平井内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見要旨 平成30年11月22日

(平成30年11月22日(木) 9:18~9:28  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私の方からは、まず3点。
 まず一つは、科学技術政策担当の大臣として、昨日、都内で開催されました、ドイツ科学・イノベーションフォーラム主催の「第1回AIに関する日独仏合同シンポジウム」に、政府を代表して出席してまいりました。
 シンポジウムにおいて私の方から、日本のAI戦略、ジャパンズAIストラテジーをプレゼンさせていただきました。この戦略は、人間中心のAI社会を構築するという基本的な考え方のもと、「人」、「社会変革」、「データ」、「研究開発」、そして「ELSI」の五つの柱で構成されるものです。現時点において、AIに対する取組の全体像を明確に打ち出したのは、日本が初めてではないかというふうに思います。
 今後、このような国際会議の場も活用しながら、ドイツ、フランスといった欧州各国をはじめ、日本と価値観が共有できる国との協調・連携を進めつつ、我が国のAI戦略を、来年中頃までには策定したいということです。
 基本的な考え方を昨日プレゼンしまして、いよいよ日本もスタートということになります。大変すばらしいシンポジウムだったと思います。
 そして二つ目は、来週26日月曜日、これ、国会の状況が許せばということになるんですが、産業技術総合研究所(産総研)臨海副都心センターを訪問いたします。
 同センターは、御存じのとおり、最先端のAI研究をやってるということで、昨日、私とともにシンポジウムでキーノートスピーカーをやられた辻井潤一センター長と意見交換をしに参ります。
 あわせて、日本科学未来館も立ち寄れたらというふうに思ってます。
 また、昨日の平井ピッチで我々ピッチ受けたのは、(株)グルーヴノーツというAIの社会実装でもう走ってる会社でございます。AIも要するに、議論する段階ということもありますが、使えるところから使っていこうという企業、特に(株)グルーヴノーツは中小企業を対象としてそういうサービスを展開してるので、今回のAIの盛り上がりは、思っていたより地に足がついて進んでるなという印象を持ちました。
 そして3点目は、今日14時から、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)を開催します。
 今回は、「基礎研究力強化とハイリスク研究について」を議題として、本年、ノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶佑京都大学特別教授からプレゼンテーションをしていただくことになっています。本庶先生からは、御自身の経験をもとに、基礎研究と若手研究者育成の重要性について御提言を頂く予定になっておりまして、今後の科学技術・イノベーション政策に十分に活かしたいというふうに思います。
 本会議の詳細については、会議後にブリーフィングが予定されています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今の基礎研究力の強化でもそうなんですけども、最近、一論文当たりのコストが欧米と比べて日本は高いんじゃないかと。つまり、研究開発の効率性が悪いんじゃないかってことがよく指摘されるんですが、一方で、日本の研究システム、研究費のシステムだとか大学のシステムなど、そういうところが欧米に比べて自由度がないとか柔軟性がないという、そういう制度面で足を引っ張ってるんじゃないかという指摘もあるんですが、大臣としてはそういうシステムを変えてくためにどういうふうに取り組むのか、教えてください。
(答)これ、欧米と比べて、高等教育部門における注目論文1件当たりの研究開発コストが高いという御指摘とか、日本の研究開発の効率性が問題だというような指摘があることは承知してるんですが、正直、私自身はちょっと分からないところもあります。論文を数で見るのか、質で見るのか、また、引用回数を見るのかということですけど、必ずしもすばらしい論文というか、とがった論文がたくさん引用されてるわけでもありません。なんで、その辺りのところは、もう少し私自身勉強したいなというふうに思います。
 政府としては、6月に閣議決定した統合イノベーション戦略に基づいて、国立大学の経営基盤の強化や人事給与マネジメント改革による若手研究者の活躍機会の創出などの大学改革、そして、競争的研究費の若手研究者への重点的な配分といった優秀な若手研究者への支援、新興・融合領域の開拓に資する挑戦的な研究、独創性や分野横断的な俯瞰力を備えた人材の育成の促進等に取り組んで、研究環境の改善や研究の効率性を向上させるというふうに今考えているところです。そして、更に挑戦的な研究開発を推進する「ムーンショット型研究開発制度」を創設して、我が国の研究力強化を図りたいと。
 というのが基本的な方針ですけど、要するに指標ですね。何をして、こういう進むべき方向を、データドリブンで考えるということだと思うんですが、ここは私自身、もう少し勉強させていただかないと、EBPMに、ちゃんとしたEBPMにしなきゃいかんというふうに思いますんで、そういうことでございます。
(問)12月の予定されている宇宙基本計画の工程表の改訂についてなんですけど、こちらについての進捗状況と、その狙いについてお伺いできればと思います。
(答)例年どおりに進んでるというふうに思っていて、宇宙基本計画の工程表については、宇宙政策委員会で進捗を検証して改訂すると、これは例年どおり進んでいます。年内に宇宙政策委員会で工程表の改訂案を議論した上で、総理を本部長とする宇宙開発戦略本部で、今年度の工程表改訂を行いたいというふうに考えています。
(問)それと関連してなんですけど、防衛大綱に、一部報道ではありますけど、宇宙空間の監視強化などとするってことがあります。宇宙の工程表にも絡んでくると思いますけど、担当大臣として安全保障との連携をどのように考えているかってのをお願いいたします。
(答)基本的に、報道ベースの大綱の話に関していえば、現在検討中ということだと思うんですよね。その議論の結果を踏まえて、適切に対応をしていこうとは考えています。
 我が国の宇宙基本計画でも、宇宙安全保障の確保は大変重要な政策の柱の一つとしていますし、例えばですよ、スペース・デブリや不審衛星などの状況をレーダー等で把握する宇宙状況把握(SSA)を宇宙基本計画工程表でも位置づけています。そういう意味で、防衛省やJAXA等の関係機関と連携して、これからも推進してくということになると思います。

(以上)