茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年1月5日

(平成30年1月5日(金) 13:39~13:50  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 早速ですが、来週の月曜日、1月8日から12日にメキシコに出張いたします。メキシコでは昨年末のベトナム出張と同様に総理の御指示も受けまして、TPP11の早期署名・発効に向け、署名のタイミングや、それに至るまでの道筋について、グアハルド経済大臣と意見交換を行うことといたしております。また、ペニャ・ニエト大統領にも表敬する方向で調整中であります。
 引き続き関係国と協力して、TPP11の早期署名、早期発効を実現してまいりたいと考えております。
 私の方から以上です。

2.質疑応答

(問)本年もどうぞよろしくお願いいたします年頭ですので、改めて財政健全化についてお伺いします。
 今年の夏をめどに基礎的財政収支の黒字化の達成時期、そして裏付けとなる具体的が示されます。
 改めまして、財政健全化に向けた意気込みをお聞かせください。よろしくお願いします。
(答)安倍政権においては、経済の再生、そして財政の健全化、車の両輪として取り組んでいるところであります。
 昨年の12月の経済財政諮問会議において、民間議員からも本年1月の中長期試算、これはPB黒字化の道筋を議論するための土台となることから、内閣府には過去の実績や足元の経済トレンドを踏まえて、現実的な試算、これをお願いしたい、こういった要望もあったところであります。
 現在作業中の中長期試算については、こうした御指摘も踏まえて、しっかり検討して、できるだけ早く公表したい、そのための準備を進めているところであります。
 今年は御指摘のように、PB黒字化の達成時期、そしてその裏付けとなる具体的な計画を策定する極めて重要な年になります。これまでの改革の取組を経済財政諮問会議において十分に精査をして、本年夏の骨太方針、6月ということになると思いますが、ここにおいてPB黒字化の達成時期がいつになるのか、そしてまたその裏付けとなる具体的な計画、こういったものをお示ししていきたいと思っています。
(問)今年もよろしくお願いいたします。PBの目標に関連して、諮問会議の委員の方からも現実的な試算ということがありました。
 ただいま現在のところは、成長ケースとベースラインという二つのケースで想定していますけれども、そのラインを変えたりですとか、本数を増やしたりというようなことはお考えはありますでしょうか。
(答)本数を増やすことは考えておりません。ただ、これまでの経済の成長トレンド、そして足元の経済状況、更には将来的な金利の見通し等につきましてももう一度精査をした上で、新しいラインを引きたい、このように思っています。
(問)先程のメキシコへの御出張についてお伺いします。メキシコはNAFTAの再交渉を進めているなどカナダとの関係も大変深い国だと思いますけれども、カナダを確実にTPP11の早期署名に導く上で、メキシコにどのような役割を期待されているかということをお教えいただけますか。
 もう一点、今日、総理の方に入っていたと思うのですけれども、こちらもベトナムの時と同じように電話で会談などされたのかどうか、もし可能でありましたら。
(答)今朝、安倍総理とペニャ・ニエト大統領との間で電話会談が行われました。それに私も同席いたしておりました。
 その電話会談におきまして、TPP11が極めて重要であり、そして今年の早い時期の署名、早期発効を目指すということで両首脳が一致を見たところであります。メキシコからもカナダに対し、働きかけ、強く行っている、こういう発言もあったところであります。
 まずはTPP11、これを達成するためにもカナダ以外の10か国と、これがしっかりと結束をして、そしていつでも署名できる、こういう状況をつくることが、カナダに対して前向きな対応を引き出す、こういうことにもつながっていくのではないかと、このように考えております。
(問)海外経済の好調を受けて、年明けも株価が非常に好調だったりするのですが、一方で色々なリスクもあろうかと思うのですけれども、改めてリスク、どのようなところに注視していくべきか、お考えの方をお聞かせください。
(答)足元の経済、極めて順調であると思っておりますし、株価の方も昨日、26年ぶりの高値をつける、こういった状況であります。
 昨年末に閣議了解をいたしました政府経済見通しでは、海外経済、この回復が続くもとで、「新しい経済政策パッケージ」などの政策効果もあって、雇用所得環境の改善が続き、消費や設備投資など民需を中心とした景気回復、これを見込んでいるところであります。
 30年度の実質GDPの成長率についても、昨年7月の年央試算から上方修正いたしまして1.8%、そういう見通し、既に発表したところでありますが、一方で、先行きのリスク要因ということで申し上げますと、海外経済の不確実性、例えば中国の不動産価格であったりとか、過剰債務の問題、更にアメリカ経済、確かに良いわけでありますが、アメリカの今後の政策動向、そしてその国際経済への影響、更には英国のEU離脱問題に伴う不透明感の影響、こういったことなどもありますし、金融資本市場の変動の影響と、こういったこともよく留意していく必要がある、そのように思います。
 先程の御質問で、ラインというか、今の成長ケースとベースラインケースについて、何と聞いたのでしたか。更に2本引くか、4本にするか。
(問)更に線を引くお考えはありますかと私は質問したので、お答え、合っていたと思います。
(答)別に4本にするわけではないです。New two lines、新しいのを2本。つまり、恐らくここのところですね、経済のトレンドとか、今の足元の経済の状況、そのとき見ていた金利の今後の動向等々をより現実的に、時点が変わりましたんで修正をした上で新しいラインというものにしていきたいということです。
(問)新しいラインは、新しくして2本というイメージでよろしいですかね。
(答)そうですね、はい。2本でありますけれども、ベースラインよりも成長ケースですから、基本になりますのは。2本は引きますけれども、成長ケースというのをどういう呼び方かは別にしまして、それを中心にして考えるということです。
(問)二つお尋ねしたいと思っております。
 一つはTPP。TPPについて、一部の報道によりますと、英国がTPPへの参加を検討されているということなのですが、まず大臣の受け止めを教えてください。
 あともう一つですけれども、日本国内の賃上げが非常に重要な課題だと思っております。安倍政権が今まで企業に対して賃上げを促してきたわけですけれども、今年の春闘へ向けて、本当に高い賃上げの実現は可能なのでしょうか。企業側からの反発もあろうかと思いますが、どう乗り越えられるというか、この二つをお願いします。
(答)まず最初の質問でありますが、英国がTPPへの参加を検討している、こういう報道については承知をいたしております。
 様々な国・地域、これは英国だけではなくて、幾つかの国・地域がTPPへの参加に関心を示していること、日本として歓迎したい、このように思っております。我が国としては、そういった関心国・地域に対して必要な情報提供等を行ってまいりたいと考えております。
 ただ、いずれにしても、まずはTPP11、これについて早期署名、そして発効を実現することが第一でありまして、その上で新たな参加国、こういうのについては検討していきたい、こんなふうに考えております。  もう一つ、賃上げの関係でありますが、政府としては先般閣議決定をした「新しい経済政策パッケージ」において、今後3年間を「生産性革命・集中投資期間」と位置付け、大胆な政策を断行していくこととしました。これによって、過去最高の企業収益、これが確実に賃上げや設備投資につながる、こういう環境整備をした、このように今は考えております。
 具体的に申し上げますと3%以上の賃上げなどを行う企業については25%まで、更に革新的な技術に投資する企業には20%まで、法人税負担を引き下げる、こういった税制改革を行いました。更に中小企業の新規設備投資を強力に後押しするため、自治体の自主性に配慮しつつ固定資産税の負担軽減、これについても思い切った措置を講じているところでありまして、これに併せて「ものづくり補助金」も拡充、重点支援をする、こういった対応をとっております。この税制も1月の末から行われます通常国会において、早期に成立を図りたいと考えております。
 こういった環境整備をすることによって、確実に企業がそういった思い切った賃上げや設備投資、これに踏み切ってくれる、このように確信をいたしております。

(以上)