山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成31年1月8日

(平成31年1月8日(火) 10:59~11:13  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 まずは、明けましておめでとうございます。どうぞ本年もよろしくお願いを申し上げます。
 私の方から今日は2点、発言をさせていただきます。
 第1点目でありますけれども、中央防災会議「防災対策実行会議」の報告についてでございます。本日、閣議前に、官房長官が座長を務める中央防災会議「防災対策実行会議」を開催をいたしました。
 会議におきましては、「平成30年7月豪雨による水害・土砂災害からの避難に関するワーキンググループ」及び「南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応検討ワーキンググループ」の報告書を受けた政府の対応として、官房長官より、以下2点について、御指示を頂きました。
 第1点目でありますけれども、豪雨に備えた避難対策の徹底強化であります。具体的には、気象庁の防災気象情報との関係も含めて、5段階の警戒レベルの運用について本年度中に自治体向けのガイドラインに反映をさせ、国民に周知徹底するなど、本年の梅雨や台風シーズンに備え避難対策を徹底強化をすること。
 2点目につきましては、実効性のある南海トラフ地震対策の推進です。具体的には、災害対策基本法の枠組みの下、南海トラフでの後発地震に備えた住民の避難、企業の対応等について、自治体や企業向けのガイドラインの作成や実効性のある仕組みづくりを進めること、以上の2点が指示されました。
 この御指示を受けまして、1点目の「豪雨に備えた避難対策の徹底強化」につきましては、次期出水期に向けて実施する対策を取りまとめ、避難勧告等に関するガイドライン、これを年度内に改定するなど、必要な対策を講じる予定でございます。
 また、2点目の「実効性のある南海トラフ地震対策の推進」につきましては、関係省庁と連携をして、防災基本計画等の見直し、個別分野の方向性を速やかに検討し、年度内にガイドライン案を策定し、再来年度、2020年度のしかるべき時期に本格運用を行う考えでございます。
 加えまして、本日の会議において、昨年4月に「防災対策実行会議」の下に設置した「国と地方・民間の「災害情報ハブ」推進チーム」の検討を踏まえて、内閣府が今年度より立ち上げました「Information Support Team」略してISUT(アイサット)と呼んでおりますけれども、このISUT(アイサット)の活動について報告を行いました。
 ISUT(アイサット)は、大規模災害時に被災情報や避難所の情報などを集約・地図化して自治体等の災害対応を支援するチームでございます。今年度は平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震において試行的に活動をしております。
 ISUT(アイサット)は、平成31年度から全国で本格運用を開始する予定であり、官房長官より、早期の本格的な運用に向けて、自治体との調整を進めるよう御指示を頂きましたので、都道府県等への周知など、必要な準備を着実に進めてまいりたいと思っております。これが1番目の報告です。
 それからもう1点、警察関係で申し上げたいと思います。
 今日の閣議でございましたけれども、私の方から報告いたしました。昨年の交通事故による死者数は、3,532人で、警察庁が保有する昭和23年以降の統計で最少となった前年を更に下回りました。これは、政府をはじめ、関係機関・団体や国民一人一人が交通事故の防止に向け、積極的に取り組んできた結果だと考えております。
 しかしながら、今なお多くの尊い命が交通事故で失われていることには変わりなく、飲酒運転等の悪質・危険な運転による重大な交通事故も依然として後を絶ちません。
 このような交通情勢を踏まえ、本日の閣議において、私からは、子供と高齢者の安全確保や高齢運転者の交通事故防止等を重点として、各界各層と連携しながら、交通安全教育、交通指導取締り、交通安全施設等の整備、先端技術の普及活用等の諸対策を着実に推進していくことを発言いたしました。
 国民の皆様には、より一層の交通安全の取組や、安全な交通行動の実践をお願いしたいと考えております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)南海トラフに関してなんですが、先ほど大臣から災対法の枠組みで進めるというお話ありましたけれども、地震予知を前提とした大震法について、今後どのように取り扱うのか、見直しの有無も含めてお考えをお願いします。
(答)御案内のとおり、南海トラフ沿いでマグニチュード8以上の大規模地震が発生した場合に地震発生直後から広く南海トラフ沿いの沿岸に大津波警報等がまずは発表され、市町村長からは住民に対する避難指示等が行われるとともに、政府は緊急災害対策本部、これを設置することが想定をされております。
 このため、今回示された半割れのケースにおける防災対応につきましては、現行の災害対策基本法等の枠組みの基で対応することが可能であると我々、今考えているところであります。
 なお、詳細を詰めていく過程におきましては、防災体制の確立に当たって、必要がある場合は、大震法等の法改正も含めて、今後検討してまいりたいというふうに思っております。
(問)確認ですけれども、当面の間は運用の凍結を維持するという理解でよろしいんでしょうか。
(答)そのとおりであります。
(問)元旦に、原宿の竹下通りを車が暴走しまして、多数の方が怪我をするという事件がありました。今日でちょうど1週間ということになるんですけれども、今後、国内ではオリンピック・パラリンピック、それからG20などの大規模なイベントが続く中で、この種の犯罪、あるいはテロをどのように防いでいくのか、大臣のお考えを聞かせてください。
(答)お尋ねの事案でありますけれども、正に無差別に凶行に及んだ、極めて悪質な事案であり、まずは被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い回復をお祈り申し上げたいと思います。
 現在、警視庁において、犯行に至った経緯等を含め、事件の全容解明に向けて捜査を進めているものと承知をいたしております。
 今後、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等も控えておりまして、道路管理者における防護柵やボラードの設置など、大規模イベント時に、あるいはまた重要施設等における車両阻止のための取組、これを引き続き進めていくように、警察を指導してまいりたいというふうに思います。
 参考でありますけれども、警察における車両や車両阻止用の資機材の活用による車両阻止対策であったり、あるいはまた借用時の本人確認の徹底等についてのレンタカー事業者への働きかけも今後しっかりとしていきたいというふうに思っております。
(問)2点お伺いしたいんですけれども、まず1点、南海トラフの件について伺わせてください。
 2020年度の本格運用ということなんですけれども、今年度、ガイドラインを作成するということになりまして、自治体とかは多分このガイドラインを基に地域の防災計画などの見直しを進めていくということになると思うんですが、そうなると大体1年ぐらいを掛けて地域の防災計画であったりとか、国の計画などを見直していくというスケジュール感で見ておけばよいものでしょうか。
(答)国がいろんな制度を今後検討していくわけでありますけれども、本格運用につきましては、その開始時期について、これ関係省庁との調整が非常に重要でありますし、それと同時に地方公共団体との連携というものをしっかりとって、防災対応の検討、あるいは国民への周知等々踏まえて、これも適切に判断していかなければならないというふうに思っておりますので、そういったことをベースにして、再来年度、2020年度のしかるべき時期にというような表現をさせていただいたわけであります。
(問)そうすると、大体期間的に引き算すると1年ぐらい掛けてやっていくという形で。
(答)そうですね。
(問)あともう1点、豪雨の対策のところについてお伺いさせてくださいませ。
 豪雨についても今年度、避難などのガイドラインを見直して、防災気象情報含めた5段階の警戒レベルの本格運用に向けてということなんですが、この5段階の警戒レベルの本格運用も、次の出水期に向けて実施するという方向性ということで、確認ですが大丈夫でしょうか。
(答)正に7月豪雨で、あのような大きな災害が出ました。
 したがって、その後、ワーキンググループをつくって、そして今の5段階も含めたいろんな報告書が出されたわけでありまして、この報告書を早くに出して、そして、今ほどおっしゃったように、次期の出水期にしっかりと対応できるような、そういう対応策を講じていきたいというふうに思っておりますので、正に、それまでに今我々が検討したことが十分生かせるような、そういう状況をつくり出すべく努力をしていきたいというふうに思っております。
(問)今朝の西日本新聞にあったんですけれども、警察の昇任試験の試験問題集を出版している企業から依頼を受けて、全国の17道府県の警察職員が問題や解答の執筆をしていて、中には7年間で1,500万円を受け取ったというような内容も含まれていました。
 こう報じられていたのですけれども、この事案についての国家公安委員会委員長としての受け止めと、この事案について、今後事実関係の確認などされる予定かどうかをお伺いしたいので、よろしくお願いします。
(答)私どもも今日、記事読ましていただきました。この件について、個別の記事内容についてのコメントは差し控えたいと思っておりますけれども、一般論として、警察においては、明らかとなった事実に応じて適切に対処していくと、私どもは認識をしているところであります。
 まずは事実確認を必要に応じて行うということがポイントになるかと思いますので、そういったことをこれから対応していきたいというふうに思っております。
(問)事実確認を、もう警察庁に進めるように指導というような考えでいいですか。
(答)これは現在、ああいう記事が出ましたので、私どもとしてはその記事の中身というものをしっかりと情報収集をして事実確認、どうだったのかということも考えていかなければならないというふうに思いますが、いずれにしても、まだそこまでの対応に至っておりませんので、今後、今ほど申し上げたように事実確認を必要に応じて行うということが極めて重要なことだと思っておりますので、そういう方向で進めてまいりたいと思っております。

(以上)