宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年12月21日

(平成30年12月21日(金) 11:40~11:57  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 今日は私の方から4点御報告があります。
 まず、平成31年度の機構・定員の審査結果につきまして、本日の閣議で報告をいたしました。今回の審査に当たりましては、内閣の重要課題に確実に対応できる体制の整備を図るとともに、府省の枠を超えた機構・定員の再配置を積極的に推進をいたしました。
 機構につきましては、カジノ管理委員会及び出入国在留管理庁を新設し、各府省に公文書管理と情報公開の適正を確保するため、公文書監理官を設置することとしました。
 定員につきましては、新設組織への定員措置のほか、税関・出入国管理・検疫のいわゆるCIQ体制や海上保安体制の強化について、緊急重点分野として優先的に増員を行いました。その他の分野につきましても、地震や豪雨災害からの復旧などへの時限の定員を含め、内閣の重要課題に重点的に措置しました。また、障害者雇用の推進のため、各府省に必要な定員を措置しております。
 詳細につきましては、内閣人事局にお問合せください。
 2点目でありますが、沖縄担当大臣として御報告いたします。先程平成31年度予算案が閣議決定されました。沖縄振興予算案につきましては、3,010億円を計上しています。厳しい財政状況の下ではありますが、従来の政府方針のとおり、3,000億円台の予算を確保することができました。
 今回の予算案では、返還基地跡地利用のモデルケースたるべき沖縄健康医療拠点の整備、北部及び離島の地域振興、子供の貧困緊急対策、製糖業の体制強化等に係る予算を、30年度予算に比べ増額して計上しております。
 また、大規模災害時に想定される観光避難民への市町村の対応を支援するための予算や、沖縄の自立的発展に資する事業であって、迅速・柔軟に対応すべきものを推進する市町村等向けの予算を新たに計上しました。
 次に、平成30年度第2次補正予算案につきましては、沖縄における道路、港湾、空港事業等に係る「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」等に要する経費として70億円、さらに沖縄科学技術大学院大学(OIST)の第4研究棟の早期供用開始に必要な設備等の整備などに早急に対応する必要があるため25億円を計上しております。
 これらの予算を有効に活用することによって、引き続き沖縄振興に全力で取り組んでまいる所存であります。
 3点目でありますが、子ども・子育て支援、少子化対策、子供の貧困対策に関する予算等について報告します。
 子ども・子育て支援につきましては、平成31年度予算案において、先日申し上げましたとおり、「子育て安心プラン」の実現に向け、事業主拠出金を0.29%から0.34%に引き上げ、新たに1,000億円程度の財源を確保するなど、合計で2兆8,834億円を計上いたしました。幼児教育・保育の無償化につきましては、10月からの実施に係る下半期分として公費3,880億円を計上しています。また、保育士等の処遇改善として、平成30年度補正予算案において、人事院勧告に伴う国家公務員の給与改定に準じた0.8%の改善を今年度当初に遡って行うことに加え、平成31年度予算案において、更に1%の処遇改善を行います。加えて、企業主導型保育事業について、固定資産税の課税標準を減免する特例措置の期限を2年間延長しました。
 次に、少子化対策と子供の貧困対策に取り組む地方自治体を支援する交付金について、厳しい財政事情の中、所要額を確保しました。具体的には、地域少子化対策重点推進交付金については、平成30年度補正予算案で16億円、平成31年度予算案では9.5億円を計上しました。また、地域子供の未来応援交付金につきましては、平成30年度補正予算案で2.5億円、平成31年度予算案では1.5億円を計上しました。これらの交付金については、更に使い勝手がよくなるように、複数年度にわたる長期的な取組を支援する仕組みを導入し、地域の実情に応じた取組を行う地方自治体の支援を強化します。また、結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置については、来年度から受け取る子や孫に対し1,000万円の所得制限を設けた上で、2年間延長することになりました。
 詳細は事務方までお問合せください。
 最後に、消費者関係で予算等について御報告いたします。
 地方消費者行政の充実強化、成年年齢引下げを見据えた消費者教育の推進、SDGsの具体化等を図るため、今年度補正予算案として20.6億円、来年度予算案として118.2億円を計上しております。このほか、消費者教育を専門に担う課の新設も盛り込まれたところであり、これらの措置を総合し、来年10年目を迎える消費者庁が10年目を迎えるに相応しい組織となるよう担当大臣としてしっかりと取り組んでいく考えです。
 予算や組織の詳細につきましては、消費者庁にお問合せください。

2.質疑応答

(問)沖縄振興予算に関しまして、コメントも頂いておりましてありがとうございます。これで総合的、積極的に推進するための所要額を確保できましたということですけれども、やっぱり沖縄県が要望していた額には届かない形となっておりますが、その辺りについてのお考えをお聞かせいただければと思います。
(答)今回、概算要求では3,190億円を要求させていただいたのでありますが、今回の決定については、まずは何よりも、現行の沖縄振興計画期間中、毎年3,000億円台を確保する旨の総理発言によりまして、現行計画以前の水準より一段高い水準を確保することができたと考えております。
 今回の予算案につきましても、現下の国の厳しい財政状況の下ではありますが、この基本方針に沿った形で必要な額を積み上げまして、3,010億円の予算を確保することができ、一定の成果を挙げることができたと考えております。
(問)今回新設された市町村向け予算の意図、狙いについて改めて御説明をお願いします。
(答)新規計上しております「沖縄振興特定事業推進費」につきましては、沖縄振興特別措置法の基本理念の下に、ソフト一括交付金を補完し、特に沖縄の自立的発展に資する事業であって、機動性を持って迅速・柔軟に対応すべきものを推進する市町村向けの予算として、新たに30億円を計上したものであります。県と比較して相対的に財政規模が小さい市町村において、多様な地域課題、政策課題への迅速・柔軟な対応が困難なケースもあり得るということで、この推進費は、このようなケースに備え、事業を機動的に実施するための財源として、ソフト一括交付金を補完し、主に臨機応変な財源捻出が困難な市町村に配分されるということになっております。
(問)沖縄予算に関連してなんですけれども、今回、前年と同じ3,010億ということですけれども、玉城知事が概算要求以上の一括交付金の確保というのを要望されていたと思うんですけれども、その反面、95億のマイナスという形になりました。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)沖縄予算はソフト交付金ばかりでないので、他の予算も含めてトータルで是非見ていただきたいと思っております。例えば補正予算で昨年に比べて、特にOISTの25億円については、実は純増になっております。第4研究棟の完成を急ぐとともに、ハコモノだけでは使えないので、早く中の設備について整備をしたいというOIST側からの強い要請も直接お受けいたしまして、今回の補正予算の中で前倒しで措置するということにさせていただきました。
 また、御案内のとおりでありますが、那覇空港第2滑走路を再来年の3月までに事業完了させるということで、これまで三百数十億円ずっと計上しながらやってまいりまして、スピードアップを図ってまいりました。来年は最終年度ということで、ターミナル分も含めても、ざっとその分については100億円ほど整備費は減額になるということになりますが、その減額になった部分を他の事業に充てることができるように、全体として公共事業費としては同額といたしました。
 実質的に考えてみますと、この2点をとっても125億円程度の増額ということになっているのではないかと思っております。そういたしますと、3,190億円から見ると、若干概算要求からは減ってはいるものの、ほぼ必要な予算については確保できたのではないかと考えております。
(問)来年度予算案の総額の捉え方についてお伺いしたいんですけれども、玉城知事、3,190億円の概算要求の満額をお願いしていたということで、一方で今回は3,010億円ということで、概算要求から比べて減っているということで、一方で辺野古をめぐって国と沖縄県の対立も続いていると思うんですけれども、今回の予算の捉え方と、国と県が対立しているというところで、そういった関係、改めてお伺いできますでしょうか。
(答)直接は関係ないと考えております。今程御説明申し上げたとおり、補正の分と、それから第2滑走路の減額の分が他に回るということを含めると、ざっと3,135億。3,190には届かなかったものの、実質的に必要な額は確保されていると考えておりまして、概算要求そのままみんな認めていただければ、なおありがたいんですが、なかなか現下の財政事情の下では、そこまではやはりなかなか難しい。必要な予算は十分確保できたものと考えております。
(問)先程お話出ました市町村等向けの予算について、今回の新制度は一括交付金を補完するものという位置付けだったと思いますが、これまで一括交付金については県と市町村が話し合って配分額を決めてきたところだと思います。今回の新制度については、県を通過することになるとして、懸念の声も今後あり得るかと思いますが、大臣としての御見解、お考えを伺えればと思います。
(答)先程も申し上げたんですけれども、ソフト一括交付金ではなかなか対応し難い、特に臨機応変な財源捻出が困難な市町村において、多様な地域課題、政策課題に迅速、それから柔軟に対応する必要がある事業、これを機動的に実施するための予算として推進費を計上することにいたしました。
 推進費は沖縄振興特別措置法の理念の下で、ソフト一括交付金を補完するという性格の財源でありまして、いろいろな意味でソフト交付金の果たしてきた役割も大きいとは思うんですが、それだけでは十分に対応できていない事業もあるということで、沖縄県内の市町村、あるいは自民党の沖縄振興調査会などでの議論、あるいは地元要請なども踏まえて、今回、推進費を新たに設けるということにしたものであります。
(問)今の質問に関連してなんですけれども、現行の振興計画というのは、県の自主性というのを重んじて作られたと思いますが、直轄の事業が増えることによって、県の自主性というのはどのようになっていくかというふうに大臣としてお考えでしょうか。
(答)県の自主性は十分に尊重しているということだと思っております。しかし、ソフト一括交付金では、何回も申し上げますけれども、なかなか対応できないという地元の市町村からの要望でありますとか、我々が直接いただいている要望もあれば、与党がいただいておいでになる具体的な要望もあります。そういうものも踏まえまして、今回、ソフト交付金を補完する性格の予算として推進費を計上させていただいたということだと考えております。

 すみません。(先程の予算案の捉え方についての補足ですが、)金額的には3,010億プラス25億ということでありますが、仮に那覇空港第2滑走路の事業費が今年度と同じとすれば、実質的には125億の事業費の増加となっていると思っております。

(以上)