茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年2月21日

(平成30年2月21日(水) 17:54~18:04  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」の概要を、御報告を申し上げます。
 景気の現状についての総括判断につきましては、「緩やかに回復している」として先月から据え置いております。
 先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待をされます。ただし、海外経済の不確実性や、若干ここのところ収まってきておりますけれど、金融資本市場の動向の影響に留意する必要があります。若干収まってきているというのは、私のコメントです。
 政策の基本的態度については、先月までの表現に加え、平成29年度補正予算を迅速かつ着実に実施すること、平成30年度予算及び関連法案の早期成立に努めることなどを記載いたしました。
 次に、今月のポイントとして2点、私の方から月例経済報告の中で申し上げました。
 1点目は、GDP成長率についてであります。2017年の10-12月期の実質GDPの成長率は、前期比プラス0.1%、年率に換算しますとプラス0.5%となり、実に28年ぶりに8四半期連続のプラス成長となりました。雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費が2四半期ぶりの前期比プラスとなったことや、企業収益が過去最高を更新する中で、設備投資が5四半期連続の前期比プラスだったことなどから、民需の増加に支えられた成長となっております。
 もう1点、個人消費についてであります。2017年の個人消費は、実質ベースで2年連続の増加となりました。これは自動車や家電など、耐久財の消費について、買換え需要もあって、前年比プラスに転じている。また、旅行や外食を中心に、サービス消費の増加が続いている。この2点について申し上げたところであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)総括判断は据置きということですが、先行きも表現は変わっていないものの、先程、大臣の方からもここのところ収まってきているがというお話ありましたが、2月に入って米国発の株価が上がったり下がったりということで、一部不安定な動きもあったと思いますが、特に今後はどういったところに留意が必要とお考えか、お聞かせください。
(答)為替、株価についてのコメントは基本的に差し控えるということでありますが、今月に入ってアメリカでいいますと、2月9日からということになると思いますが、金融資本市場の変動、ここについては、徐々に落ち着きを取り戻しつつあると考えております。
 また、日本経済、また、主要国経済のファンダメンタルズもしっかりしていると考えております。
 先日申し上げましたが、日々の変動も注視をいたしますが、より中長期的な視点から見ていくことが重要ではないかなと考えております。
 いずれにしても、企業が生産性を上げ、収益を上げて、それを賃上げにつなげていくと。そのための税制、予算、規制改革など、環境整備、しっかりと進めていきたいと考えております。
(問)閣僚会議で示された資料の9ページの雇用情勢のところで、女性や高齢者についてさらなる労働参加の余地があるというような分析があるのですけれども、ちょっと改めてになるのですが、そういった女性、高齢者の雇用機会というか労働機会を増やしていくには、どういう対策、政策が必要か、お考えがあれば、よろしくお願いいたします。
(答)まず、実績でありますけれど、5年にわたりますアベノミクスの推進によりまして、雇用・所得環境の改善が続く中で、雇用者数は251万人増加をいたしました。これは昨年の数字が入りましたので、今まで185万ということを言ったと思いますが、251万人増加をいたしました。
 そのうち、女性の就業者数は201万人増加をし、15歳から64歳の女性の労働参加率、これは63%から69%に上昇しております。
 また、男女合わせた65歳以上の方々の就業者数も、この5年間で200万人増加をし、高齢者の方の労働参加率、20%から24%に上昇いたしております。
 こういった女性であったり、高齢者の労働参加をさらに促していく、このためには、一人一人がライフスタイルに応じた多様な働き方を選択できるようにすることが、何より重要だと考えております。
 それと併せて、人生100年時代と、これを見据えたリカレント教育の充実。例えば、子育てが一段落した女性が職場復帰をするための支援であったりとか、ITスキルを身に付けるための職業訓練の充実等によりまして、誰もが幾つになっても様々な環境の中でキャリアアップの機会が得られる社会にしていくと、こういったことが重要だと考えております。
(問)閣僚会議の資料などでも個人消費、持ち直しているという形できております。これまでの間、個人消費の中でも高額所得者の、百貨店などとても調子がよかったというようなお話も聞いていまして、足下の落ち着いてはきているけれども、株安などは影響しないかという御懸念はないでしょうか。
(答)例えば、家電であったりとか耐久財、買換え需要などはありまして、順調な動きをしているところはあるわけでありますけど、天候等に対する影響と、こういったことも、例えば、1月の景気ウォッチャー調査を見てみますと、天候の影響等によりまして、来客数は減少していると、こういう声がある一方で、スーパーではまとめ買いによって前年並みというコメントもあったところでありまして、こういった状況も注視をしていきたいと思っておりますが、消費の先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、持ち直しが続くことを期待しております。
(問)一番最初の質問と重なるというか、確認の意味でなのですけれども、株式市場、あるいは為替市場に関して見ますと、先月までと比べると、先行きの不透明感、若干増しているのかなというふうな気がするのですけれども、改めて先行きはどう見ていらっしゃるのでしょうか。
(答)先程申し上げたように、日々の動きについてのコメントは差し控えたいと思いますが、今月というスパンで見ますと、金融資本市場の変動が見られたわけでありますが、それにつきまして、徐々に落ち着きを取り戻していると、このように考えているところでありますし、また、先行きも含めて日本経済、主要国経済のファンダメンタルズ、これはしっかりしていると、こういう考え方を持っております。

(以上)