宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年5月14日

(令和元年5月14日(火) 9:21~9:32  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)10日から行われた北方四島のビザなし交流で、日本維新の会の丸山穂高議員が、訪問団として参加していた元島民の方々に対して、島は戦争しないと取り返せない、戦争で島を取り返すのは賛成ですか、反対ですかなどと発言し、トラブルになりました。
 これまで平和的な領土問題の解決を望んで、地道に30年近く交流を続けてきた元島民の方々の思いや努力を踏みにじる発言だと思いますが、大臣の受け止めをお聞かせください。
(答)本年度第1回ビザなし交流事業におきまして、11日の夕刻、訪問団員として参加した国会議員が、国後島内の宿舎「友好の家」で泥酔し、他の団員との間で口論等のトラブルとなる事案が発生いたしました。その中で、御指摘のような発言があったものと承知いたしております。
 そもそもこのビザなし交流事業は、日露両国間の相互理解の増進を図り、北方領土問題の解決に寄与することを目的として、平成4年度から実施しているものであり、国会議員の参加は平成7年度から認められております。
 同議員におきましては、既に発言を撤回し、謝罪しているものと承知いたしておりますが、今回の事案は事業の趣旨・目的に照らして、甚だ不適切なものでありまして、事業を所管する内閣府として誠に遺憾であります。
 改めて申し上げるまでもありませんけれども、政府は外交交渉によって北方領土問題の解決を目指しており、北方対策担当大臣としても引き続き交流事業の適切な実施等により、外交交渉をしっかりと支えてまいりたいと考えております。
(問)昨日、沖縄県の与那国島で、3時間の降水量が276.5ミリと、観測史上最大の雨が降りました。島内では浸水被害も相次いで、農林水産業含めて今後の被害というのは懸念されるところだと思いますが、政府としての被害の把握状況と取組を伺えればと思います。
(答)昨日、与那国町におきまして、「50年に一度」と言われる記録的な大雨が降りました。現時点において、この大雨による人的被害の状況には接しておりませんが、床上・床下浸水の住家被害のほか、県道216号線などの道路や水田の冠水が多数生じたとの報告を受けております。
 農産物への影響等、詳しい被害状況につきましては、現在確認中ですけれども、引き続き必要な情報収集を行うとともに、災害復旧等について、関係省庁とも連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
 なお、事情が許せば、私も現場に足を運んで被害状況を確認をさせていただきたいと考えております。
(問)竹島問題について、お伺いします。
 昨日、韓国が2016年から竹島周辺の日本の領海で海洋調査計画を始めていたということが明らかになりました。
 菅官房長官は昨日、韓国に抗議したことを明らかにしましたけれども、領土問題担当大臣として今後、韓国政府とどのように対応されていくお考えでしょうか。
(答)御指摘の件につきましては、承知いたしております。
 竹島は歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土であり、我が国の立場に照らし、竹島周辺海域における調査活動等、韓国側による一連の行動は、到底受け入れられないものであります。
 我が国は関連情報に接するたびに、外交ルートを通じて調査の中止の要求や抗議等を行ってきておりまして、今後ともその方針に変わりはありません。
 領土問題担当大臣といたしましては、竹島問題に関し、国内外において我が国の立場についての正確な理解が浸透していくよう、外交政策等との整合性を確保しつつ、内外発信の強化に努めてまいりたいと考えております。
 なお、領土・主権展示館についても、この国内外への情報発信という意味で、これまでの7倍の面積を確保した上で、立地条件の良いところを確保させていただきましたので、この展示館なども通じまして、我が国のこの正しい立場についての理解が浸透するように、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
(問)先程のビザなし交流での丸山議員の発言に関してなんですけれども、大臣は長年北方領土問題にずっと関わってきて、元島民の方の、知り合いも多いですし、交流も多いと思うんですけども、やはりこういった発言というのは、元島民の方を非常に傷付けるような発言ですし、それから、日露交渉への影響というのもあると思うんですけれども、その辺り、ちょっと重複するところもあると思うんですけれども、どのようにお考えになっていますでしょうか。
(答)今回の発言については、報道でも流されているとおり、団長あるいは副団長に対するインタビューのときに出てきたものと聞いております。
 いずれにせよ、我が国の立場と相容れない、かつ元島民の皆様の考えとも相容れない発言でありまして、極めて不適切であると考えております。
 また、外交交渉、今領土交渉を進められている最中でありまして、この発言が交渉に影響が出ないようにしていかなければいけないと思っております。
 いずれにいたしましても、国会議員としてこのビザなし交流に参加するということの重みを、是非これからも参加される国会の先生方にはしっかりと理解をしていただきたいと考えております。
(問)ちょっと話題が変わるんですが、先週末に代々木公園の方でタイ・フェスティバルが開催されました。宮腰大臣も参加されまして、タイの閣僚とともにブースを見て回ったというふうにも聞いているんですが、大臣は以前からこのフェスティバルの沖縄の開催に向けて意欲を示されてきまして、今年の秋には実際に沖縄の開催に向けた検討も進んでおるように聞いているのですが、視察された大臣としてお気付きになった点、あるいは沖縄開催に向けた意気込みなどがあればお願いします。
(答)タイ・フェスティバルにつきましては、昨年、総理補佐官として出席をいたしまして、御挨拶もさせていただきました。今年が2回目ということになります。
 昨年も今年もでありますけれども、挨拶の中でタイ王国と日本の長い長いこの友好関係、特に、600年前にタイから原料と製法が同時に沖縄に伝わって、それが琉球泡盛として今も、タイ米を使っているわけでありますけれども、親善大使として長く日本とタイの友好関係をしっかり築き上げてきたと、その証がこの琉球泡盛であるということ、あるいは、そのほかにも日本で唯一お酒を寝かせるという伝統を持った酒であるといったようなことについて、御挨拶の中で申し上げてまいりまして、昨年から泡盛ブースも、タイの大使館の御厚意でもって開かせていただいております。
 特に、今年は酒造組合の佐久本会長のお父様が、沖縄におけるタイ王国の名誉総領事であるということもあって、タイの外務大臣にもそのブースに足を運んでいただきまして、大変盛会であったと聞いております。
 沖縄において、この秋を目途に第1回の沖縄におけるタイ・フェスティバルの準備が進められていると聞いておりますけれども、是非この沖縄とタイとの関係、特に直行便も今は飛んでいるわけありますので、沖縄におけるタイ・フェスティバルの開催を通じて、沖縄とタイ王国との友好が更に進んでいくと。そして、琉球泡盛の消費の拡大にもつながっていくということを期待したいと考えております。

(以上)