宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年9月10日

(令和元年9月10日(火) 10:35~10:46  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 今朝は私の方から、1点御報告があります。
 領土問題担当大臣として御報告いたします。
 内閣官房領土・主権対策企画調整室では、平成26年度から竹島及び尖閣諸島それぞれに関する資料や文献を調査する「資料調査事業」を行っておりますが、本日、竹島及び尖閣諸島についてそれぞれ5冊目となる「資料調査報告書」を公表いたします。
 今回の調査では、東京都、島根県、沖縄県等の国内の関係機関において、政府、自治体等の公的な活動記録や漁業等に関する記録を調査するとともに、日本国際問題研究所と連携し、英国及びオーストラリアの国立公文書館においてサンフランシスコ平和条約の起草経緯に関する資料等を調査いたしました。
 今回の報告書においては、まず、竹島に関し、竹島を隠岐島庁の管轄区域に正式に指定する明治42年の勅令、サンフランシスコ平和条約の起草過程において、米国がオーストラリアに対し、竹島が古くから日本の領土と認識され、日本が保持すべきと回答していたことを示す資料など、6点の資料を取り上げるとともに、尖閣諸島に関しては、昭和5年、国有地であった魚釣島等の尖閣諸島4島を払い下げる際に、沖縄営林署が作成した調査書、それから戦後、米軍が尖閣諸島の一つである久場島を軍用地として使用するために、琉球政府に対して土地の取得を求める要請書など、8点の資料を取り上げました。
 これらの資料は、従来からの我が国の主張を改めて裏付けるものであります。
 本報告書は、内閣官房領土・主権対策企画調整室ホームページに掲載するほか、領土・主権展示館において配布いたします。
 なお、詳細は後刻、事務方からブリーフィングさせていただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)明日、内閣改造が控えておりますけれども、これまで大臣として取り組んでこられた仕事などを振り返られて、印象に残っていることなどがあれば教えてください。
(答)只今の御質問については、明日の臨時閣議後に記者会見を予定しておりますので、その場で改めてお聞きいただければと思います。
(問)待機児童問題について伺います。先日、今年4月の状況が公表となりました。その中で、待機児童解消に向けて子育て安心プランの中で、企業主導型保育所が今年度、来年度の2年間で2万人分の整備を計画されていると思いますが、今年度の新規募集がまだ始まっていない状況です。その中で、子育て安心プランに基づいて待機児童解消のために整備が計画どおり進むかどうかということ、大臣の所見をお伺いします。
(答)待機児童対策、これは安倍政権の最重要課題の一つであり、最優先で取り組んでおります。今回発表された平成31年4月時点の待機児童数は、昨年の4月から比べると約3,000人の減少となりまして、調査開始以来、最少になったところであります。
 一方で、現在も保育所等に預けたくても預けられない親御さんがいらっしゃる事実を真摯に受け止め、引き続き、厚生労働省と連携し、待機児童ゼロの実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 御指摘の企業主導型保育事業につきましては、量の整備に重点が置かれ過ぎ、質の確保への意識が必ずしも十分ではなかったのではないかとの反省から、検討委員会の御意見を踏まえ、また、児童育成協会の業務運営上の課題を点検し、改善策の具体化を進めているところであります。
 施設の新規募集は、新たな実施機関の下で行うこととしており、まずは、新たな実施機関の公募を9月中に開始できればと考えておりまして、鋭意そのための準備を進めているところであります。
(問)昨日、内閣府から、沖縄の鉄軌道導入に向けた調査結果が発表されまして、費用便益費は前年の調査に比べて微増となりましたが、依然として厳しい結果が示されましたが、大臣の受け止めをお願いします。
(答)内閣府では、沖縄における鉄軌道等の事業化の可能性を検討するため、過年度に引き続き、コストの縮減方策の検討等を行ってきております。
 今回の調査、これは平成30年度調査でありますが、社会的な観点から事業効率性を評価するB/Cが依然として1を下回っていることに加え、事業採算性を示す開業後40年間の累積損益も黒字転換していないなど、引き続き課題が存在しているものと受け止めております。
 内閣府といたしましては、今年度についても、これまでの調査で得られた成果や課題も踏まえ、B/C等の改善に向けた調査を引き続き行ってまいりたいと考えております。
(問)週末に、大臣就任後12回目となる沖縄出張に行かれました。今回の出張で、大臣就任後として沖縄県内の全離島市町村を回ったことになろうかと思いますが、御感想や特に印象に残っているところなどがあればお願いします。
(答)昨日までの沖縄訪問によりまして、大臣就任以来、沖縄の15の全ての離島市町村を訪問し、合計20の離島に足を運びました。
 いずれの離島についても、今回が初めての訪問というわけではありませんが、担当大臣として改めて訪問し、首長を始めとする多くの関係者と、直接話をし、また、地域の小さな事業を含め、各種振興事業の実施状況をこの目で確認してまいりました。そのことによりまして、厳しい自然的・社会的条件に置かれている離島の現況をつぶさに把握する機会を得ることができたことは大変有意義であったと考えております。
 全ての島が印象に残っておりますが、あえて申し上げれば、大雨被害の発生直後に被災現場を訪問させていただいた与那国島、それから、各離島における泡盛製造所、あるいは製糖工場、かんがい施設整備など、農業農村整備事業の実施状況を視察してきたこと、特に、沖縄県の離島においては、農業は基幹産業として大変重要な位置付けにあるということを改めて痛感してまいりました。
 また、南大東漁港(北大東地区)の開港式に出席させていただいたこと、それから、「琉球泡盛テロワールプロジェクト」として、長粒種米の田植えの状況を視察いたしまして、これは伊平屋島でありますけれども、私も久しぶりに田植えをやってまいりました。中学校以来ということであります。
 それから、子供食堂、学習支援教室など、子供の貧困対策の現場を石垣島あるいは宮古島で訪問してまいりました。また、沖縄本島においても、子供食堂を見てまいりました。
 みやこ下地島空港ターミナル竣工式典に出席させていただいて、下地島空港と伊良部大橋、このセットが極めて有効であるということも見てまいりました。
 沖縄県全体で見ると人口が増えておりまして、また引き続き増加をするという見込みになっておりますけれども、特に小規模な離島においては、少子化あるいは人口減少、高齢化といった問題が深刻化しております。
 各島々の抱えている問題は一様ではなくて、一律の解決策があるというわけではありませんけれども、厳しい自然的・社会的条件の中で島を維持していく、あるいは島における生活ができるようにしていく、このために国として引き続き、しっかりと支援を行っていくべきであるということを痛感してまいりました。
 取り分け、沖縄県の15の離島市町村の中で、高校があるのは宮古島、石垣島、久米島、この三つだけです。残りの12町村は高校がない。つまり、中学校を卒業すると、「15の春」ということで、島を離れ、親元を離れて進学せざるを得ない、こういう状況にあるわけでありまして、離れてもちゃんと戻ってこれるような、そういう環境を目指して頑張っていく必要があるのではないか。
 沖縄県は、日本でただ一つ、離島だけで形成されている県であります。沖縄は、離島振興法上の指定離島ではありませんけれども、それら以外の離島について、もっとしっかりとした支援を政府として行っていくべきであると考えております。

(以上)