平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成31年1月29日

(平成31年1月29日(火) 10:12~10:23  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 まず、科学技術関係予算の集計結果について概略を、お話させていただきたいと思います。平成31年度政府予算案における科学技術関係予算が取りまとまりました。今日公表ということで、関係省庁との連携の下、従来の研究開発事業の拡充等に努めてきた結果、昨年度の3兆8,401億円より10.4%増、平成7年の科学技術基本法制定以降で過去最大規模となる4兆2,377億円が計上されたというところでございます。増加要因としては、準天頂衛星とか、特に国土交通省とか、あと文教施設費とか、医療情報化支援基金等があります。担当大臣としては、引き続き関係省庁との緊密な連携の下、予算の早期成立に努めていきたいというふうに思います。
 なお、集計の詳細につきましては、後程、担当の方からブリーフィングする予定になってますんで、そのときに是非また聞いていただければと思います。
 2件目は、科学技術政策担当及び健康・医療戦略担当大臣として報告します。25日、26日にかけて、産総研四国センター及び高松市医師会館を訪問しました。
 産総研四国センター、これ、私の地元にあるんですが、今回初めて行きまして、いろいろすばらしいことをやってるなというふうに思いました。
 マラリアを調べるポータブルの機器であるとか、これはもう完成してましたし、地元の半導体関連の企業の技術、ナノピンセットを応用した高精度がん診断技術とか、ウミホタルの発光システムを利用して動物実験を行わずに化粧品や食品の毒性及び機能性を評価する技術とか、抗菌性歯科材料による高齢者の疾病予防・回復に関する医療機器の開発、これもいよいよもう世の中に出ていくということになりました。
 また、福祉・介護関連ヘルスケア産業の拠点として、香川大学と連携した歩行機能計測の取組、これも非常にいいなというふうに思いましたし、香川県と産総研の連携というのが年々強くなっていると。県からの予算も増えてますし、そういう意味では非常にいいなというふうに思いました。
 高松市医師会館では、「患者のレセプト情報を医師がオンラインで活用する実証プロジェクト」の進捗や取組の状況について、医師会・事業者等からヒアリングをしました。これは現場、その実証に参加されてる医療機関、そしてお医者様方から直接、様々な御意見を頂くことができて大変有意義でしたが、レセプトデータを診療の支援で使うということに関して、医師の皆様方が非常に積極的に対応していただいているし、非常にいいという評価を頂いてます。ただ、その分、更にこうしたいという要望も受けましたので、自治体と連携しながら、引き続きしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。
 この地域の健康・医療の取組というのは、いろいろなところであるんですが、なかなか横展開というか広がることができないと。私の方でまたいろいろなところを見ながら、横展開できたり連携したりできるものは、その地域を越えて、これからベストプラクティスを共有していく段階に入ったなというふうに思っています。
 3番目は宇宙政策担当大臣として、今日の午後、第4回準天頂衛星システム利活用促進タスクフォースを開催します。これはフルオープンですから、また是非見ていただきたいんですが、各府省から準天頂衛星の利活用に関する予算案の概要の説明と、三菱電機株式会社から利活用の事例を紹介いただく予定です。
 私も先日、つくばの日本自動車研究所の方に赴きまして、準天頂衛星「みちびき」のセンチメートル級の測位信号だけで走る自動車、自動運転の車に乗りまして、これはもう明らかに人間が運転するより正確に走れるということが分かって、感銘を受けました。
 この「みちびき」というのは、使い方によっては、本当に可能性はもう無限大にあるなというふうに思いましたので、あとはコストを下げていくというようなことが次のテーマになろうかと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)健康・医療関係でお聞きしたいんですけども、AMEDのCiCLE事業って政府の出資金でやってる事業があるかと思うんですけども、あれ、技術内容や事業性が評価されて採択されても、その後の契約のときに、担保がないと駄目だとか、そういう技術の革新性以外のところで審査されて、それで結局契約せずに終わるというベンチャーが多いんですけども、それについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。
(答)バイオベンチャーを育てようと考えたときに、ちょっとハードルが高過ぎるなというふうに思います。今のお話で、第1回公募、第2回公募の事前評価を行う中で、特にスタートアップ企業から、負担が大き過ぎるという意見も寄せられました。そこで、平成29年度分については、スタートアップ型のベンチャー企業を支援するViCLE枠を設けて、担保を委託費総額の10%分とする緩和措置を講じました。
 ただ、このCiCLE事業に関して言うと、ベンチャーキャピタルではないし、さりとて、AMEDとして補助金以外のスキームも必要だろうということで、試行錯誤しながら、いろいろやってるというふうに聞いています。そういう意味で、特に、ベンチャーが育たないというようなことを言われないように、そこはやっていきたいと考えます。
(問)科学技術関連予算についてお伺いいたします。第5期の科学技術基本計画に掲げる政府研究開発投資の対GDP1%の達成見込みについて、大臣の評価をお願いいたします。
(答)第5期科学技術基本計画において設定した対GDP1%、これは5年間の総額約26兆円ということですが、目指して取り組むことは極めて重要だというふうに思います。
 しかし、これ、非常にまだまだハードルは高くて、相当頑張んなきゃいけないというふうに思いますが、担当大臣としては、何としてでも、その方向でたどり着きたいというふうに思いますし、今回、先程お話ししたとおり、過去最大規模となる4兆2,377億円が計上されたということは、もしかしたら近づけるチャンスが来たなというふうに私自身は思っておりまして、最大限の努力をしていこうと思います。
 平成30年度第2次補正及び31年度の当初予算の早期成立と、今年度中に公共調達等における科学技術イノベーションの活用促進のためのガイドラインを策定しようというふうに考えておりまして、投資目標の達成に努めたいと思っています。
(問)大臣、冒頭で述べられてた香川での訪問の関係で、医師のレセプトの活用の話で、例えば活用への要望も出たということですけれども、例えばどんな要望が出たとか、若しくは、大臣自身として、もっと活用していくための課題はどの辺にあるとお考えでしょうか。
(答)今回、予算も限られていて、期間も限られていて、要するに国保のレセプトデータ、高松市が預かってるということなんですが、お医者さんの方からは、75歳以上、後期高齢者のデータを是非やってほしいと。こうなりますと、非常に範囲が広がりますし、特に高齢者の方々は自分の病状を自分の口ではなかなか説明できない。そして、過去の治療歴とかそういうものも曖昧だという中で、さらに高齢者の医療・治療に関しては役に立つということを各お医者さんがおっしゃりました。ですから、次、続けるのであれば後期高齢者に広げたいというふうに、今、検討を開始したところでございます。

(以上)