平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年11月30日

(平成30年11月30日(金) 9:25~9:37  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 まずは、宇宙政策担当の大臣としての報告です。
 28日水曜日、東京ビッグサイトで開催されている「国際航空宇宙展2018東京」に参加させていただきました。オープニング・レセプションで御挨拶させていただいて、展示会の内覧をいたしました。
 本展示会は国内外から500を超える企業や団体が出展する国内最大規模の航空・宇宙・防衛産業の展示会です。初日から多くの方々が来場して、大変賑わっていたと思います。国内外の大企業だけでなく、印象的だったのは「下町ロケット」風の工場が幾つも日本の中小企業出展ブースとして参加していたということです。どの企業も非常に優れた技術を持っていて、これらの技術が日本の宇宙航空産業の中で活かされているということを知ってうれしくなる一方、やっぱり産業としてのすそ野が私が思っているより広いなというふうに思いました。
 宇宙はどの国にとっても重要なフロンティアの分野ですが、日本はこの分野で世界の中でも老舗で独自の技術を持ち、国際協力も進めるなどプレゼンスは発揮していると思います。この「国際航空宇宙展2018東京」も情報発信の場として非常に重要です。私としても、今後とも宇宙の開発利用が国民のためにあるということを胸に刻みながら、宇宙産業の振興を推進していきたいと、そのように思います。
 次は、IT政策担当大臣としての報告です。
 本日、「第11回シェアリングエコノミー検討会議」が開催されます。本検討会議はシェアリングエコノミーの健全な発展に向け、民間団体等による自主的なルール整備などの検討を行うため、有識者や事業者団体などを構成員として、平成28年7月から開催されています。シェアリングエコノミーについては、社会のニーズが高いものの、事故やトラブルへの対応など利用者の不安の声がまだ一定程度あるということも知っています。安全性、信頼性の更なる確保を図りながら、シェアリングエコノミーを経済成長にもつなげていきたいというふうに思います。
 私が大臣就任後初めての開催なので、私も出席させていただきますが、私も自民党の方のシェアリングエコノミーの推進議連の初代会長でございまして、シェアリングエコノミーに関してはここ数年来、いろいろと話も聞きながら支援してきましたが、まだまだ日本の社会全体の中におけるシェアリングエコノミーというのは存在が小さいなというふうに思いますが、これから高齢化が更に進み、人口減少過程に入ったときに、一定程度やっぱり社会の中にシェアリングエコノミーの考え方を取り込んでいくべきだと私自身は思っていますので、そういう観点で参加させていただき、意見も聞いてみたいと、そのように思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)最近、CSTIの有識者会合がほとんど非公開なんですけども、ただでさえ科学技術政策って国民からよく分からないと思われているものが、そういう施策決定の過程がブラックボックスになるとますます分からなくなるんじゃないかと思うんですけども、大臣としてどのようにお考えでしょう。
(答)私も全ての会議に出ているわけではありません。出ることはできるんですけど、なかなか時間も難しいんですが、公開できるものは公開しているんだろうというふうに思っています。打合せ的なものに関しては、公開したら自由闊達な意見ができないから非公開にしているというのは普通だと思います。科学技術政策が決定される総合科学技術・イノベーション会議については、会議後資料は公開すると共に、ブリーフィングをやっていますし、後日、議事内容は内閣府のホームページに掲載していると思います。自由闊達な議論の妨げにならないように、このような会議が非公開で開催されているということに私自身はある程度理解を示していますし、しかし、年明け以降は有識者議員懇談会についても、政策課題に応じて公開で議論を重ねることを検討したいというふうに思っていますし、国民に隠そうなんていう気は全くありませんので、理解を十分に得られるように努めていきたいと思います。
(問)昨日から知財の方で価値デザイン社会を目指す新しいタスクフォースが始まりましたけど、大臣は前からオープンイノベーションの話をよくされていたと思うんですけど、何か期待とか、このタスクフォースの重要性みたいなところがありましたらお願いします。
(答)昨日会議、御覧になりました。どうでした。
(問)会議スタイルはすごい珍しいなと思いましたけども。
(答)内容は。
(問)僕的には非常に難しくて。
(答)そうですか。自由闊達ないろんな意見の中から価値デザイン社会を実現するような、大きなインパクトのあるような成果につながるオープンイノベーションをいかに実現していくかというのは、これは非常に難しいと思います。各国いろんなことをやっているんですけど、なかなか。しかし、個人が持つ尖った能力を活かしたりとか、試行錯誤しながら社会的インパクトのある成果をもたらすオープンイノベーションが加速されることを私は期待しているし、恐らく私が会議に出ていたわけではありませんが、時代の変化のスピードが速いので、こういうものは常に議論をしながら最新の情報とやっぱりすり合わせながら考えていかないと、先の要するに不確実性が非常に大きくなっていると思うんですよね。だから、将来の不確実性に対して手を打っていくというときには、やっぱりできるだけこういういろんなオープンな場での議論というものを、時間が掛かってもやっぱり積み上げるべきだというふうに思っています。
(問)ちょっと別の話で、皇室の関連で伺いたいんですけれども、秋篠宮様が記者会見で、大嘗祭に関しまして、宗教色が強いものであるので国費で賄うことは適当かどうかという疑義を呈されました。宮内庁長官などにも言ったけれども聞く耳を持たなかったというふうな発言もなさっております。皇族が公の場で政府の方針について疑問を呈されるのは異例ではないかという声もあるんですけれども、政府閣僚の一員として大臣の受け止めをお聞かせください。
(答)報道ベースの話は私も承知しているんですけど、詳しくまず知らないということと、所管外のことなので、コメントは御勘弁ください。
(問)今、編成が行われている第2次補正予算案で、ムーンショット型に1,000億円ぐらい積むという一部報道があるんですけど、ちょっとこの事実関係をお願いいたします。
(答)そういう報道ありました。
(問)はい。
(答)まだ私もそこは今、折衝中でございまして、具体的な数字に関してはちょっとまだ確定しておりませんので、ちょっとコメントを差し控えたいと思います。できるだけ欲しいという立場なので、今、そういう意味で、そういうような数字を目指しているということは事実だと思います。
(問)前回、ImPACTも補正予算で550億円積んで基金化して運用するというやり方採ったんですけど、今回のこれもやっぱり基金化をして長期的に運用するという、そういうお考えなんでしょうか。
(答)いろいろ御想像していただいていいと思うんですが、今、鋭意努力をしておりまして、最後の最後の詰めの段階でございますので、決まりましたら丁寧に御説明させていただきたいと思います。
(問)ゲノム編集で、中国ではゲノム編集が行われた子供が生まれたという国際会議での発表とかで今週の台湾でのゲノム編集会議とかでもあったんですけども、科学技術担当大臣として、今回の一連のことについてどのように受け止めていらっしゃるんでしょうか。
(答)中国の研究者がヒトの受精胚にゲノム編集技術を用いて子供を誕生させたということが国際会議で報告されたということは知っているんです。その周辺の報道も見たんですが、これはどうですかね、第三者による検証を得た論文の形になっている段階ではないので、個別にはちょっとコメントしづらいと思います。しかし、基本的には基礎研究ではなくて、これ臨床への応用ですよね。これは適切ではないというふうに思っています。

(以上)