宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年1月18日

(平成31年1月18日(金) 10:30~10:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨

 
 今朝は私の方から2点御報告があります。
 まず、ギャンブル等依存症対策推進担当大臣として発表いたします。
 本日午後、神奈川県横須賀市にある独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターを訪問いたしまして、ギャンブル等依存症対策に関する現地視察を行う予定です。
 依存症対策の全国拠点機関として指定されている久里浜医療センターを訪問して、実際に依存症の方々と接している職員の皆様の生の声をお聞きすることで、本年5月までに策定することとされている「基本計画」の内容検討を含め、今後の政策立案に役立てたいと考えています。
 詳細につきましては、内閣官房ギャンブル等依存症対策推進本部事務局にお問合せください。
 2点目でありますが、少子化対策を担当する大臣として報告いたします。
 この度、「子連れ支援」を軸とした総合的な取組を進めることといたしました。
 我が国は国際的にみて、自分の国が「子供を生み育てやすい国」と思う者の割合が低く、その理由として、「教育費の支援・軽減」や「保育サービスの充実」のほか、「柔軟な働き方ができるかどうか」、「子供を生み育てることへの社会全体の理解」に対する肯定的な回答割合が低い傾向にあります。
 こうした中で、今週15日に視察させていただいた「NPO法人子連れスタイル推進協会」で最も印象的だったのは、仕事「と」子育てを別々のものとして両立を図るのではなく、仕事「も」子育て「も」同時に両立させ、生き生きと働かれているスタッフの皆様の姿でありました。
 「子連れ」で働くことができる環境が、優秀な人材確保という企業の経営戦略の観点からも、また、性別を問わず、さらには子育て中のスタッフだけではなくて、周りのスタッフにとっても、大きなメリットがあるということを実感いたしました。
 このため、現在進めている、幼児教育・高等教育の無償化や待機児童対策と併せ、日常生活の様々な場面における「子連れ支援」を重点的に進めることにより、少子化対策を総合的に更に前に進めていくことといたしました。
 具体的には、職場、買物、旅行など様々な日常生活の場面における子連れ世帯の支援を行う地方自治体の取組に対しては、来年度から新たに「地域少子化対策重点推進交付金」の補助率を、通常の2分の1から3分の2にかさ上げいたします。また、地方自治体からの求めに応じ、有識者を派遣し、効果的な事業の実施ができるよう地方自治体を支援してまいります。
 詳細につきましては、子ども・子育て本部にお問合せください。

2.質疑応答

(問)今、御発表いただきました「子連れ支援」の取組推進なんですけれども、先般、大臣が視察後にこういった方向性、表明されたことについて、各種報道とかSNSに、前提のないちょっと政府による子連れの推進というのは、なかなかちょっと理解を得難い部分があるのではないかとか、あるいは批判の声も、「実際に自分だったら子連れ出勤したくない」というような声も多々上がっているんですけれども、例えば通勤ラッシュ時を避けた時差出勤との併用ですとか、あるいは大前提として従業員の方の同意とかニーズというものを確認するという何らかの前提がないと子連れ出勤の推進自体が受け入れられにくい環境にあると思うんですが、この辺り、大臣のお考えはいかがでしょうか。
(答)今回の取組は、子育てにやさしく理解のある社会を目指した「子連れ支援」でありまして、その一つの例が「子連れ出勤」であります。「子連れ出勤」は、企業それぞれのお考えや子育て中の社員のみならず周囲の社員の希望、地域の実情などを踏まえて行われるべきものでありまして、飽くまでも選択肢の一つとして捉えていただければと思っております。
 また、もとより、母親だけを対象としたり、政府や企業が強制するものではありません。こうした点を丁寧に説明していくとともに、関心を持っていただいた自治体の取組を後押ししたいと考えております。
(問)先日、15日にいばらき出会いサポートセンターも併せて視察されたと思いますが、その視察の内容と受け止めをお聞かせください。
(答)若い世代では、男女共に約9割の方が「いずれ結婚するつもり」と考えていますが、「適当な相手にめぐり会わない」などの理由で結婚の希望がかなえられていない状況にあります。こうした結婚の希望の実現に向け、公的な支援に取り組むべきとの声も多いことから、国と地方自治体が連携して支援に取り組んでいるところであります。
 15日に視察しました茨城県の出会いサポートセンターでは様々なお話を伺ってまいりましたけれども、中でも小規模な自治体が単独で取り組んでもうまくいかず、広域的な取組が非常に有効であるとのお話がありまして、私としても全くそのとおりであると感じた次第であります。
 こうした点も踏まえまして、来年度から新たに、複数の地方自治体が連携して行う取組について、補助率を2分の1から3分の2にかさ上げすることにいたしました。
 結婚支援の取組に当たりましては、特定の価値観の押し付けになったり、プレッシャーを与えたりすることなく、飽くまで結婚の希望を叶えるという観点から行われなければならないことは言うまでもありません。その上で新たな仕組みを活用いただき、複数の地方自治体が連携して取り組む結婚支援が一層進むことを期待いたしております。
(問)本日の閣議で勤労統計の修正をめぐる予算案の修正が閣議を通りましたが、その今回の事態に対する受け止めを改めてお伺いしたいのと、前回の会見で言っておられた国家公務員の退職手当の調査状況、現段階どうなっているか伺えますでしょうか。
(答)先の会見でも申し上げましたけれども、今回のような事態を招いたことにつきましては、極めて遺憾であると思っております。その上で、しっかりとこの追加給付を漏れなく確実に行っていく必要がある、かつこれを迅速に行っていく必要があると思っております。
 国家公務員制度に関連する給付につきまして、失業者の退職手当、公務災害の補償など追加給付につきましても、平成31年度予算案に追加計上を行っていると承知いたしております。
 具体的には、毎月勤労統計の見直しの影響を受けることにより、失業者の退職手当について追加計上された額は約1,400万円であると承知いたしております。また、公務災害の補償につきまして追加計上された額は、各府省と合わせて約100万円であると承知いたしております。
(問)昨日の世界遺産条約関係省庁連絡会議で奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の推薦書提出が決まりましたが、受け止めをお願いします。
(答)昨日の局長級の世界遺産条約関係省庁連絡会議におきまして、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の推薦書をユネスコに提出することにつきまして閣議了解を求める旨が決定されたと承知いたしております。
 推薦書の提出は、正式には閣議了解を経る必要がありますので、現段階での発言は控えたいと思いますけれども、関係省庁で必要な作業が進められていることは大変喜ばしいことと考えておりまして、世界遺産登録に向けて、内閣府としても必要な協力をしっかり行ってまいりたいと考えております。
(問)島尻安伊子さんの衆院沖縄3区補選への擁立が進んでいます。宮腰大臣の補佐官も務められていらっしゃいますが、意向などを確認されたか教えてください。
(答)昨日、島尻補佐官が大臣室にお越しになりまして、年始の御挨拶をいただくとともに、補佐官の業務の状況等についてお話をさせていただきました。やり取りの詳細につきましては差し控えさせていただきたいと思っております。
(問)泡盛の海外輸出プロジェクトについてお伺いさせていただきたいんですけれども、昨年の会合でタイの駐日大使の方が沖縄でタイフェスティバルをするようにというふうな提案がありまして、大臣から知事の方にも打診されていると思いますが、調整状況、また、開催への大臣の改めて期待をお聞かせください。
(答)タイフェスティバルにつきましては、東京の他、国内各地で開催され、好評を博しております。私も昨年、東京で開かれたタイフェスティバルに参加いたしました。約20万人から30万人の毎年の参加があると伺っておりまして、大変な盛会でありました。
 タイと沖縄につきましては、泡盛の御縁のみならず観光、文化という側面、また、昨今、那覇・バンコク便が開通したという利点も活かしまして、集客力のあるタイフェスティバルを沖縄で開催することが沖縄経済や観光の観点からも重要であると考えております。
 主催者の一人である駐日タイ大使館のブンナーク大使からは非常に前向きな御回答をいただいているところでありますので、県庁や経済界を含め、沖縄サイドでこれに呼応した具体的な動きをしていただけるよう、私もこれまでも沖縄県に対して働き掛けてまいりましたけれども、これからも引き続きしっかりと沖縄県に対しても働き掛けていきたいと考えております。
(問)消費者庁で取り組んでいる食品ロスに関連して伺いたいのですが、先日、農水省の方から恵方巻きの適正な販売ということで、通達が出ました。これについての消費者庁も取り組んでいらっしゃいますので受け止めというのと、あと、食品ロス全体に対してどのように進めていくかという大臣の所感があればお聞かせ願えますでしょうか。
(答)恵方巻きにつきまして、農林水産省が小売団体に対し需要に見合った販売を要請したことは、社会全体で食品ロスの削減について考えるいい契機になるものと評価しております。農水省からは、食品ロス削減に関する関係省庁の一員として消費者庁にも事前に連絡がありました。農水省の取組を支持する旨、農水省に伝達しております。
 食品ロス削減につきましては、国民運動として展開されておりまして、その機運を高めるためにも、食品ロスに関する関係省庁の事務局を務めております消費者庁が先導的な役割を果たし、関係省庁や関係業界の取組を支援する必要があると考えております。
 現在、国会や党におきまして、食品ロス削減に向けた御議論がありますことから、消費者担当大臣としてこうした流れも加味しつつ、食品ロス削減がより実効性のある取組となるよう、しっかりと引き続き取り組んでいきたいと考えております。

(以上)