宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年6月11日

(令和元年6月11日(火) 9:35~9:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 今朝は私の方から1点、御報告いたします。
 沖縄振興を担当する大臣として御報告いたします。
 今般、平成30年度に「沖縄子供の貧困緊急対策事業」を利用した子供や保護者に対して行ったアンケートの結果が取りまとめられました。
 アンケート結果からは、子供の居場所の利用に関し、居場所を利用した子供の学習理解度が高くなっていることや、子供の貧困対策支援員の支援を受けた保護者の方々の子育てに対する心理的な負担感が軽減されたことなどが分かりました。
 さらに、専門家による総合考察におきましては、居場所の利用によって、子供に自分に自信が持てるようになるなどポジティブな変化が見られたこと、支援員の支援によって保護者にも周囲の人とのつながりなどに関して前向きな効果が見られたことなど、本事業に一定の効果が認められるとされております。
 同様に、今般取りまとめました沖縄子供の貧困緊急対策事業の実施状況によりますと、平成30年度における利用実績も着実に増加をしており、アンケートの結果は、これまでの3年間で本事業の取組が定着し、一定の成果を上げたことによるものと考えております。
 子供の貧困対策については、息の長い取組が必要であり、引き続き沖縄県や市町村のほか、経済界や教育界など様々な立場の皆様と連携して、しっかり取り組んでまいります。
 詳細については内閣府沖縄振興局にお問い合わせください。 

2.質疑応答

(問)今の調査結果の発表に関してなんですけれども、一定の成果が見られたということなんですが、逆に、今回の調査から見えた課題などありましたら教えていただけますでしょうか。
(答)これまでの3年間で、今申し上げたように県内市町村における取組が定着し、一定の成果を上げていると考えておりますが、事業の実施等を通じ、従来の取組では対応が難しい新たな課題が把握されましたことから、今年度は手厚い支援が必要な子供への支援の強化など、新たな取組にも着手することとしております。引き続き、沖縄県や市町村のほか様々な立場の皆様と連携しつつ、これらの取組を通じて沖縄の子供の貧困対策を進めてまいります。
 例えば、手厚い支援が必要な子供への支援の強化として、拠点型子供の居場所の整備を進めるという、それから若年妊産婦の居場所の展開をしていく、それから子供のシェアハウス事業への支援ということを、今年度行っております。
 それから離島・へき地における取組の支援としては、小規模離島町村での取組の実施ということで、小規模離島の町村に支援員を配置し、これは本島からの定期的な派遣などを含めてですが、支援が必要な子供に適切な指導を、対応を実施をするということ、それから個々の取組を超えた対応力の向上として、全居場所による連絡会の設置、あるいは電話・メール等による相談支援体制の整備、それから地域の体験活動との連携といったようなことを、今年度から新たに進めていくということにしております。
 この子供の貧困の問題については、沖縄県民の関心も極めて高いということでありますので、県や市町村はもとよりでありますけれども、いろいろな分野の方々と協力をして、更に実効性のあるものにしていきたいと考えております。
(問)関連してなんですけども、今回このアンケートで一定の成果は見えてきたということなんですけども、来年度というか今後に向けて、大きなところでも結構なんですけども、力を入れていかなきゃいけないようなところというのは、大臣としてどういうふうにお考えでしょうか。
(答)今回例えば、「学校の勉強が分かるか」という質問に対して子供からの回答では、利用前が、「よく分かる」が27.1%、利用後は36.9%、ほぼ1割ぐらい上がってきている。それから保護者からの回答の中で、「自分一人で育てているという圧迫感を感じる」という回答が、支援前が29.2%、支援後が12%ということで、これは相当大きく減少してきております。
 今回一定の効果が見られたということでありますし、それからこの通常国会において、子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正案が衆議院を通ったということもあり、子供の貧困対策に関する大綱の見直しの時期でもありますので、沖縄の問題に限らず、全国的な問題として取り上げて、その中でいろいろな支援について検討していくということにいたしております。
 また、参議院の方では、今日、委員会で採決があるということでありますが、衆議院の委員会決議において一番最後の項目に、全国的な調査をやってもらいたいということが書かれておりまして、そういう全国的な調査なども通じて、実態の更なる把握に努めるとともに、市町村に対して子供の貧困対策を行うという、計画をつくるという努力義務をお願いをしているわけでありますので、その計画づくり、それから更なる対策ということについては、是非、実効あるものにしていかなければいけないと考えておりますので、これから子供の貧困対策、今、相当大きなテーマになってきているということでもありますので、しっかりと対策を政府全体で構築していけるように頑張っていきたいと考えております。

(以上)