宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年1月25日

(平成31年1月25日(金) 11:40~11:57  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 今日は、私の方から、まず4点御報告があります。
 本日の閣議におきまして、本日付けで、私の大臣補佐官を務めていただいておりました島尻安伊子補佐官の辞任が認められました。
 島尻前補佐官は、沖縄振興に関する重要政策、特に子供の貧困緊急対策の推進を担当いただき、自ら経済界や教育界など、様々な立場の方々と積極的に連携しつつ、支援員の配置や居場所づくり、親の経済的自立の支援などに取り組まれてきました。
 今般、御本人より、「沖縄子供の貧困緊急対策事業」につき、3年間のモデル事業の期間を終え、一定程度、事業が軌道に乗ったことから、補佐官としての仕事に区切りを付けたい旨の申出がなされ、これを受理したところです。
 2点目であります。子供の貧困対策を担当する大臣として報告します。
 本日、有楽町朝日ホールにて開催します「子供の貧困対策マッチング・フォーラム」に出席します。このフォーラムは、子供の貧困対策に取り組む企業、自治体、支援団体などに顔の見える形で交流・連携を深めていただき、子供たちへの支援の輪を広げる機会として開催しているものであります。
 全ての子供たちが、家庭の経済事情にかかわらず、それぞれの夢に向かって頑張ることのできる社会を実現するため、このフォーラムをきっかけとして、子供たち一人ひとりに寄り添った支援を届けるための「つながり」を広げていきたいと考えています。
 3点目でありますが、沖縄担当大臣及び少子化対策担当大臣として御報告いたします。
 明日26日から27日にかけて沖縄を訪問いたします。就任後4回目となる今回は、沖縄本島及び久米島を訪れまして、琉球泡盛製造のための長粒種米の生産に係る説明会、琉球泡盛海外輸出プロジェクト会合、首里城公園御内原エリア等開園記念式典に出席するほか、製糖工場や久米島の海洋深層水関連施設といった産業の現場、認可保育所や子供の居場所づくりの取組等を視察する予定です。
 4点目でありますが、北方対策担当大臣として御報告いたします。
 本日、「北方領土の日」及び「北方領土返還運動全国強調月間」関連事業に関するサイトをリニューアルいたしました。2月の北方領土返還運動全国強調月間に、全国で開催される広報啓発イベントに関する情報提供の充実のためリニューアルを行ったものです。
 今回のリニューアルでは、イメージキャラクター「エリカちゃん」や親しみやすいカラーデザインを用いるとともに、興味を持った方が気軽にイベントに参加できるよう、カレンダーから日付で、または都道府県から地域のイベントをそれぞれ検索できる機能を持たせました。本サイトが広く活用されることで、より多くの国民の皆様に、全国各地で開催される北方領土関連イベントに参加していただき、北方領土問題に対する正しい理解と関心を持っていただくことを期待しております。

2.質疑応答

(問)今月22日にロシアのプーチン大統領と安倍総理の首脳会談があったと思うんですけれども、その中で、やはり領土問題で具体的な進展がなかったではないかなどのいろんな指摘が出ていると思うんですが、大臣のお受け止めを教えていただけますでしょうか。
(答)今月22日、モスクワにおいて行われました安倍総理とプーチン大統領との25回目の日露会談におきまして、平和条約締結問題に関連して、先週14日に行われた日露外相会談に続き、2月中に、例えばミュンヘン安全保障会議の際に、外相間の次回の交渉を行うとともに、首脳特別代表間の交渉を行い、交渉を更に前進させるように指示をされました。
 また、共同経済活動の関係では、早期実現のために共同作業を着実かつ迅速に進展させるよう事務方に指示することで一致したほか、元島民の方々のための人道的措置について、今年の航空機墓参を夏にも実施することで一致するなど、胸襟を開いた率直な意見交換が行われたと承知いたしております。
 今回の会談を踏まえ、更に交渉が前進し、共同経済活動の早期実現及び元島民の方々の身体的負担の軽減に向けた更なる改善が図られることを期待するとともに、私も北方対策担当大臣といたしまして、元島民の皆様、北方領土隣接地域の皆様、さらには全国の返還運動関係者の皆様と心を一つにして、国民世論の啓発にしっかり取り組むなど、引き続き外交交渉をしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。
(問)関連しまして、共同経済活動についてなんですけれども、ちょっと大臣の所管外のところもあるかもしれないと思うんですが、安倍総理、具体的に進展するようにということで指示をされたということなんですが、今後どれぐらい共同経済活動が進展していくのかというところで、宮腰大臣の御見解を教えていただけますでしょうか
(答)今、幾つかの分野で共同経済活動の進捗が始まっています。漁業の養殖の関係では、ウニに関しては海域などもほぼ固まり、具体的な作業が進められるところまで来ていると思っております。
 また、隣接地域においても、ウニの稚貝を育成するための栽培漁業センターの整備というようなことも決まっております。具体的に進み始めている分野、そのほかに、観光をどうするかといったような、人の移動の枠組みをしっかり決めないとなかなか進めにくいという分野もあります。いろいろな意味で問題、課題がある分野もありますけれども、そこをできる限り早く日露双方間の話合いによって前に進めていこうという状況ではないかと考えております。
(問)先程、閣議の決定の中で、島尻補佐官の辞任の発表がありましたが、改めて大臣の受け止めと、あと後任人事を検討されているか教えてください。
(答)先程申し上げましたけれども、島尻前補佐官からは、これまで精力的に推進していただいた「沖縄子供の貧困緊急対策事業」につきまして、3年間のモデル事業の期間を終え、一定程度事業が軌道に乗ったことから、補佐官としての仕事に区切りを付けたい旨の申出がなされ、これを受理いたしました。
 島尻さんは、本事業をより強力に推進するため、自ら経済界や教育界の方々と積極的に連携しつつ、支援員の配置あるいは居場所づくり、親の経済的自立の支援等に取り組んでいただきました。数字の上でも、沖縄県においても、この子供の貧困に関する数値なども相当下がってきていると。全国的に下がってきているので、全国と比較すると、未だにやはり貧困率が2倍というような状況ではあるものの、相当効果が出てきていると考えております。これにつきましても、この緊急対策事業の制度の創設に当たられた島尻さんの功績というのは極めて大きいのではないかと思っておりまして、島尻さんのこれまでの貢献に深く敬意を表したいと考えております。
 なお、後任の補佐官ということでありますけれども、現時点では特に考えていないということを申し上げておきたいと思います。
(問)昨日、総務省の方で基幹統計の調査結果が発表されまして、22の統計に誤りがあったということが出てきております。その上で、その22あったことに対する所感と、それに合わせて一般統計についても今後調査を進めるということですが、所管で何か関係するものがあるのか、その調査に対する受け止めといいますか、意向について伺えますでしょうか。
(答)今般、統計の信頼性を損なう事態が生じたことは、閣僚の一人として極めて遺憾であると考えております。
 本日の閣僚懇談会におきまして、総務大臣より、基幹統計の点検結果の報告と、一般統計についても検証を行っていく旨の御発言がありました。統計は、政策立案の基礎となるものでありまして、再発防止、品質向上は極めて重要であると認識いたしております。
 私の担当している分野の一般統計としては、11統計があります。全て申し上げるわけではありませんが、その中でも、例えば「青少年のインターネット利用環境実態調査」であるとか、それから、「幼稚園、保育所、認定こども園等の経営実態調査」であるとか、そういう重要な調査も一般統計の中に含まれているということでありますので、私といたしましても、総務省が行うこの一般統計の検証にしっかりと協力するとともに、必要な対応に漏れないよう万全を期してまいりたいと考えております。
(問)普天間飛行場の辺野古移設に関してなんですけれども、県民投票が行われる予定で、昨日、その投票について、新たに二択から三択にするということで、県議会の全会派が一致したということなんですけども、それについて受け止めの方をお願いいたします。
(答)そういう報道がなされているということは承知いたしております。
 県民投票につきましては、これまでも申し上げているとおりでございますが、地方公共団体が条例に基づいて行うものであるために、大臣という立場で見解を述べるということについては差し控えさせていただきたいと考えております。
(問)先日、オリオンビールが野村ホールディングスと外資の投資会社によって買収されるということが発表されました。オリオンビールは沖縄でも数少ない製造業、有力製造業ですが、今後この買収によって経済振興に与える影響と酒税の在り方について、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)1月23日、オリオンビール株式会社が取締役会において、いわゆるマネジメント・バイアウト、MBOの一環として行われるオーシャン・ホールディングス株式会社による普通株式に対する公開買付けに賛同の意見を表明し、株主に対しては本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をしたことは承知いたしております。
 個別企業の経営判断に関する事項でありまして、また、詳細を承知していないことから、コメントは差し控えますが、いずれにしても、沖縄振興を担当する大臣として、オリオンビール株式会社をめぐる動向をしっかりと注視してまいりたいと考えております。
(問)来週からいよいよ通常国会が始まります。大臣の所管でもいろいろと法案があるかと思いますが、どういったように国会審議に臨んでいきたいか、お願いします。
(答)28日から始まります通常国会におきまして、今年度第二次補正予算案と来年度予算案に加えまして、私の担当分野に関する法案も3本、審議をお願いする予定でありまして、緊張感をもって国会審議に臨んでまいりたいと考えております。
 法案につきましては、まずは子ども・子育て支援法の改正法案を提出いたしまして、本年10月から幼児教育の無償化を実現できるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 また、独占禁止法の改正につきましては、事業者による調査協力を促進し、適切な課徴金を課すことができるようにすることで、公正で自由な競争による我が国経済の活性化と、消費者利益の増進を図ってまいりたいと考えております。
 この2つの法案につきましては、関係の皆様の御議論も踏まえて、早期に国会に提出できるよう、最終的な調整を進めてまいります。
 さらには、継続審議とされております成年被後見人等権利制限見直し法案につきまして、障害者関係団体からも早期制定を求める要望が出されておりまして、引き続き早期成立に向けて努力してまいりたいと考えております。
(問)大臣、琉球泡盛原料の県産米化等、進めたい考えを以前から示してこられましたが、今週末の沖縄出張の際の説明会に臨むに当たって、県産米の栽培の普及、あるいは原料使用の普及を進める上で、議論として煮詰まってきた部分があれば教えていただければと思います。
(答)琉球泡盛の海外輸出を進めていくためには、泡盛のブランド価値を高め、その魅力を最大限PRしていく、地域に根差した原料調達、いわゆる「テロワール」を実現するということが極めて重要な課題であると思っております。そのため、泡盛の原料となる長粒種米の沖縄県内での生産を進めることを目的に、米産地の市町村長やJA、あるいは生産者の方々、泡盛製造業者の皆様に御出席いただきまして、長粒種米を本格栽培した場合の生産者や泡盛製造業者のメリットなどを説明させていただくため、本説明会を開催するものでありまして、私自ら説明を行うことを予定いたしております。琉球泡盛と沖縄県産の米を結びつけることによって、米農家は収入が増え、泡盛製造業者にとっても県産の原料により、テロワールの泡盛を製造し、自信を持って海外輸出を促進していけるWinWinの関係をつくっていけると確信いたしております。
 詳細につきましては、その説明会の折に、この関係省庁あるいは沖縄県の方からも御説明がある予定であります。全ての関係者の皆様の御協力をお願いしたいと考えております。

(以上)