茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年11月14日

(平成29年11月14日(火) 10:30~10:43  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 特になし

2.質疑応答

(問)先週TPPの閣僚会合を終えられて、初めての会見でもあるので、改めて今回の意義ですとか、あるいは今後に向けた課題もあるかと思うのですけれども、そこもあわせて教えてください。
(答)この度、ダナンにおけますTPPの閣僚会合と、大筋合意に至ったわけでありまして、このTPP11、TPP12のハイスタンダードを維持しつつ、11か国全てが合意に参加できるバランスのとれた内容になったと考えております。
 7月以降約4か月にわたって具体的な協議が進んできたわけでありますが、首席交渉官会合4回のうち3回は日本で開催をすると、そしてダナンにおきましても日本が、ホスト国でありますベトナムとともに議長役を務めると、正に日本主導でですね、こういった難しい問題の合意に達することができたと。そしてこれはアジア太平洋地域におきまして、自由で公正な新しい21世紀型のルールをつくっていくという大事な重要な一歩でありまして、米国やほかのですね、アジア太平洋諸国、地域に対しても、積極的なメッセージになったと考えておりますし、日本の成長戦略上もですね、大きな成果であったと、こんなふうに考えております。
 もちろんこれからですね、残された課題といいますか、早期の署名、発効に向けて様々な作業、課題の解決に入っていくわけでありますが、まず条文ですね、この協定条文に係る翻訳、これは正文が英語そしてフランス語、スペイン語ということですから、この翻訳であったりとか、法技術的な検討、リーガル・スクラブと言われるものでありますが、これを加えた上で署名に向けた準備を進めていきたいと、また、今回の閣僚合意では、合意以降詳細をですね、署名までに具体化する項目として、労働者に関する紛争処理、中でもそこの中での制裁措置、これをどうするかと、こういった幾つかの問題が残っておりまして、引き続き我が国が関係各国間の調整を主導して解決をしていきたいと、こんなふうに思っているところであります。
(問)TPPお疲れさまでした。無事に大筋合意ということになりましたけれども、先程は触れられてませんでしたけれども、カナダの態度がですね、まだ見通せないということもあって、そういった部分でも課題があるのかなと思いますが、その部分ではどういうふうに対処していきたいというふうにお思いでしょうか。
(答)確かにですね、カナダ、御案内のとおりですね、木曜の夜、大筋合意をするに当たりましては、最終局面でいち早く支持を表明されて大筋合意ということになったわけでありますが、翌日予定されておりましたTPPの首脳会合の直前、急遽、大筋合意と、これを首脳レベルで確認できる段階にないという話で若干の混乱、率直に申し上げまして驚きもあったわけでありますが、この協定の案、更には、凍結項目等につきましては、その後改めてですね、全ての文書につきまして閣僚間で合意を確認いたしましたので、その合意に基づいて、これから具体的な署名に向けた検討を進めていくということです。もちろんそれぞれの国がですね、今後署名に向けては課題を抱えてるのは事実でありますが、そういった課題も含めてですね、解決をしていきたいと思っております。
(問)それともう一点ありまして、農業分野のことなのですけれども、今回、第6条のほうで協議の見直しの部分を担保されたと思うのですけれども、農業関係者の中にはですね、第6条で書かれたとはいっても、拘束力だとか実効性とかというのはどのぐらいあるんだろうかと不安に思ってる声も聞かれます。日欧EPAの関係もあって特に酪農家にとっては、乳製品の問題があるのでダブルパンチの打撃となるわけですけれども、またさらに牛肉の関税がTPPが発効されましたら引き下げられるので、雄牛の価格にも影響すると見られてですね、そういった部分での打撃がはかり知れないということで、不安の声を聞かれます。こうした農業分野への対策、今後どういうふうにしていく考えなのかというのをお願いいたします。
(答)今回のTPP11でありますが、基本的にその条文につきましてはTPP12をですね、組み込むと、インコーポレートすると、こういった形でつくってあります。それにもかかわらずArticle6(第6条)を新しく入れたわけであります。Article6(第6条)と、これは我が国としてもですね、農業分野のことを念頭に置きながら、将来このTPP12が発効する見込みがなくなった場合などには、締約国の要請によりまして必要な見直し協議を行うことができると、新しい条文、これを入れたわけでありまして、さらにその対象、どうなるかということに対しまして、TPP全ての締約国を対象とした牛肉や酪農製品を含む関税割当て数量及び、セーフガード措置の発効数量が含まれているとの考え方をですね、閣僚全体会合の中でも私から明確に申し上げております。しっかり担保すべきは担保していると、このことについては自信を持っております。
 ただ、酪農家の支援と、これはしっかり今進めていかなければらないと思っておりまして、今月下旬の総合的なTPP等関連政策大綱の改訂に向けて、日EU経済連携協定やTPP11に備えた農林水産業の強化策の中で具体的に検討していくということになります。
(問)話題が変わりまして人づくり改革に関することですけれども、人づくり改革の中で幼児教育の無償化ですね、認可外の保育所や幼稚園というものも含めるのかということについて様々な議論があるようです。3から5、0から2、いずれもですね、どのようにお考えか、どのように調整を進めていかれるのか、お願いいたします。
(答)まず幼児教育の無償化については総理もはっきりですね、言っているように、3歳から5歳児の幼稚園、保育園については全面無償化をすると、また、0歳から2歳児についても、まずはこれ待機児童の大半が0から2歳児ということでありますから、待機児童の解消を進めるとともにですね、所得の低い世帯について無償化を行うと、この基本的な方針ははっきりしてございます。
 そしてこの中でですね、認可外保育園を対象としないと、こういった議論を政府において一度も行ったことはございません。現在ですね、党においても、幼児教育の無償化の在り方を含め様々な議論が行われていると承知をしておりまして、こういった恐らく党のほうからも提言を出していただけるんではないかなと思っておりますが、この与党の提言も踏まえて12月上旬にはですね、新しい経済政策パッケージを取りまとめていきたい、こんなふうに思っております。
(問)今の回答の確認ですけども、認可外を対象としないという議論は政府でしたことはないということは、認可外も含めて検討をするということでよろしいのでしょうか。
(答)行間を読み取っていただければ大体ですね、言ってることはお分かりいただけると思います。
(問)ちょっとまた話変わるのですけども、アメリカの、今月ですね、アメリカのFRBの議長に、次期議長にですね、パウエル理事を指名することが発表されまして、彼は利上げに慎重である一方で、例えば金融規制の緩和に前向きであるとか言われてますけれども、金融市場とかですね、あるいは実体経済を通じて日本にどういう影響を及ぼしてこられるか、来るか、大臣のお考えをちょっと伺えればと思いますが。
(答)パウエル理事については、細かいですね、一つ一つの政策ということになりますといろいろあるかもしれませんが、基本的にですね、イエレン現議長から大きな考え方の変更はないと、こういう報道がなされております。いずれにせよ、これから議会の承認を経た上で、決定されるということでありまして、こういったFRBの議長でありますから、これがアメリカの実体経済であったりとか政策運営、その動向に強い影響を持つわけでありまして、これが貿易・投資関係、更には金融市場を通じて世界経済にどのような影響を及ぼすのか、引き続き注視をしていきたいと思っております。
(問)TPPにちょっと話戻ってしまうのですけど、ちょっと表現のことでちょっとお伺いしたいのですけれど、今回ダナンの閣僚声明で大筋合意という大臣お話されてて、若干カナダの話であるとか、政治レベルの今後交渉が必要なものも残っている状態だと思うのですけれど、日欧EPAでは、あちらは大枠合意という表現をしていて、あちらも投資の問題とか若干残っています。大筋合意と大枠合意、この違いというかですね、これどういうふうに捉えたらいいのかちょっと。
(答)大筋合意と、これはアグリーメント・イン・プリンシプルですから、基本的にはその新協定の条文、それからもう一つの構成要素が凍結項目等と、これについて合意をすれば大筋合意であると、このことは会議の席上でも冒頭私から申し上げて、そのこともきちんと確認した上でAnnexの1、そしてAnnexの2にですね、その条文案、更には凍結項目のリスト等を添付してるわけでありまして、大筋合意と言われてきたですね、要件と、これはきちんと満たしておりますので大筋合意だと、このように考えております。
(問)細かい質問ですけれども、今回の会合を経てですね、TPP11についてCPTPPと書く報道も増えてきたと思うのですけども、そちらを正式名称と使ってもよろしいものなのか、御意見をお願いします。
(答)Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnershipと、こういう何というか長い名前になるわけでありますけど、そこにはその一つはやはりですね、今回のTPP11の、協定と、これは単に貿易問題だけではなくて投資であったり知財であったり、様々な21世紀のルールを包括すると、こういった意味で極めて幅広い分野を含んでいると、コンプリヘンシブであると、同時にこれまでこういったハイスタンダードのですね、しかも多国間の協定というのはないわけでありまして一歩先を行っていると、プログレッシブであるということから、こういった名称にさせていただきました。
 皆さんがどういう名前使われるかと、このことについては御判断でありますけど、通常は多分ですね、TPP11という使い方をするのではないかなと思います。CPTPPと、どこで切っていいのか分かんなくなったりとかしますので、私は少なくともTPP11と、そのように通称としては呼ぼうと思っております。

(以上)