今回いろいろあると思います。
 仕様書の内容がやっぱり抽象的で分かりづらいというケースもあったりするので、その事業者と交渉を行う方が機動的、効率的、効果的な調達につながることもあると。
 来年度からの新たな調達・契約方法をやるということになりますので、試行的な実施ということにはなると思いますが、今それは全て見直そうということで作業にもう既に入っています。ですから、技術的な対話というタイミングをどこで持ってくるかということも、今回の調達改革の中には当然入れようと思っています。
(問)こういうのって事務レベルだとなかなか難しい部分、難しい障壁があるので、是非、大臣からばしっと各閣僚の方にも言っていただけるといいかなと。
(答)調達詳しいですね、でも。普通あんまりこのことは一般的に気がついていないところですけど、非常に重要なポイントなんですね、RFPを作る段階において。
(問)実は科学技術でも似たようなことがあって、研究装置を例えば買おうと思っても、本当に欲しいものじゃなくて安いものになってしまったりとか、そういう調達の問題が日本の研究力を下げているという部分もあるので。
(答)そっちからですか、分かりました。これはちゃんと技術的対話をする場を設けて、特に新しい考え方の調達をしようと思っているので、ここは時間が必要だと思います。
(問)宇宙政策についてお伺いします。今週金曜日22日に、イスラエルの民間企業が月着陸機を打ち上げます。日本はまだ月着陸機は遅れているんですけれども、月探査が国際的に盛り上がる中で、日本が遅れていく中で、日本がどう存在感を示していくのか、その月探査への方針についてどのように考えていらっしゃるのかお願いします。
(答)22日、ちょうど同じ頃に「はやぶさ2」がタッチダウンしたりする。要するに、それぞれ各国いろんな手順でやっているんだと思うんですが、別に日本も月を諦めているわけでも全くありません。
 イスラエルのこの民間団体スペースILですね、が月探査を目指して2月22日にその月着陸機「ベレシート」を打ち上げるという予定も知っています。しかし、こういうものに関しては、もう大分前になりますけど、月周回衛星の「かぐや」ですね。我々の月周回衛星によるデータは中国にもアメリカにも全てに役に立った実績はあるというふうに我々自負していますし、2021年になると思いますが、月探査に関しては「SLIM(スリム)」、小型月着陸実証機の打ち上げをやります。それと、国際宇宙探査の枠組みでは、月近傍の有人拠点であるGatewayへの参画、これはまだ検討段階ですけれども。あと、月極域の探査を行う月着陸探査について、今現在、国際調整をやっている最中です。また、宇宙資源開発ベンチャーの、皆さん御存じのispace社が2020年ですかね、これは恐らく。民間事業者としての月探査を計画しています。つまり、日本もいろいろあると。官民が相乗的に取り組んでいく必要があるし、それはやっているというふうに思います。
(問)イスラエルの民間企業は結構国が支援して、国家プロジェクトにまで上がっちゃって、民間発と言えるかどうかはまたあれなんですけれども、国としても民間に対してどのような支援を行っていきたいかというのをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)これ、今あらゆる形で国も支援をするということですけれども、やっぱりイスラエルとちょっと全ての考え方が違いますので、同じようにはできませんが、しかし、日本も宇宙開発に関しての予算はちゃんと確保しておりますし、民間事業者を支援するというか前に進んでいくようにあらゆる面から政策を推進していきたいとは考えています。
 ispace社も結構なお金を集めていますし、今度、堀江さんも何かHIRAI Pitchにどうしても来たいというようなことですし、恐らく宇宙の話だと思うんですけどね。民間の方々のやりたいことを邪魔をしないと言ったらちょっと語弊がありますけれども、前に進んでいけるような環境整備はやっていきたいというふうに思っています。
(問)AI関係で伺いたいんですけれども、AIの社会原則、先週、パブリックコメントが締切りになりまして、3月に向けて取りまとめが進められたと思いますけれども、前にもお考えを伺いましたが、EUなども作っているということで、G20などに向けて改めて国際的なそういったEUなどとの調整ですとか会合ですとかお考えなどあればお聞かせください。
(答)昨日もフランスのデジタル担当の副大臣がいろいろ日本でヒアリングして、私のところにも来られましたけど、関心事はG7やG20でAIに対して何らかの合意ができるかどうかという調査だったと思うんですよね。今ちょうどEUもパブコメの時期だと思うんです。で、我々はAIの基本原則として、「人間中心のAI社会原則」ですか、これはパブコメは14日まで実施し、本年度中に政府としてまとめる予定です。
 国際ルール作りは、国際的な協調が重要だというのは当然ですが、EUをはじめ各国や国際機関との会話も既に開始していますし、昨年11月、私も出席しました「AIに関する日独仏合同シンポジウム」においても、日本の基本的な考え方について発信してまいりました。
 G20というものも視野に入れつつ、担当大臣としては、是非入ってほしいとは思うんですけど、相手国もあることですが。ただ、日本とEUに関しては、結構同じ考え方の部分が多いなというふうに思っています。G20となると、なかなか全てをどこまで合意できるかというのは、私は今現時点で分かりません。議題に入る可能性はあるというふうに思います。
(問)先程、大臣が少し言及された「はやぶさ2」について、タッチダウンは決して簡単ではないというふうに言われていると思いますけれども、期待というかその辺りをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)「イトカワ」、「リュウグウ」って二つ。このタッチダウンによるサンプル採取というのは、これ日本の得意技というふうに言われているんですよね。非常に難しい挑戦だって聞いています。タッチダウンできる場所を探すのにちょっと時間が掛かったみたいなことですが、本当に我々にサンプルリターンの技術があるのかどうなのか、もしこれがうまくいけば太陽系の起源と進化、生命の原材料の探求に迫る成果へと繋がっていくというふうに思いますし、「はやぶさ2」が順調にいけば戻ってくるのもオリンピックの頃じゃないんですかね。無事に帰ってこいよという感じですね、これ。でも、このサンプルリターンというのは日本なりに技術はやっぱり持っていると私は思っています。
(問)先程のAI社会原則なんですけれども、アメリカをどう巻き込むのかというのが一つの重要なポイントかと思うんですけども、大臣としては、アメリカは基本的にはAIのELSIについては、ほとんど公式な文書を最近出していないんですけれども、アメリカを日米同盟ある中でどういうふうにAI ELSIというかAI社会原則みたいなものに巻き込むか、大臣としてどういうふうにお考えでしょうか。
(答)同盟国ですし、民主主義に基づく同じような国家として合意できたらいいな、ある程度合意できたらいいなと思うんですけど、その分野はあんまり今のところ分からないので、正直、分からないというのが本当のところです。ただ、これは結局アメリカ、EU、日本のこのトライアングル、要するに、パーソナルデータの扱いとか個人情報もそうなんですけど、何か最近そういうのも結構難しくなっているなと。そういう中で、是非、人間中心のというようなところは共に進められたらいいなというふうには思っています。

(以上)