平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年10月26日

(平成30年10月26日(金) 10:40~10:57  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 皆さん、おはようございます。
 私の方から、まず2点。
 一つは、昨日、第3回準天頂衛星システム利活用促進タスクフォースを開催しました。タスクフォースでは、新しく着任いただいた関係府省の政務から今後の取組について御発言いただき、そして、最新の準天頂衛星システムを利用した民間ビジネスについて、事業家から紹介していただき、活発に御議論をさせていただきました。
 11月1日の夕方には、サービスの開始を記念して、式典を開催しようと考えています。この詳細については、今、まだ詰めておりますので、別途お知らせをします。
 この準天頂衛星システムの利活用というのは非常に重要で、これからどのような利活用がされていくかというのは、この国の将来にも大きく関わってくると思っておりますので、更に多くの方々に呼びかけていきたいと、そのように思っています。
 そして、この週末、科学技術政策担当・情報通信技術政策担当大臣として、香川及び徳島に出張いたします。
 明日の午前中に香川県新規産業創出支援センター、私もこれ、行ったことはないんですが、ネクスト香川ができておりますので、入居されている企業の経営者、大学関係者、学生、地域の中小企業経営者等と研究開発型スタートアップ創出や成長促進等について意見交換をさせていただくつもりです。
 午後からは、日本のIT人材教育やアジア諸国の大学研究の現状等を把握するために、徳島県立産業観光交流センター、アスティとくしまで開催されます全国高等専門学校プログラミングコンテストを視察させていただきまして、関係者と意見交換を行いたいと思います。
 これは、大臣に来てほしいという強い要請もありましたし、高専というのは、やっぱり日本の将来を考えたときに、その重要性は高まっていると私は思っています。そういう意味で、現場の方々との意見交換で、今後の政策に活かしていきたいというふうに思っています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 先週のCSTIの有識者懇談会で、競争的資金の政府共通番号の導入と論文の写字情報への記載の義務化というか、そこら辺について提案があったんですけど、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)基本的には賛成なんですが、日本の科学技術イノベーションを向上させるというためにも、どのような競争的資金からどのような研究結果が生み出されていったかというものを紐づけることは非常に重要だと思っています。
 内閣府では、科学技術イノベーション関連データの集約、利用可能化、データ分析、分析事例の提示等を行うシステム、エビデンスシステムと呼んでおりますが、その構築に向けた検討も既にスタートしております。
 科学技術・学術政策研究所から御提案いただいた方法も含めて、競争的資金と研究成果の紐づけの方法、これは各省の補助金であったり、交付金の中から研究開発に回っているものだったり、いろいろルートがありますので、そういうものをちゃんと整理をしていきたいというふうに考えております。
(問)NHKの柳生です。
 今週水曜日、“HIRAI Pitch”、第1回目、開催されました。是非、開催してみての手応えであったり、今後に向けて何か発想がありましたら、お願いします。
(答)“HIRAI Pitch”の目的の一つに情報共有というものがあります。役所も縦割りになっているところもあり、なかなかそういう最新の分野の情報共有ができていない。そこをカバーする意味でも、今回、私のみならず、いろいろな方々に同席をしていただいて、今、起こっている新しいデジタルによるビジネストランスフォーメーションみたいなものに関して、意識合わせをしたいというふうに思います。
 この(株)デジタルハーツという、これは一部上場企業の割には、割と皆さん、その内容の本当のところを知らないだろうし、会社の雰囲気なんかも、恐らくは知らないと思うんですね。そういうものを知ってもらうというのは非常に重要だと思います。
 もともと、ゲームの不具合、バグを発見するということですけど、それは最終的にサイバーセキュリティとか、IoT時代のいろいろな検証をしていくと言いますか、テストも含めて、要請に応じた人材の育成に結果的につながっているということで、我々は非常に関心を持っています。
 そして、この会社のすばらしいところと言いますか、本来なら、なかなか一般企業に勤めない、例えば、引きこもっている、若しくはゲームばかりしている。また、人との会話が苦手みたいな、様々なバックグラウンドを持っている若者の活躍の場を提供しているというところは、非常に私は社会的にも意義があるというふうに思います。
 国がそのような形で支援して人材育成したルートではないルートから、思わぬ人材を発掘できているという意味では、総合的にデジタル時代の人材育成という観点から、我々もそこも視野に入れなきゃいけないということになりました。
 是非、皆さん方も関心を持っていただきたい企業の一つですし、そこでゲームを中心としたキャリアパスみたいなものが現実にあるわけですから、ここら辺りのところは、やっぱり、時代が変わってきたんだなというふうに思います。
 今後、会社が進む方向と我々が考えている人材育成と、そういうものも当然我々が理解した上で、人材育成の方法も考えていこうと、そんなふうに思っています。
 ですので、ピッチに来ていただける企業の皆さんに関するいろいろな情報というのは、広く役所を越えて、一つの役所にとどまるものではなくて、こういった情報共有をするところから、まずはスタートすべきだろうというふうに思っています。
(問)読売新聞の船越です。
 2点ありまして、まず1点目は先程の香川、徳島の訪問なのですが、その中で今大臣は高専の非常に役割が大事だというふうにおっしゃったのですが、改めて大臣が考える意義と、それからもし今後社会により活かしていくために、何か課題であったり、手当てしなければいけないところがあれば教えてください。
(答)今、高専の方々は、就職で言うと、すごい人気ですよね、卒業生。ただ、その上の大学院に行ったりする方もいらっしゃる。社会広くサイバーセキュリティの分野やいろいろな技術開発の分野で活躍している卒業生も多いわけですね。
 ある意味で高専というのは、目的意識を持った生徒さんがたくさんいらっしゃいますので、そういう意味で、いよいよ高専の卒業生が表舞台でどんどん活躍できる環境が私は整ってきたというふうに思います。
 そんな意味で、先生方も含めて、意見交換もさせていただこうというふうに思っています。
 これは第29回なのですね、このプログラミングコンテスト。プログラミングの言語もこの間に随分変わっているのですね。最近なんかは、C++とか、あとPython(パイソン)なんかも言語として使われているということで、この分野は非常におもしろいと思います。
 こちらの人材は、物をつくってみる方の方々です。一方で、(株)デジタルハーツの方は物を壊してみる人たちです。どっちも社会に非常に必要な人材であることは間違いないので、できれば学生の皆さんの話を直接伺ってみたいというふうに思っています。
(問)もう一点ちょっと話は変わるのですが、先日臨時国会が始まりまして、前任の松山大臣も前の国会の中で研究開発力強化法の改正について、非常に期待していたのですが、法案がいかなかったということで、これは臨時国会が始まるのですけれども、この研究開発力強化法についての進捗状況について、把握されていることがあれば。
(答)進捗状況については、今分かりません。しかしながら、先の国会からずっと党の調査会等でも、議員立法を提出する方向で準備をしていることは知っています。これは我々から見ると、非常に重要な法案だと思っていて、ベンチャー等への出資が可能な国立研究開発法人等を拡大していくというのは、必要なことだと思うのですね。
 資金配分機関に基金を迅速に造成できるスキームなどが、これは本当にすぐやってもらいたいなというふうに私自身は思っておりますが、これはあくまでも国会で御議論されるということでございますので、基本的なスタンスは待つということになろうかと思います。
(問)共同通信の須江と申します。
 準天頂衛星「みちびき」のことでお聞きしたいのですけれども、1日からサービスインということで、今でも試験運用されていると思いますが、本格的なサービス開始で、例えばどういうことを大臣としては期待したいか、どういうふうに広がることを期待したいか、何かお考えがあればお聞かせください。
(答)昨日の話をお聞きしたのは、NEXCOさんとジェネクストさんで、実はこの中で来られていたジェネクストさんなんかは、私は随分前から情報交換をさせていただいておりまして、特にうちの地元の香川県が死亡事故が多発するということで、いつもワースト3の中に入っているというのが知事にとって大きな政策課題なので、そういうものを神奈川県なんかは、既にそれで一定の成果を上げていると。
 要するに、交通事故防止に既に今度のセンチ単位ではなく、メートルの方ですけれども、大きな効果があるということが既にいろいろな分野で実証されているので、同じようなことを考えると、NEXCOさんも6割ぐらいが雪で見えなくなるというような白線道路のその中で精度の高い位置情報を使って、仕事の効率化というのは、当然、事業化できる。あとはコストの問題とか、そういうことをもっと広く使われていかないと全体のコストダウンができないので、できるだけ多くの方々にそういう今度の新しい準天頂衛星の「みちびき」の能力を活かしたサービスモデルを広くいろいろな分野で展開してもらいたいということで、私の方からも既に働きかけております。
 農業の分野であったり、交通の分野であったり、建築の分野であったり、いろいろこれはあると思います。あとはセンサーに要するに値段がもう少し下がる、もっと小さくなる。特にソフトバンクさんなんかも相当その分野の開発は進んでいますし、いろいろなサービス産業との組合せによって、新しい事業モデルがこれからどんどん出てくることを期待しています。

(以上)