平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年12月14日

(平成30年12月14日(金) 11:01~11:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 それでは、私の方からまず2点。
 まず一つは、本日、第3回統合イノベーション戦略推進会議を開催しました。本日の議題ではSociety 5.0の実現加速のためのスマートシティの推進、今後のイノベーションの核となる主要3技術戦略、AI、バイオ、光・量子について、関係閣僚と議論を行いました。
 私からはスマートシティについては、タスクフォースを設置して各本部・省庁の取組を統合して、連携して取り組んでいくこと。
 AI分野に関しては、初等中等教育から大学、社会人まで、各レベルに応じたAI・数理・データサイエンスのリテラシーを向上させると共に、AI人材の質保証のための認定の仕組みを構築すること。ムーンショットなテーマにより、世界中から人材が集まる研究環境を整備すること。AI社会原則の策定を進め国際的な議論を主導していくこと。
 バイオ分野については、産官学のコミットや市場の創出・獲得といった明確な目標からのバックキャスト等といった要素を盛り込んだ新戦略の検討を進めること。
 また、光・量子分野についても、有識者会議による本格検討を開始すること等を報告しました。
 会議の中では、官房長官から私に対し、片山地方創生担当大臣をはじめ、関係本部・省庁と連携し、Society 5.0を実現すべく政府一体となったスマートシティの取組を開始すること。また、今後イノベーションを進める上で重要な3分野については、関係大臣と連携し戦略を示すこと。
 具体的には「AI」分野については、早急に戦略パッケージの骨子案をまとめ、次回のCSTI本会議で報告した上で、来年夏までに完成させること。
 「バイオ」及び「光・量子」分野については、有識者会議を設置し、早急に本格検討を開始すること。特に「バイオ」分野については、来年夏までに新たな戦略を策定することについての指示がありました。
 諸外国が科学技術・イノベーションをめぐり覇権争いを繰り広げている中、私としても、大臣就任以来、CSTI、Pitch to the Minister 懇談会を通じて様々な方々の御意見をお聞きする中で、従来の延長線上にある個別取組を行っていくのでは不十分と痛感しています。創造する未来社会からバックキャスト的に技術開発や環境整備を検討し、統合した施策のもとで一体的に、またかつスピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。
 また、会議の詳細については、この後、事務局から報告をさせていただくことになります。
 もう一点は、昨日の「HIRAI Pitch in 日本橋」についてでございます。昨日、日本橋ライフサイエンスビルディングを訪問し、ライフサイエンス分野に注力するスタートアップやその支援者等に参加いただいて、「HIRAI Pitch in 日本橋」を開催しました。
 「HIRAI Pitch in 日本橋」では、ライフサイエンス系のスタートアップ9社と、またベンチャーキャピタル等の支援者アクセラレーターも含めて5社からPitchを受けて、ライフサイエンス系スタートアップに関わるエコシステムの展望について意見を交わしました。
 具体的には、人材育成や人材の流動化促進のための施策を進めるべきであるということ。政府の施策はシーズを育てる基礎研究段階に注力しつつ、成長段階では民間資金がうまく出せるように連携した施策を行うべきなどの御意見がありました。
 参加者は皆、グローバルな視点でビジネスを構想されており、今後の展開に非常に期待をしております。日本橋がある意味では、日本のこのような集積地になる可能性は非常に高いなというふうに思いましたし、このビルの地下に共用で使えるウエットラボが2月にできるというような取組も非常に新しいと思いました。日本橋から目が離せなくなったのではないかなとも思います。
 以上、私からの報告とさせていただきます。

2.質疑応答

(問)昨日CSTIの有識者会合が開かれて、その中で基礎研究力の強化というのが議論されたということなんですが、その中で研究装置の共用化、それから若手研究者の安定ポストの導入などが提案されたということなんですが、内閣府としての取組をお聞かせ願えればというふうに思います。
(答)御指摘のとおり、昨日のCSTIの有識者会合では、日本学術会議の方々を招いて、主に運営費交付金と競争的資金のバランス、若手の安定ポストの導入を含めた研究環境の整備、研究装置の共用化などについて活発な議論が行われたと聞いております。
 政府が掲げる「統合イノベーション戦略」を推進していくために、基礎研究力の強化や、そのための研究環境の整備は重要だと考えているので、大学等の研究組織のマネジメント改革と一体となった研究設備・機器の共有システムの確立支援や、競争的研究費全体について若手研究者へ重点的に支援、新興・融合領域の開拓に資する挑戦的な研究を奨励するなど、若手研究者が研究に専念できる環境の整備にしっかりと今後も取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、議論の内容を十分に我々も受け止めて、また考えていきたいと思っています。
(問)ちょっと今のお話に関連してなんですけれども、今日はノーベル賞を受賞なさった本庶先生が帰国なさいまして、本庶先生、いわゆる研究費の配分について、メリハリの部分も当然ですけれども、やはり広く配分することが大事ということをいろんな場所で繰り返しおっしゃっています。今、ムーンショット型など、例えばメリハリが付くものはすごく充実しているかと思うんですけれども、そういったもっと広くいろんな人に行きわたるような研究費の配分について、例えば何か大臣お考えがありましたらお聞かせください。
(答)お金が無尽蔵にあるのであれば、そういう広くお金も出せるのではないかとは思うんですけど、やっぱりここはちゃんと今行われている研究の内容を全体を把握した上で、有識者の方々がちゃんと考えた上で、適切な配分を行うべきだというふうに思っています。
 その中の基本的な考え方は、以前からお話ししているとおりでありまして、ここは本当に頭の使いどころだろうというふうに思います。

(以上)