平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成31年1月8日

(平成31年1月8日(火) 10:32~10:46  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 皆さん、改めまして、明けましておめでとうございます。
 先程、初閣議がありまして、今年も力を合わせて頑張ろうというようなことで、皆さんと御挨拶をさせていただきました。
 総理も明日から海外出張されますし、私も今日から米国の方に出張します。そういうことで、まず私の方から、IT、科学技術、宇宙、クールジャパン担当大臣として、今日から15日まで、米国、マレーシア、シンガポールに出張します。
 米国におきましては、特にイノベーション、宇宙政策、科学技術、ムーンショット系の話も、Google Xを今回初めて、私も行かせていただくということで、意見交換と今後の連携の在り方を模索したいというふうに思います。
 そして、まず最初に米国からそういうことで、イノベーション、科学技術、宇宙系のミッションを終わらせまして、そのままマレーシアの方に移動します。1月12日のマレーシアにおいては、クールジャパン担当大臣として、「クールジャパン発信イベント」へ出席します。これは食や技術、現代アートなど、日本の様々な魅力をマレーシアの方々に伝えていくということでございまして、さらに、サイフディン国内取引・消費者大臣、モハマディン観光・芸術・文化大臣ともバイの会談をさせていただき、クールジャパン政策や知財分野の活用や観光促進について意見交換をしたいというふうに考えます。
 特に今回の出張では、米国において、Google Xを訪問して、もともとあそこのアステロ・テラー博士というのは、私が自民党IT戦略特命委員長のときにもお招きして、いろいろ話を聞いたんですが、我々が想像する以上のスケールで、思い切ったことをやる会社だなというイメージがあります。現場に行って、初めて見せていただくので、私も楽しみにしているところでございます。
 もう一つ、私の方からは科学技術政策担当大臣としての御報告ということで、沖縄における自動運転バスの実証実験の開始について、報告をさせていただきます。
 SIPの自動走行システムのプログラムでは、自動運転技術の適用領域として、重要な次世代都市交通に関する研究開発等を行っています。その研究開発に係る実証実験について、次世代交通システムに係る研究が既に行われておりまして、バス事業者等の連携を得やすかったこと等を背景に、沖縄県で2017年3月から、公共バスでの活用を視野に段階的に実施してまいりました。
 今般、その総仕上げとして、都市型の交通需要を踏まえた社会実装を目指して、多様な条件下でのバス停への正着制御、時速50kmの法定速度上限からの減速制御、準天頂衛星による高精度測位による車線維持制御等を、大型路線バスを使って、1日5万台以上の交通量の公道で、しかも往復18kmの距離を1日6往復するという、日本ではこれまでにない規模での実証実験を今日から、断続的ではありますが、約1か月半にわたり実施します。
 2月18日からは一般の方にも試乗していただきたいと考えており、1月18日から予約受付を開始します。是非皆様方にも取材をしていただきたいと思います。私もどこかのタイミングでは行きたいなと、今、スケジュールを調整させていただいているところです。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨年、国立大学の運営費交付金について新しいルールが発表されたかと思うんですけれども、その中で、より競争的に配分するということで、例えば、経営規模を大きくしないと、ダイナミックなお金の変化についていけないということで、例えば名古屋大学なんかは統合を進めていますけれども、例えば、大臣の地元である四国の国立大学の統合については、大臣、どのようにお考えでしょうか。
(答)その質問は四国の統合という話からいうと、そういう話は今、全くありません。
 それと、従来の各大学が定める評価指標(KPI)を精選した上で、評価の客観性確保の観点から共通指標を導入して、成果に係る客観・共通指標に基づく再配分を行うという話は、昨年、決めたとおりですが、この話と、直接この国立大学法人の統合とは、直接は関係していないんです。で、今、お話になった名古屋大学とか岐阜大学については、両方の大学の統合や改革によって、大学ごとの強みや特色を生かして、経営力、教育研究力の強化をしていけば、例えば、教員1人当たりの外部資金獲得実績について、成果が上がる可能性もあると。その場合には、運営費交付金の配分額の増加が期待できるというふうに思うんですが、その配分額を増やすために統合するというようなことでは、恐らくないというふうに思います。
 それに、統合したいというような要望に応えるような形で法改正を計画しておりまして、いずれにせよ、統合も一つの手段として、戦略的、計画的な経営改革を行う大学を後押ししたいということでございます。四国の場合は、「四国はひとつ」とよく言うんですけれども、本当は一つずつなので、なかなか難しいと思います。
(問)ちょっと今朝の一部報道であったんですけれども、科学技術の政策に人文社会も含めての振興を進めたいと。科学技術基本法の改正も2020年通常国会、来年通常国会も目指して行いたいという一部報道もございましたが、そういった状況について、ちょっと大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
(答)これは毎日新聞さんに聞いていただく方がより正確なのではないかというふうに思いますが、私のところで、科学技術基本法の改正というものを目指す方向性を決めているわけではありません。これはもともと議員立法なんですね。ですから、議員立法を政府が改正するということもありますが、まだそこら辺りのところを十分に党ともすり合わせしていません。
 ただし、先般の臨時国会で成立した改正研究開発力強化法では、「人文科学のみに係る科学技術」を含む科学技術・イノベーションの活性化についての検討規定が盛り込まれています。その改正法の検討規定の趣旨を踏まえて、「人文科学のみに係る科学技術」の取扱いについて、今後、関係省庁とも連携して検討していく必要があるというふうに思いますし、私も毎日新聞さんの記事を読ませていただいて、正にAIとかゲノムのことを考えると、ELSIといいますか、倫理や社会学というようなものとは切り離しては進められないなという思いは全くそのとおりだなというふうに思います。
(問)先日、中国が無人探査機を月面、月の裏側というのでしょうか、裏側に着陸させましたけれども、これについての御所感と日本の宇宙政策に影響を与えるということはあまりないかもしれないんですけれども、改めまして、日本の進め方で御意見がありましたらお聞かせください。
(答)中国も相当頑張っているなというような、「嫦娥(じょうが)4号」でしたっけ、月の裏側への着陸なんていうのはなかなか大変なことだというふうに思います。そういう意味で、中国のみならず、世界各国における宇宙開発利用をめぐる国際競争というものはますます激しくなっている中で、日本も宇宙開発利用の老舗として国際社会から信頼を築いてきておりますので、我々も宇宙基本計画工程表に基づいて、着実に進めていきたいなというふうに思います。
 この月に関して言いますと、日本は世界に先駆けて打ち上げた、月周回衛星「かぐや」という、もう皆さんお忘れかも分かりませんが、これははっきり言って、世界より一歩リードしてやったということでございますし、今後は小型月着陸実証機、これはSLIMというふうに呼んでいますが、これの打上げや国際宇宙探査の枠組みでのGateWayの参画への検討や、月極域の探査を行う月着陸探査についての国際調整を行うことにしています。
 月探査の計画を持っている民間事業者も現れてきたりしておりますので、官民双方が相乗的に取り組んでいくことが必要だろうというふうに思います。ただ、中国もなかなかすごいなと、正直認めざるを得ないなと思っています。
(問)先程お答えいただいた質問で1点追加で聞かせてください。基本法自体は、おっしゃったように、議員立法でできたものということですけれども、例えば大臣御自身の今のお考えで、そういった改正について積極的に提案をしていきたいとか何かそういった思いはございますでしょうか。
(答)さっきお話をさせていただいたとおり、議員立法ですが、改正研究開発力強化法での検討規定というものはやっぱり我々、今度はキャッチャーの立場で受け取ってどうするかを考えなきゃいかんということなので、これから法改正についての検討は始めるかどうかを、今年が始まったばっかりですし、いつの国会に出すかっていうようなことも視野に入れながら、議員立法の規定ですので、自民党をはじめ議員の先生方の意見も踏まえた上で検討していきたいというふうに思います。

(以上)